急に具合が悪くなる理由(貧血)と予防6
「根性」というと、なんとなく汗と涙のイメージです。 実際の根性は、涼しい風です。

人の能動的楽観主義が本物かどうかは、危機のときの態度を見ればよくわかる。本物は危機のなかに隠れたチャンスを見つけ、チャンスを生かすことができる。


有用度が並外れて高いと、プログラムは最終的にDNAのレベルにまで刻み込まれる。たとえば本能は生まれながらに備わった行動であって、わざわざ学習する必要がない。これはきわめて長い時間軸での可塑性によって生じるもの(中略)脳内の地図が書き換えられたのは、生きていくうえでそれが切実な問題だったからである。目指すものがあるから、それに応じて脳がありようを変えた(中略)何日も練習を重ねるうちに動きが自動化され、頭を使わなくてもよくなる。なぜかといえば、運動学習に関与する領域(大脳基底核)から小脳などへ学習内容が移されたためだ

脳の発火パターンを変えるためには、不断の心的実践が必要(中略)投薬やプラシーボとは異なり、神経の可塑性を利用したテクニックは、ひとたび神経ネットワークが再配線されれば、徐々にその実践頻度を減らしていける。言い換えると、効果は持続する。

僕は真剣に取り組んではきたものの、小学生の頃にサーフィンを始めた人たちのようにはやれない(中略)僕が言いたいのは・・・・・大事なのは直感で、それは経験を通じて手に入れるものだということ、そして、四六歳になってからやるよりは、若いうちに始めたほうが、ずっと簡単に、より良く身につく(中略)若者たちはまっさらな石版だ。何かを刻み込む前に洗脳を解く必要はない。サーフィンにおいては、波が来た時にどこにサーフボードを置くべきかを知ることが肝だ。僕みたいな年寄りは、波を研究して、自分たちの脳みそを使ってそれを理解しようとする。だが、僕は子どもたち(いま言っているのは、十歳くらいの子たちのことだ)が、正しい場所にただ向かっていくのを見てきた。彼らは考えてさえもいない。すでにそれを感じ取っているのだ。これが科学界の必要とするものだ。

実は反射神経というものはなくてパターン認識がすべてなのだ(中略)神童は、非凡な遺伝子など持っていない。非凡な育ち方をしているのだ。彼らは誕生から青年期までの短い時期に数千時間の練習を詰め込んでいる(中略)複雑な課題では、傑出性を決めるのは知識だ(中略)傑出するためにはどれだけ練習すればいい? 広範な調査の結果、じつはこの質問に対してきわめて明確な答えが出ている。芸術から科学から、盤上の遊びからテニスまで、あらゆる複雑な作業において世界のトップに達するには、最低でも一〇年は必要(中略)ひらめきの瞬間は晴天の霹靂ではなく、専門分野に深く没頭したあとに湧きおこった高潮(中略)エキスパートのやり方がわかれば、それを素人に直接教えられるという発想は魅力的ではありますが、実際には無理です。専門技能は長期的に発達していくプロセス(中略)画一的な集団は、みんな同じことしか考えず、同じ見落としをしてしまうし、別のフレームで物事を考えられなくなり、ときにそれが大失敗を引き起こす


ランダム性には、社会のカードをシャッフルし直し、肩で風切る大物を叩き落とすという優れた効能がある

事実を知らなければ、当然まともな判断もできません(中略)知らなくては話になりませんし、知る量は多いほどよいのです。知れば知るほど、より正確な判断ができ、実を結ぶ確率も高くなります(中略)IQが上がれば抽象度の高い思考ができるようになります(中略)悟りに向かうとか、抽象度の高い思考で生きるなどというと、つい、私たちは情動を否定してしまいますが、真の意味で前頭前野で生きるというのは「情動は否定しないで、情動を超えたところで生きる」ということ

「一万時間の法則」というのを聞いたことがあるんじゃないかと思う。それくらい訓練しなければ、サーフィンであれ洞窟探検であれサックス演奏であれ一流にはなれないという理論である。実際に必要な時間を厳密に割り出すのは無理だとしても、大まかな考え方は正しい。膨大な数の反復がない限り、意識下に地図を刻みつけることはできない

「カオスの縁」といわれるものは秩序とのあいだにある複雑性が極大化した状態のこと(中略)抽象度が下の人から見た上の人は完全に自由。そして下から上をコントロールすることはできない。なぜなら、ランダムに見えるので次ぎにどうなるかわからないからね(中略)「ほんとうの自由はサイコロを振ることしかない」っていうのが、ゲーデルの不完全性定理のとりあえずの「解」ね。でも、「そんなはずはないだろ」って思うでしょ。そこでさらに「自由ってなんだろう」と考えていくと、「抽象度が上がることによる自由」なのね。抽象度の階段がひとつ上がると、ランダムと思えるものでも自分より下の階層のパターンはぜんぶ見えるようになる(中略)この人には裏があるわと思って観察すればいい(中略)判断するうえで気をつけなければならないことがひとつある。反論を知るためには、当事者のものを避けるか、用心しながら読むことだ(中略)利害関係者だったら、その反論が嘘である可能性もある(中略)だから、利害関係者ではないところからの意見に耳を傾けるべき(中略)釈迦の偉大さは、当時の社会を支配していたバラモン教の巨大システムに対して、高い抽象度から俯瞰することで「あんたたちは間違っているよ」とシステムエラーを見つけ出した上で、仏教という新しいシステムを構築したことです。

ステレオタイプが存在するのは、アメリカの心理学者スーザン・フィスクとシェリー・テイラーの言葉を借りれば、人間の脳は最小限の知的作業ですまそうとする 〝認知的倹約家〟だからだ。脳は近道や決まりきった考えのほうが好きで、安易さと真実のどちらかを選ばなければならないとすれば、たいていは安易さを選ぶ。脳はできるだけ少しの努力ですませたがるため、ほとんどの人は意識して考えたり、見たり、聞いたりする対象を広げようとはしない。これが人間の尽きることなき悪の根源だ。

アマゾンを舞う一匹の蝶の羽ばたきが、遠く離れたところで嵐を巻き起こすと言うバタフライ効果のような感じ。このようなメカニズムを「倶舎論」では「相続転変差別(そうぞくてんぺんしゃべつ)」と呼んでいます(中略)今で言うところの複雑性のカオス理論のようなこと


低体温療法という分野(中略)体が必要とする酸素が、特に脳細胞で減る

脳の冷却による酸素需要の減少のため、数時間に渡る心配蘇生後でも、神経後遺症なしでの生存が可能となり得る。

酸素が欠乏してしまうとエネルギーを生成する細胞内のミトコンドリアが故障して、解糖系のエネルギー生成が盛んになり、がん細胞が発生、増殖(中略)酸素と結びつけないで燃えかすとなった糖が細胞内に残り、そのまま糖化されたものが腫瘍・・・・・がん細胞になる


重要なスキル───視点のズレを見越す(中略)ある調査で、ミネソタ大学の研究者ユージーン・キムとテリーザ・グラムは、非常に才能のある人は他人に嫉妬されやすく、嫌われたり、うらまれたり、仲間はずれにされたり、陰で中傷されたりすることを発見した
ほとんどの人間は想像力が欠如している

抗がん剤の副作用による肺間質へのダメージ(間質性肺炎など)や、心肺機能の低下、そして何より造血幹細胞の抑制による「貧血」が、体内からのCO排出と酸素運搬を絶望的に困難にします。健康な人(トレーニングをしている人)であれば、標高1000mでの VO2max の低下は数%程度であり、安静時にはほとんど影響を感じません。しかし、がんの進行や抗がん剤によりヘモグロビン(Hb)値が正常の半分(例:14 g/dL から 7 g/dL)に落ちている患者の場合、平地にいる時点ですでに「標高3000m〜4000m」に相当する酸素運搬能力の低下を起こしています。その極限状態において、低気圧(台風や爆弾低気圧で 970 hPa 程度まで下がる)が到来することは、健常者がいきなり富士山の山頂にワープさせられるような深刻なインパクトを持ちます。初期の高山病に似た症状(頭痛、強い倦怠感、息切れ、あくび、思考力の低下)は、この「ギリギリの酸素供給」が低気圧によって閾値を下回った瞬間に一気に表面化。


気象の世界では、大気は温まると膨張して密度が下がって上昇気流となり、冷やされると密度が上がって下降気流となります。これによって高気圧とか低気圧が生まれます。台風は熱帯性低気圧です。さて、大気の密度が低い低気圧がやってくると、身体に変調を来すことが知られています。これを「気象病」と言います(中略)関節が痛むとか、喘息発作がきつくなったとか、気分が重くなる、塞ぐ、やる気がなくなるなどの傾向もあります(中略)酸素濃度が低気圧のために薄くなることも関係がある(中略)高気圧の天候になると、元気になったり、気が晴々したりするとか、身体が軽くなるなどの傾向がありますが、このことも高気圧により酸素濃度が高くなるから

高気圧による循環の改善作用は、たとえば事故で足を挫いてしまったような病態の治療にも有効です(中略)病院には2気圧、100%酸素の高気圧酸素治療装置(医療装置)があります。


高気圧のときは体調が良くなる(中略)高気圧だと適度な外圧がかかってくるので、血流やリンパの流れが安定し、体調が良くなる傾向にあります(中略)代謝を促し脂肪を燃やすためには、赤筋を鍛えることが効果的です。それに対して白筋は赤筋の外側に多く存在し、体を大きくする働きがあるため、白筋を鍛えることで「筋肉がつく」状態になります(中略)酸素は筋肉の働きには欠かせないので、酸素が豊富にある酸素ボックスで白筋を鍛えるような筋トレをすること自体、決して間違ってはいません。血流が末梢まで行き渡ることで代謝が活発になるため、日頃から運動不足気味の人には向いているでしょう(中略)「高気圧酸素療法」という言葉からもわかるように、人体にとって酸素だけではなく「気圧」もまた重要なファクターです。天気予報では「気圧」という言葉が頻出します(中略)高圧になるとヘモグロビンと結合する酸素に加えて、血液中に溶解する溶存酸素量も増えます。つまり組織への酸素効率がより高くなります。骨折など組織再生や、疲労回復、また睡眠の質を深める

交感神経が優位のままの状態の人がたくさんいます。不眠の人が多いのもそのためです


眠れない時には無理に眠ろうとせず、身体を起こして意識呼吸をし、体調を回復させる方がよい結果をもたらすだろう(中略)ダイアモックス(※アセタゾラミド) この薬は、意識呼吸ができない睡眠中の呼吸量を増やす効果を持つ(中略)ダイアモックス:薬の化学作用により、無意識のうちに呼吸量を増やし、SpO2を上昇させる。このため意識的な呼吸ができない睡眠時には特に有効である(中略)この薬は特に睡眠時に効果を発揮する。ただし副作用もある。利尿作用があるので、高所ではただでさえ起こりやすい脱水を助長しかねない。運動能力を落とすという報告もある。また飲めば必ず効くというものでもない。国際山岳連合の医療委員会(UIAA MedCom)の指針には、ダイアモックスのむやみな使用は進められないと書かれている(中略)UIAA MedComの指針では、①救助などの目的でやむを得ず急激に高度を上げる場合(中略)この薬には呼吸を穏やかに促進させる作用があり、体内の酸素欠乏を防ぐ効果をもたらす(中略)特に、呼吸量が低下する睡眠時には効果を発揮する。脳浮腫を軽減させる効果もある(中略)1日2回、朝と晩に半錠(125mg)ずつ、1日で合計1錠(250mg)を服用する。高所に上がる前日、または当日から服用を始め、目的の高度で順応が得られたら(おおよそ2〜3日後)服用をやめる(※副作用には手足のしびれ、頻尿や多尿とそれによる脱水、運動能力の低下、味覚の変化、耳鳴りなど。硫黄化合物にアレルギーのある人は不適。利尿作用があるために効くわけではない)(中略)山では眠れないという人も多いが、実際にはある程度眠っているので気にしない方がよい。高山病は睡眠時に起こりやすいことを考えると、時々目が覚めることはむしろよいことである(中略)睡眠薬も呼吸量を低下させ、酸素欠乏も助長する(中略)高山病は体内の酸素欠乏、つまり動脈血酸素飽和度(SpO2)が低下することにより起こる。特に睡眠時にはSpO2が低下しやすく、高山病も起こりやすい(中略)努力をした上で、それでも追いつかない場合には薬を使用してもよい。しかし、それをせずに薬だけに頼ることは慎むべきである(中略)高山病は体内の水のバランスが崩れることによって起こる。主症状である頭痛は、脳の中の水分量が増えて腫れ、頭蓋骨という硬い器の中で圧迫されるために起こる。吐き気やめまいも、このような脳の変調により起こる(中略)風邪、疲労、体調不良の症状とも似ているので、見過ごして悪化させないよう、見きわめに注意する(中略)高山病は、2500m以上では誰にでも起こりうる。病気というよりも、低酸素のストレスが過度にかかっていることを警告する信号といえる。それを早期にとらえ、適切に対処すれば自然に治るが、無視したり無理をすれば重症の高山病に発展する。※引用者加筆.



高所では血中酸素濃度が低下するために脳が低酸素状態になる(中略)小型のパルスオキシメータ(経皮的酸素飽和度計)を個人装備として携行するのも高所登山では一般化(中略)体の酸素レベルを的確に知ることこそ重要である(中略)肺水腫や脳浮腫などへと重症化させないように注意深く自分自身の体を観察する必要がある(中略)治療として最も大切なことはできるだけ早く、できるだけ低い場所へ移送することである(中略)高地肺水腫が発症すると救命率は低い(中略)高地肺水腫の前駆症状は、痰のない咳であり、進行するとごろごろした呼吸、泡状の痰、血痰、安静時の呼吸困難、胸部の圧迫感などが主な症状である。これらの症状は夜間に急速に増悪する(中略)胸壁に耳を押しつけるとごろごろした呼吸音を聴くことができる。高所肺水腫は頭痛、意識障害、昏睡などの症状を示す高地脳浮腫を伴う場合が多く、死亡率が高くなる(中略)治療:ただちに下山、下降(500m程度の高度差でも良い)、加圧バッグに入る、頭痛に対してはバファリン、モルヒネ等の鎮痛薬を用いる。さらに副腎皮質ホルモンや利尿剤のアセタゾラミドを使用する

アセタゾラミド(ダイアモックス®)(保険適用外)本剤はスルホルンアミド誘導体アセタゾラミド製剤であり、炭酸脱水酵素の働きを抑制する。炭酸脱水酵素は二酸化炭素と水と水素イオンと炭酸水素イオンに迅速に変換する働きをもつが、本剤は主に近位尿細管においてこの働きを抑制する。これにより水素イオンと尿細管腔内のナトリウムイオンとの交換、すなわちナトリウムの再吸収を抑制し、炭酸水素イオン(重炭酸イオン:HCO3-)(※炭酸(H2CO3)のうち水素分子が1つ電離した状態の陰イオン)の排出を増加させることで利尿効果が現れる。一方、炭酸水素イオンの排出により代謝性アシドーシスが起こると、増加した水素イオンにより呼吸中枢が刺激され換気量が増大する。この換気応答により睡眠中の呼吸状態が改善する(中略)重大なものとしては代謝性アシドーシス・電解質異常、そしてショックやアナフィラキー様症状を起こすことがあるため、予防的投与についてはこれらの副作用について熟知し、入山前に飲用を試みるべきともいわれる(※山岳救助のように急激に高度を上げる必要のある人に対して推奨できる)(中略)アセタゾラミドが利尿薬(中略)アセタゾラミドは高所順応を促進することにより、急性高山病を緩和するが、治療よりも予防効果の方が有用性は高いことを念頭におく必要がある(中略)アセタゾラミドは高所順応を早めるため、すべての形態の高所障害の予防に効果的と考えられる(中略)臨床観察によりアセタゾラミドがre-entry HAPE(高所に居住している人、主に子ども、が低所に旅行し自宅に急速に戻ったときに発症するHAPE)を予防する可能性が示唆されている(中略)軍隊やレスキュー隊など特殊な任務の登山で急速に高度を上げる必要がある場合はアセタゾラミドとデキサメタゾン(※デカドロン錠は、抗がん剤治療中などの吐き気・おう吐をおさえるために服用される)の併用が用いられることがある。アセタゾラミドの内服は登高の1日前から開始し、目標高度に2日滞在した後は中止する。デキサメタゾン(※デカドロン錠は、ステロイド系抗炎症薬 (SAID) の一つで炎症の原因に関係なく炎症反応・免疫反応を強力に抑制、また血糖上昇や不眠、骨量低下等の副作用を有する)は登山当日からの開始でもよい。※引用者加筆.


毒性が最大級のものとは何だと思いますか? 答えは「薬」(中略)比較的軽いところで言うと、睡眠薬

薬を飲み続けてもその状態を維持できるわけではなく、むしろ身体に負担がかかって健康状態が悪化します(中略)みなさんは薬を処方されるとき、薬剤師さんから説明を受けていると思いますが、実際に薬を飲むと何が起こるか、理解している方はそう多くはない
薬の副作用などで呼吸鎖複合体に障害が起こると、ATP産生が減少するだけでなく活性酸素が過剰に発生して、酸化ストレスが引き起こされます(中略)痛みと関係が深いのは、プロスタグランジンという物質です。組織が損傷を受けたとき、細胞膜にあるリン脂質はアラキドン酸に変わり、シクロオキシナーゼ(COX)の作用によってプロスタグランジンが生成されます。このプロスタグランジンは、痛み、熱、腫れなどを引き起こします。プロスタグランジンには血管を広げて、血流を促すはたらきもあります。非ステロイド系抗炎症薬は、シクロオキシナーゼを抑制してプロスタグランジンが生成されないようにする作用をもつため、痛みをやわらげると同時に血管を収縮させます。結果として、腎臓の血流が減少し、腎臓のはたらきが低下することがあります。

半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)に含まれる他の生薬の総合的な作用がより効果を高めている(中略)半夏瀉心湯には腸管内プロスタグランジンE2(※起炎物質・発痛増強物質)の増加を抑制し、障害された腸管粘膜の修復を促進し、さらに腸管の水分吸収能を改善する効果(中略)単一の成分より複数の生薬の相乗効果を利用して効果を高める点が漢方薬の特徴 ※引用者加筆.

わたしたちは仕事でも、プライベートでも、安全で確実な道を選び、着実に手堅く前進できるような行動をとることが多い。だがシトフスキーによれば、本当の進歩、そして本当の喜びは、危険を覚悟で、今までとはまったくちがうことをやることでこそ、手に入れられるものだという

認知行動療法では、これ以上起きていられないほど眠気を感じるまでは、ベッドに横たわらないように指導(中略)これが睡眠不足の人への指導とまったく異なる点

認知行動療法では、まず誤った前提と向き合ってから、それを変えるための実用的な戦略を患者に教える。

「自分はいつでも正しい」「自分は皆から敬意を払われて当然だ」と思い込み、意見が対立すればそれを個人的な侮辱ととらえやすい。自分以外の人間に感情や意志があるとは考えない。しかし、これも認知行動療法によって抑えることができる。「治す」ことはできないが、それが思い込みであることを認識し、薄めるように訓練することはできる。こうした肩で風を切って歩くような思考パターンは「名誉を重んじる文化」のなかで強化されたものだから、その考えをセラピーなどで崩していくことも可能だ

心理療法家の仕事というのは、つきつめていけば、患者の成熟をうながし、助け、大きく発展させることである。

睡眠薬は、ただ脳の外側だけを眠らせているにすぎない(中略)その結果、不眠と睡眠薬の悪循環が(中略)事態はどんどん悪化していく(中略)寝不足のマウスは、ガンが成長する速度も大きさも、十分に睡眠をとったマウスと比べて200%増加(中略)睡眠不足のマウスにできた腫瘍のほうがはるかに攻撃性が強く、周辺の臓器、組織、骨にまで転移(中略)転移してしまうと手の施しようがなくなり、死亡率が一気に上昇(中略)睡眠不足がガンにつながる具体的なしくみもわかってきている。原因の一部は、睡眠不足によって交感神経が過度に興奮することだ。この状態が長く続くと、体内の免疫システムが炎症という反応を示す(中略)普通に睡眠をとっている人は、決して大きな精神病を発症しない

なかには痛くて苦しいがんもあります。たまにがんができた場所が悪くて神経や気道を押していたり、骨転移すると痛みが出たりする

がんは根性で治すものではありません。そして、治療法選びで見落とされがちなのは、「楽しい」治療であるということ。「治療が楽しい? そんな話は聞いたことがない」と思うでしょうが、確かによく知られるがん治療は、辛く厳しいものです。しかし、それががん治療の本質ではありません。辛さを耐えれば、完治するわけではないのです(中略)肺や骨に転移があっても、完治に至ったケースが多々見られる(中略)転移について、「がんは骨まで転移したら、おしまい、もう助からない」と考えている人が多いようですが、それは間違いです。骨転移でも、見事治癒する例もあります(中略)優れたがん治療とは、どんなものでしょうか。重要なポイントのひとつとして、「自宅にいながら、治療できる」ことが挙げられます(中略)自分で治療できれば、それに勝るものはありません(中略)当然ながら、副作用がない治療が望ましい(中略)とにかく末期でも《効く》ものを!(中略)体力を奪わずに、がんのみを叩けるものを!(中略)サイモントン博士は、がんの放射線治療医でしたが、同じようながん患者でも、治療の効果が人によって大きく異なることに注目しました。サイモントン博士の結論は、「患者の精神状態は、あらゆる治療効果を左右する」というものでした(中略)日本人は、「他人と同じで安心する」という奇妙な癖がある(中略)もっと柔軟に考える必要があります。
最高最強の抗ガン剤であるミトコンドリアは、筋肉の細胞に多く含まれています(中略)ガン細胞が死滅していくにも大量のATPが使われている(中略)したがって、ミトコンドリアとATPこそ最高最強の抗ガン剤ということ(中略)私は不老長寿のために、何かひとつ果物を選ぶとすれば、リンゴ(中略)リンゴを選んでいるいる理由は、ATP作りの前段階であるクエン酸回路を動かす有機酸を豊富に含むうえに、他の果物に比べて季節性が比較的薄くて手に入りやすい

クエン酸サイクルでは、クエン酸、アコニット酸、イソクエン酸、アルファ・ケト・グルタル酸、琥珀酸、フマール酸、林檎酸、オキザロ酢酸と順次、それぞれの酸に変化していき、再びクエン酸に変わります。各種酸に変化する過程でATP(アデノシン三燐酸、熱エネルギーのこと)と水、二酸化炭素が生まれるのです(中略)このようにして循環していろいろな酸に変化し、また、クエン酸に戻ることからクエン酸サイクルと名づけられました。

驚くべきことに、ミトコンドリアは地球からおよそ一億五〇〇〇万キロメートル離れた場所で放たれた太陽エネルギーをとらえて、細胞の利用に供する。薄い皮膜に覆われたミトコンドリアには、光感受性のシトクロムが詰まっている。日光の光子は、皮膜を通過してシトクロムに接触すると吸収され、細胞内にエネルギーを蓄える分子の生成を促す。この分子はATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれ、いわば万能バッテリーのごとく機能し、細胞が仕事を行う際にエネルギーを供給する

日の光を浴びるとき、ミトコンドリアの微小管もまた、この「ターボチャージ」効果の恩恵に浴する

細胞がATPを放出すると同時に組織がゆるむ

一個のミトコンドリアは、三七個の遺伝子と、遺伝子からタンパク質を作るのに用いるリボソームをもっている。そしてときどき細菌のように増殖する。真ん中でくびれてちぎれ、それぞれが自身のDNA群を持つ、ふたつの新しいミトコンドリアになるのだ(中略)二〇億年前、われわれのミトコンドリアの祖先は、自由生活性〔単独で動きまわる生活形態〕の細菌だった。それがより大きな細胞(単細胞の真核生物)に呑み込まれ、ふたつの種は協力関係を築いた。ATPを提供するのと引き換えに、ミトコンドリアは、遺伝子の大半を失った。だがすべてを失ったわけではない。それに細菌の祖先のように分裂する能力も失っていなかった(中略)一部の細菌は、日の当たる海面に浮かびながら、太陽光によってATPを作っている。地下深くでは、また別の種類の細菌が、鉄原子にたくわえられたエネルギーを利用してATPを生み出している。生物は、十分な量のATPをため込むと、それを燃料として使い、その結合を断ち切って、なかに収められていたエネルギーを解放する

「エネルギーが人生を動かす」というバイオハックの基本原則(中略)バイオハックとは、さまざまな意味で、結局はミトコンドリアのバイオハックなのだ!(中略)ATPはミトコンドリアによって産生(中略)ミトコンドリアはこのエネルギーを蓄える「バッテリー」と、エネルギーを送り込む「コンデンサー」の両方の役割を果たす(中略)エネルギーの産生はミトコンドリアの主要機能だが、ミトコンドリアには別の役割もある。体内システム全体の重要な生物学的プロセスの監視にも関わっているのだ。

エネルギーを作る装置としてよく知られているのは、「ミトコンドリア」です。これは細胞小器官の一つで、赤い色をしています。それは、チトクロームという鉄タンパクを含んでいるためです(中略)赤筋は、ミトコンドリアが多いために赤く見える

(※ヘム鉄は)細胞のエネルギー源を生み出すときに活躍するシトクロム、主に肝臓での解毒作用で主役となるシトクロムP450などの成分となって活躍 ※引用者加筆.

ヘモ鉄やコーキュー10、αリポ酸などのサプリメントを摂ること(中略)ミトコンドリアDNAは、母親からのみ遺伝する(中略)ミトコンドリアは、細胞核内のDNAとは独立して、独自のDNA(ミトコンドリアDNA)を持っています。そのミトコンドリアDNAが変異することによって発症する糖尿病が、ミトコンドリア糖尿病

カカオ豆を砕いた「カカオニブ」と呼ばれるものは、微量栄養素の宝庫だ。マグネシウム(本当に大事な栄養素だ)、鉄、銅が豊富に含まれる(中略)銅は脂肪の代謝で重要な役割を果たす

赤色光療法を使用する。これにより、ミトコンドリアのエネルギー産生能力を高めよう(中略)赤色光と近赤外光は、非常に穏やかなストレスとして作用し、細胞内の保護メカニズムを活性化させる。赤色光が皮膚に当たって細胞に届くと、ミトコンドリアが刺激されて、身体のガソリンであるATPの形で、より多くのエネルギーが作られるようになる。すると天然の抗炎症物質と抗酸化物質の産生が増えて、治癒作用が加速される。

クレアチニンは、これ以上ないといっていいほどの魔法のような分子で、肉のなかにしか存在しない。リン酸結合の形でエネルギーを蓄えるのを助け、より多くのATP(アデノシン三リン酸)がすぐにも必要なときに利用される。ATPとは、筋肉が収縮するときや、体内のすべての細胞で、繊細な遺伝物質を保護したり修復したりするときに使われる物質だ

クレアチン酸は筋肉でエネルギー源として使われます。クレアチンリン酸がクレアチンとリン酸に分解されるときにエネルギーを発生(中略)赤血球を除いて、ほぼすべての細胞にミトコンドリアが存在

がん細胞ではミトコンドリアでの酸素消費を増やせば、活性酸素の産生が増えて、酸化ストレスによって(※がん)細胞が死滅する(中略)ミトコンドリアでの活性酸素の産生が高まると、細胞内の抗酸化力が高まるので、ストレスに対する抵抗力が高まって寿命が延びる(中略)特徴を利用すれば、正常細胞にはダメージを与えずにがん細胞だけに酸化ストレスを高めてがん細胞を死滅させることができる(中略)がん細胞の核の存在下でもミトコンドリア機能が正常であれば腫瘍性が消失するということは、細胞核の遺伝子異常(体細胞突然変異)よりもミトコンドリアの機能異常の方が重要かもしれないという可能性を示唆(中略)つまり、ミトコンドリアでの酸化的リン酸化が阻害されると、細胞はがん化する(中略)ミトコンドリアを正常化させると、がん細胞の悪性形質を低下できる(中略)ミトコンドリアでの酸化的代謝ががん細胞の増殖と転移を抑制する(中略)ミトコンドリアでの酸素呼吸を亢進するとがん細胞の悪性形質(増殖や転移や浸潤能)を抑制できる ※引用者加筆.

体内のどこでも使える通貨はATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれるもので、ミトコンドリアは脂肪を「燃やして」便利なATPに変える(この過程をベータ酸化と呼ぶ)。またグルコースを燃やしてATPを産生することもある(この過程を細胞呼吸と呼ぶ)


ドクター・ハイマン(※63歳)の実践例(中略)ヘリスキー[ヘリコプターで山頂まで行き、そこからスキーやスノボを楽しむスポーツ]を楽しみ、テニス技術を飛躍的に上達させ、筋肉を増やし、マウンテンバイクで山を登ったり、重いウェイトを持ち上げたりすることにおいて30代の友人たちを凌駕している。私の目標は、生物学的年齢を43歳に留めることではなく、時計の針を25歳まで戻し続けることだ!※引用者加筆.

ミトコンドリアはペプチドを使って細胞内や細胞核と連絡し合う(中略)ミトコンドリアがペプチドを作っている(中略)このタンパク質(※ヒューマニンというミトコンドリア由来ペプチドMDP)はミトコンドリア内にあり、さまざまな種類がある。そのうちいくつかはスーパーエイジャーにのみ見られ、老化のストレスに対する回復力をもたらす ※引用者加筆.

ミトコンドリア「かまど」

(※酸化ストレス影響受けやすい)ミトコンドリアは、成熟赤血球を除く、すべての細胞に存在 ※引用者加筆.

植物の細胞だけに見られる葉緑体にもDNAが存在しますから、「DNAは核とミトコンドリアと葉緑体にある」というのが正しい言い方になります。

ミトコンドリアの成長を促せば、それが解毒剤として働く(中略)最大の効果を得られるのは、絶食している最中か、運動をする前に炭水化物を食べていない状態で行った場合だ

太陽光に含まれる「遠赤外線(育成光線)」(中略)体は、内側から共鳴共振反応を起こし、熱を生み出す(中略)温泉は、育成光線を出す鉱物がお湯の中に

古代の細菌が、酸素ではなく硫化水素を食べて生きていたのを覚えているだろうか? そう、人間のミトコンドリアも同じことをしている

エネルギーの産生工場であるミトコンドリア

認知の転換は、機能不全の原因となる信念を変化に必要な不安の状態(※新しく知った現実の厳しさに怯えること)へと移行させ、そうして究極的にはより機能的な信念体系へと移行(中略)認知療法によれば、BPDの非機能的信念体系を変化させることは、その信念が極端で堅固なために、不安障害の人たちのそれらを変化させることよりも困難(中略)認知療法の1つの目標は、抱いている信念を点検し、望むような変化を起こすことができるように、それらの信念を修正するようクライアントを援助 ※引用者加筆.

私の考えは、別の非常に影響力のある医師アーロン・ベック(Aaron Beck)の考えと合致する。ベックは二〇二一年に一〇〇歳で死去したが、認知行動療法(cognitive behavioral therapy : CBT)の創始者であり、二〇世紀でもっとも重要な精神科医であることに疑いない(中略)ベックは一九五〇年代にフィラデルフィア精神分析研究所でフロイト派心理療法の研修を受けたのだが、精神分析医という地位にけっして満足できなかった(中略)心理的問題についての説明、そしてその解決法は、無意識の「秘密」の中にあるのではなく、意識的な思考の中にあるのだと、ベックは私たちに教えてくれた

(※一九七〇年代に精神分析家アーロン・ベックが)患者の認知傾向や歪んだ思考方法を、短期間でかつ体系的に治療する精神療法を開発し、「認知行動療法」と命名した ※引用者加筆.

「空気を読め」という同調圧力が支配する世間(中略)これは強者・権力者側から見ると支配にとても都合が良い

コンフォートゾーン(※排他的な世界)ばかりを広げていく世界が現状維持の世界(中略)多くの悩みは現状を維持したいと思うからこそ起きることが多く、現状から抜け出すだけで解決することも少なくありません ※引用者加筆.

最悪の事態は、できれば先に経験しておいたほうが、あとが楽になります(中略)そもそも自分の中にカオスがある人は、世の中がカオスになっても、自分の中のほうがカオスなので、世の中が平和に見えます。

誤った思い込みは、大人になってからよりも幼いうちに取り払ったほうがいい(中略)学ぶための最善の方法は教えること

神経可塑性は雪の斜面のようなものだ。ソリで丘を滑り降りるときには応用がきく。やわらかい雪の上を、どのルートを使って降りてもいい。しかし、二度、三度と同じ場所ばかり選んでいるうちに、跡がしっかりついてしまって、そこしか通れなくなる。神経回路も、いったん確立してしまうと、自動継続していくようになる。神経可塑性は、精神の柔軟性と硬直、どちらにもつながる。ほとんどの人は柔軟性をわずかな瞬間にしか経験しない。だから過小評価してしまうのだ。

この手の現象の正式な研究は「カオス理論」と呼ばれている。カオス系では状態はまったくランダムに推移しているように見える───が、次の状態が予測できないという意味ではランダムなわけではない。連続する状態を結ぶ明示的かつ決定論的な式を与えられるからだ。これは開始点を厳密に知ることが決してかなわず、その開始点におけるわずかな違いがのちにきわめて大きな違いをもたらしうる、という話

理不尽を早い時期にたくさん体験しておくことで、理不尽に強くなります。

子どもが文句を言う前に、10歳で厳しさへ放り込んでしまいます。それで慣れてしまうのです(中略)先生は厳しいのです(中略)自分たちが子どもの時に厳しく教わって、それが正しいとわかっているからです。

重要なことは、十歳のサイコパスの子供の親で、自分の息子なり娘がごくふつうの十歳の子供と同じだと思っている人など、ほとんどいないということなのだ(中略)サイコパスに対して、社会の期待や基準に沿うよう行動を修正するよう迫るとき、私たちは彼らにとって〝自然な〟生きかたをやめろと要求しているようなものだ(中略)サイコパスがなぜセラピーに積極的ではないのか、その理由はほかにもある。サイコパスは 〝脆い〟人間ではない。彼らが考えることやすることは、外からの影響に極度に抵抗する、岩のようにかたい人格構成の延長線上にある。治療プログラムを正式に受けはじめるまえに、彼らの態度や行動パターンはすでにしっかりと固定されていて、最良の環境条件のもとでも揺らごうとしない(中略)サイコパスは法的にも精神医学的にも、最近の正気の基準を満たしている。彼らは社会のルールや善と悪の慣習的な意味を理解している。自分の行動をコントロールすることもできるし、自分の行為がどんな結果をもたらすかもわかっている(中略)社会にうまく順応してきた人たちにとっては、サイコパスが経験するような世の中を想像することは、不可能に近い(中略)サイコパスはしばしば個人セラピーやグループ・セラピーを支配する(中略)サイコパスを治療するという努力は見当ちがい(中略)私たちの知るかぎり、サイコパスは完全に自分に満足していて、治療の必要性をまったく感じていない。じつは彼ら本人にとってもなんの支障もないのだ(中略)多くのサイコパスは自分の生きかたをあっさり楽しんでいる。ふつうの人たちとちがって、サイコパスは自分から助けを求めようとしない(中略)男女を問わず、サイコパスを精神病院などへ入れたら、ほかの患者たちに破壊的な影響を与えることは必至だ(中略)〝サイコパス〟とは精神医学用語で、もっとも重い場合でも精神病ではないがもっとも軽い場合でも正常ではない、という厄介な人格障害のことだ。〝障害〟 であるサイコパスには、一般に幻聴や幻覚(※重度の妄想 パラノイア)などが伴わないからだ(中略)「彼らは、私たちのなかにもあるなにかをもっている。私たちは、そのなにかがなんであるのか知ろうとして、彼らに惹きつけられる」と、マーク・マンは書いている(中略)私たちの想像を圧倒的に刺激するのは、なぜなのだろうか? 「明らかに、魔性は人を惹きつける」 と、同記者は書いている(中略)ニューヨーク・タイムズ紙の記者はさらに言う。「私たちだって、ひと皮むけばみんなサイコパスなのだ」(中略)サイコパスのおそろしい謎を解決できない社会的かつ経済的犠牲は膨大なものだ。その手がかりを求めつづけていくことが、私たちには緊急の課題になっている。※引用者加筆.

理解できるほど何かを極めたことがない。だからそのようなレベルに到達するのに何が必要か、どれほどの時間と質の高い練習が必要か、本当のところを理解できない。何らかの分野でトップレベルに到達するのに何が必要か身をもって体験すれば、他の分野でトップに立つのも同じような努力が必要なことが少なくとも頭でわかるはずだ。だからこそある分野のエキスパートは、たいてい他の分野のエキスパートを尊重する。専門的なことはわからなくても、優れた物理学者は優れたバイオリニストになるには何が必要かわかるだろうし、優れたバレリーナは優れた画家になるためにはどれだけの犠牲を払わなければならないかがわかるだろう(中略)天才やサバン症候群の分析についてはほかにもたくさん事例があるが、内容はここまで述べてきたこととほぼ変わらない。結論は、彼らをじっくり調べてみると、その並外れた能力が例外なく膨大な練習や訓練の産物であることがわかるというものだ(中略)IQが低いエリートプレーヤーのほうがたくさん練習する(中略)この説明がわれわれにとってきわめて重要なのは、それがチェスプレーヤーのみならず、あらゆる能力の発達に当てはまるからだ(中略)バレエダンサーが基礎的な動きであるターンアウト(足を股関節から開き、両足のかかとをつけたまま爪先は一八〇度横を向く姿勢)を習得するには、幼少期から訓練を始めなければならない。八〜一二歳ぐらいで股関節や膝の関節が固くなってから練習を始めると、完全なターンアウトを習得するのはおそらく不可能だろう。同じことがスポーツ選手の肩についても言える。たとえば野球の投手などは、頭上に手を振り上げてボールを投げるという動きが必要になる。大人になったときに必要な可動域を持ち、投球腕を肩よりはるか後ろに伸ばすワインドアップができるのは、子供時代にトレーニングを始めた者だけだ。子供時代にトレーニングを始めるプロテニスプレーヤーのサーブの動きも同じで、子供時代に始めた者だけがフルスイングでサーブを打てる(中略)とはいえ20代など遅めのスタートを切ったテニスプレーヤーでもこのような適応はある程度可能で、小さい頃に始めるほどではないというだけだ(中略)音楽家のほうが音楽家ではない人と比べて体性感覚領域(触覚など)、上頭頂小葉領域(手からの感覚入力)、前運動皮質(動作の計画、空間での動作誘導)など大脳皮質の各部における灰白質(ニューロンを含む神経組織)が多い(中略)ダイビング選手は一般人と比べて、身体の動きをイメージしたりコントロールしたりするのにかかわる三つの領域において、それが厚くなっている。細かなところは能力によって違うが、全体的なパターンは同じだ。頻繁に訓練することが、その訓練によって負荷のかかる脳の領域の変化に結びついていく(中略)大人のピアニストの脳は一般人と比べて、一部の領域で白質が多くなっている(中略)ピアノを始めた年齢が低いほど、大人になったときの白質は多くなる。このため大人になってからでもピアノを習うことはできるが、子供時代に始めた人のように白質の量が多くなることはない。

関節症のテキストとして私の膝半月板、靭帯損傷の続き。
6月23(火)に受傷し1日2回の酸素カプセル治療開始〜
7月14日(火)暗闇ボクシング45分(体重乗せずのスクワット風な動き、膝を曲げる雰囲気は出せた。バーピーや膝をつく運動はまだできない。ゆるくジャンプなどのリハビリ)。
7月15日(水)低酸素室トレーニング45分(7段階ギアの下から2番目のギアでエアロバイク。腕に加圧ベルトを巻いているので休憩しながら)。関節窩と大腿骨頭のためのリハビリのイメートレもかねて国立競技場のプール水深2・2mで30分(一度に100m泳がないと浅瀬に戻れません)。膝がカクンと抜けるバッキングが1回。関節症は最高最強の抗がん剤を使って治療します。使う薬剤は基本的には最高最強の抗がん剤のみ。

暗闇フィットネスでもまだまだ動けないので、運動、骨頭の捻じ込みイメージのためにプール。そこで必要なゴーグルを買いに新宿ビクトリアスポーツへ。T字、L字の登山用のしっかりとした杖が3900円。安くて良いようにも思いましたが周囲に登山者と間違われてしまう可能性は大きいです。今回の怪我では杖を手放す直前の一度だけ、地下鉄で席を譲られました。遠くから私を見つけて声をかけてくれたのは顔色よくがっしりとしたハンサムな40歳くらいの男性。すぐ降りるのでと言って私は断りましたが、ハッピーホルモンムンムンの人は気遣いできるな、と感心しました。

杖歩きで左右脚の長さが不均衡になり関節窩に大腿骨頭を捩じ込むリハビリが必要なので解説。

前提としてフォームがしっかりとした本格的なクロールが泳げないといけません。クロールのイメージはワニが獲物に噛みついて横に回転するイメージです。この回転、クロールですと半回転から4分の1回転程度を地面に足をついた状態、歩いている際に頭上に手は上げないものの、上げているイメージで半回転から4分の1回転して捩じ込む。これを左右の足で繰り返す。クロールのイメージはフォレスト・ガンプの足の矯正器具(ペンギン歩き)の腕バージョンをつけているイメージで肘を固定。肩の脱臼の補強も同じ。

