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メンバーインタビュー「ずっと目指してきた自然保全への道を、現場で切り開く」新規事業開発:杉浦由佳

こんにちは。ケニア・マサイマラで「生物多様性保全と人間活動の両立」を目指して活動しているWildlife Venturesです!

本記事はWildlife Venturesで働くメンバー紹介の第3弾として、新規事業開発担当の杉浦が、
・どのような経緯で、Wildlife Venturesの事業にマサイマラの現場から加わることになったのか
・Wildlife Venturesの事業のどこに価値を感じているか
・どのような思いで事業に向き合っているのか
などをご紹介します。

人間と野生動物が隣り合わせで暮らすこの場所で、複雑な現実と答えがすぐに出ない問いに正面から向き合いながら、事業開発に励む様子が少しでも伝われば嬉しいです!

Wildlife Venturesでは、ケニア・マサイマラで一緒に働くインターン生を募集中です。詳細は下記記事をご覧ください!


これまでのキャリアパス

私は子供の頃から動物が好きでした。そして中学生の頃には、将来は野生動物を保全する仕事に就きたい、と思うようになっていました。

マサイマラで撮影したゾウの親子

野生動物の保全に役に立ちそうな学問分野を学ぼうと、大学受験時には理系を選択し、生態学という学問を専攻しようと決めました。大学に入ってからも生態学を学ぶことのできる学部・学科、そして研究室を一貫して選び、自然がどのようなシステムで成り立っているのかを学びました。大学院では多くの国立公園を保有し、大型哺乳類も多くいるアメリカの大学にも交換留学をしました。そこでは、野生動物の保全のあり方やその研究の最先端に触れ、保全の手法についての視野を広げました。

このようにずっと自然保護に関わることを目指してきたため、大学を卒業後すぐにその世界に直接関わりたいという想いもありました。しかし同時に、当時ビジネスが環境課題に対して持ちうる力の大きさを国際会議などで目の当たりにする機会もあり、ビジネスのことをもう少し知りたいと考えました。そして結果的に、サステナビリティに関わるプロジェクトに関わることのできるコンサルティング会社に就職しました。

コンサルティング会社では、様々な産業のクライアントと働き、多くのことを学びました。しかし、自然保護に関わりたいという想いはずっと消えず、社会人1年目の終わりに初めて、Wildlife Ventures共同代表の米田(当時は会社設立前)と、ケニア・マサイマラの地域を訪れました。その際、マサイマラの自然や生き物の美しさに感動したのは当然のこと、現場で誇りを持って保全に携わるマサイのレンジャーや保護区の職員の姿に強く心を打たれました。

初めてのケニア渡航にて。それから4年がたった今、このとき一緒だった米田やマサイマラの自然保護区のメンバーと一緒に仕事をしている。

その後しばらくして、コンサルティング会社を離れ、インド及びオランダの自然保護を行う国際機関で働きました。そこでは国をまたぐ自然保全のプログラム策定に携わり、グローバルな視点で保護に携わりました。環境保全に関し、NGO視点の他、ビジネス・金融機関・政府機関など多様なステークホルダーと協働することで異なる視点から学びを深め、保全業界への視野が大きく広がりました。仕事はとても充実していたのですが、それでもずっと心にあったのは、現場で保全に向かい合っている人々と、地に足を付けて本当に意味のあることをしたい、という想いでした。

マサイマラで撮影したキリンの写真

Wildlife Venturesを選んだ経緯

海外の国際機関で自然保護に携わる中で、特に注目して仕事をしていたのがNature-based solutionsという手法でした。これは、自然の力を活かし、持続可能な、人間と自然双方に便益がある社会課題解決手法のことです(詳細な定義はIUCNによるものを参照)。

Nature-based solutionsの土台となる考え方(IUCNより)

気候変動が深刻化する中、人間社会にとって自然と共生する道を探ることは欠かせません。そこで、単なる自然の保全ではなく、経済的合理性や多方面への便益を保証する形で開発されるnature-based solutionsを広げていくことは不可欠です。現在、国際機関をはじめとする様々な機関や企業が、現在nature-based solutionsの開発や実装を始めています。

しかし、自然と対峙するものである以上、nature-based solutionsを作っていくには忍耐が必要です。nature-based solutionsを広げていく上でのボトルネックの一つは、このアイデアに賛同する人や団体が少ないことよりも、実際に地に足をつけ、プロジェクトを回すリーダーや団体の存在です。自然と向き合う活動はタイムスパンが長くなりがちであるにも関わらず、経済的には大きな便益を即時的に得ることが難しいことから、持続可能なモデルになるまで粘り強く実践を続けられるリーダーが圧倒的に不足しています。Willdife Venturesはまさにそういった組織の一つであり、国際機関でnature-based solutionsへの資金を探す側として過去に働いた身として、現場で一緒に手を動かし、その開発を推し進める役割を果たしたいと強く思いました。

現場での担当業務

現場では主にコミュニティと連携した事業開発、そしてツアー事業全体のソーシャルインパクトの高度化、そして環境・社会的負荷の削減を進めています。現在あるツアー事業は、マサイマラの素晴らしい自然自体はもちろん、そのコミュニティや文化と深く紐づいているからこそ、多くの方々に学びの機会を提供できています。だからこそ、それをより良い形にし続けることは、私たちにとって避けて通れない使命だと考えています。

私は実は、Wildlife Venturesでの業務に携わる傍ら、半分ほどの時間はマサイマラ現地のコミュニティメンバーと直接チームを組み、マサイの伝統知見を守り、若い世代や広く世の中に伝えていくことでマサイの考え方に基づいた方法で自然の保全を進めていこうとするプロジェクトに身を投じています。

マサイの伝統儀式に参加した際の写真

こうしたコミュニティプロジェクトに関わることで見える課題や、地域のポテンシャルはたくさんあります。そして、世界中から観光客を集めるマサイマラという地域で活動する上で、ツーリズムを切り口としてそうした課題の解決に役立てられることがあります。

「生物多様性保全と人間活動が両立する世界」を目指すWilldife Venturesにとって、野生動物の保全を独立させて考えるのではなく、人間の暮らしとどう両立させていくかを模索していくことこそが、向き合うべき問いです。特に、マサイの人々は長く地域の自然と調和する形で生きてきた人々であり、そのおかげで今の美しいマサイマラの自然があります。だからこそ、彼らの生活を守ることは、自然を守ることに直接的に繋がるのです。

Wildlife Venturesはソーシャルビジネスとして、持続可能な形でお金を回しながら、日本とマサイマラと繋げる役割を担っています。そんな会社だからこそ、コミュニティと深く連携することで生み出せる価値が数多くあると思います。

コミュニティ活動と並行しながら会社の事業に携わらせてもらえるメンバーの懐の広さには、いつも感謝しかありません。だからこそ、この会社と一緒にできることの可能性を最大限に探りたいと思っています。

日々の仕事を通じて感じる困難とやりがい

Wildlife Venturesの事業は、小さな施策を一つ一つ試し、試行錯誤を重ねた上で積み上がっているものです。既存の大きなネットワークや、確立されたシステム・技術を持った組織とは異なり、一つの意思決定で目に見えるインパクトが即座に出るわけではありません。取り組んだことが求める結果をもたらすのか、確実にわからない中で手を動かす必要があります。そして天気を含む自然環境により予期しない形で計画が上手くいかなかったり、国籍だけでなく習慣や物事の捉え方が異なるメンバーと仕事をする中で、コミュニケーションの齟齬が発生したりすることもあります。

共同代表の米田と

それでも、自分たちの事業は意義のあることをやっていると思えることが一番のやりがいです。私たちの挑戦は、結果が出るまでに時間がかかり、結果が出てもそのままコピー・ペーストで一度に世界全体に広げられるものではありません。けれど、理想に向かい、一歩一歩正しい方向を向いていることを確かめながら進めていけることは、本当にありがたいことだと思います。そして、そのような環境を作り、辛抱強くチームを支え、また引っ張ってくれている共同代表の米田・赤石にはいつも感謝と尊敬の念を抱いています。そして私たちを受け入れ、一緒に活動してくれているマサイのメンバーやその周りのコミュニティ、また様々な方法で事業を応援してくれる方々にも、感謝でいっぱいです。

ケニアで共に事業開発に当たる仲間

これから目指したいこと

コミュニティと一緒に新しい価値を作り出していくことに挑戦していきたいです。今は新しいプロダクト開発にも取り組んでいます。私たちの事業の魅力は、単に「日本人がマサイマラで頑張る」ことではなく、「マサイの人々と日本人が協力することで、マサイマラと日本の双方にユニークな価値を届けられる」ことだと思います。道が見えやすいわけではありませんが、希望を絶やさず、一緒に歩いてくれる仲間と一緒に可能性を開拓していきたいです。そしてそれをどんな形でも応援いただける方が増えれば、何よりです。

レンジャー(野生動物保護管)との会話

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弊社のツアーに参加いただくこと、今後発展させていく予定のハチミツ商品やその他の商品をお試しいただけること、またインターンシップやそれ以外の形で事業に直接関わっていたけることは、大きな力になります。何かしらの形でご一緒できる機会があれば幸いです。

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