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精神保健福祉士の私が相談や支援の中で大切にしていること




はじめに


日々のお仕事や生活、お疲れ様です。

私は、精神保健福祉士・公認心理師という資格を持ち、相談をお受けする仕事をしています。

「対人援助職」と言われるこの仕事は、
文字通り「人」が相手となります。

支援者として、資格を持つ人としての基礎知識は共通のものがありますが、
「支援観」は人によってさまざまです。

私自身が相談を受けるとき、支援を行うとき、
大切にしていることがあります。

40記事目の今回は、「私の支援についての価値観」を書いてみたいと思います。



① 私は「答えを持っている人ではない」


もしかしたら、「専門家は答えを知っている」と考えている人も多くいるかもしれません。
ですが、私は「答えを知っている人」ではありません。

人生には、100%正解の模範解答はありません。
何を答えにするか、決めることができるのは本人だけです。

こんなやり方もある。こんな考え方もある。こんな制度もある。
それらを紹介したり、お伝えするのは私の仕事です。

ですが、勧めるというよりも
考えていくための材料になるように、
知らずにいることの不利益が生じないように、
そんな思いで伝えています。

正解への道を示す仕事ではなく、
その人が思い描く道へ歩むことを、ほんの少し支える仕事だと思っています。



② 大切にしているのは一緒に整理すること


答えを示すわけではないとここまで書いてきました。
では、私は何を大切にしているのか。

それは、気持ちや状況、選択肢を一緒に整理することです。

やる気はあるのに動けない。実は、挑戦したいけど怖い気持ちもある。
こんな生活がしたいけど、今すぐはハードルが高いと周りに言われる。
何から手をつけていいのか、何を目標にしたらいいかわからない。

生きていると色々な場面でそんなふうに思うことがありますよね。

人間ですから、複雑な気持ちを抱えることも、主観だけでは状況が見えにくくなったり、どんな選択肢があるのか思い浮かばなかったりすることもあります。

整理をする中で、気づかずにいた思いや、蓋をしていた気持ちに気がつくこともあります。
状況を整理していくことで、何が今課題となっているのか、誰の力を借りるとよさそうか、まず何を目標にするとよさそうか、見えることもあります。
どんな選択肢があるのか、ひとりよりもふたりの方が、あるいはご家族や関係者を含めたチームの方が多く挙げることができることもあります。

何かを教えるわけではなく、ご本人が気がつくこと。
そして、納得して選択していけること。ご自分の理想に向けて歩んでいけること。
そのための整理を一緒にすることが、私の大切にしていることです。



③ 「こうした方がいい」を急がない


支援者も人間です。「こうした方がいいんじゃないかな」と思うこともあります。
また、相談者の方も「こうしたい」と思ったらすぐに動きたくなることもあります。

ですが、急いで結論を出すことが必ずしも良いわけではない。
それが理想を叶えるための最短とは限らない。

それを自分自身が頭に置くことと、ご本人とスピード感やその理由も共有することが大切だと考えています。

まずはしっかりとお話をきいて、向き合うこと。
ご本人の思いを大切にすること。
提案や助言を急がないこと。

それらを大切にしています。



④ その人の力を信じる


相談者の力を信じること。

「本人主体」「エンパワメント」といった言葉もあり、対人援助職が基本とする考え方です。
私自身、支援の価値観としてとても大切に思っています。

対人援助職をしていると、同僚の声や思いを聞く機会もたくさんあります。
「こうやって支えたい」
「力になりたい」
という支援者自身の思いを耳にすることも多いです。
支援者それぞれに支援観や関わり方の方向性があるのです。

私は「どうしていくといいかな」と一緒に考えることを大切にしています。
支援者が代わりに何かをしたり直接解決するのではなく、ご本人が行動したり、解決していく力を発揮できるよう支えたい。

決めるのも、頑張るのも、これから道を歩んでいくのも本人です。
ご本人の理想や、決断する力、人を頼る力。
それらを信じることが土台にあります。
どんな状況や環境だとご本人の力が発揮しやすいのか、何があるとご本人の理想に近づけるのか。
私が何かを「してあげる」のではなく、一緒に考えていきたいという思いが強いです。



⑤私の思う支援のイメージ


今回は、私の支援のイメージを車の運転に例えてみます。
運転手は相談者の方です。
目的地は、目標とする姿や将来像など目指すところになります。

まず、現在地と目的地が同じだとしても、どんなルートで辿り着きたいのか。
高速道路を使いたい人も、景色を眺めながら向かいたい人もいるでしょう。寄り道をしてカフェに寄ったり、じっくり選んだお土産を持って行きたい人もいるかもしれません。
なるべく慣れた道に近い方がいいことも、過去の経験と似た道は避けたいこともありますよね。
話しながら整理をすすめて、運転手が道を選んでいくことを支えられるといいなと思っています。

そして、どんなアイテムがあると快適なのか、休憩のタイミングや過ごし方、それも人それぞれです。
飲み物が必須な人も、飴を舐めていたい人も、酔い止めが欲しい人もいる。カーナビがあればいい人も、地図で事前にルートの予習をしたい人もいる。
運転に集中したい人も、音楽をかけたい人も、車内で同乗者とおしゃべりをしていたい人もいるでしょう。道中の過ごし方のイメージもさまざまです。

運転手にとって安心だったり、快適だったり、優先したいことは何か。そのためにはどんな準備をしたらいいか。どんなアイテムがあるといいか。
そこを考えたり、一緒に準備をして、出発を見送ることもあるでしょう。助手席に乗り隣でサポートをすることもあります。それが支援者なのだと思います。

助手席に乗っていると、「予定してるルートには道の駅があるよ、景色のいい公園もあるみたい」「もうすぐサービスエリアがあるよ」など、情報を伝えることができます。
その人にとって有用な情報となるかはわからなくても、選択ができるように伝えます。そして、そこに立ち寄るか、利用するか、それは運転手に選んでもらいたいのです。
助手席の私は行ったほうが良さそうだと思っても、運転手は不要と感じることももちろんあるでしょう。
そのときに私は「必ず寄ってください、あなたのためなんですよ」とは言いたくないし、言いません。
「早く到着したいかもしれないけど、自然の中で外の空気を吸うと少しリフレッシュになるかもしれません。今の季節はこんな景色が見えるそうですよ」「次休憩がとれそうな場所はずいぶん先みたいだけど、どうですか?」と、立ち寄るメリットや助手席の人としての考えを伝えて、ご本人の気持ちを聞きたいのです。

あくまでも、運転をするのはご本人です。

そして、支援者はいつまでも助手席にはいません。
家族やパートナー、友達とは別の立場です。ずっと一緒にいるわけではないのです。

新たな目的地へ向かうとき、自分のことを知っていると必要なものがわかる。準備が整えやすくなる。合ったルートを選びやすくなる。休憩の方法やタイミングが掴めてくる。
そんな積み重ねを一緒にしていき、
「次からは自分の力だけでもやっていけそうだ」
「自分は必要なときに必要なぶん、誰かに同じ車に乗ってもらうことができる」
そんな自信を持ってもらえたらいいなと願いながら、必要な時間だけ助手席に座っています。



まとめ


支援とは、その人を変えることを目的としているわけではありません。
変わりたい人を支えたり、変わりたくない人の理由やどうしたらそのまま過ごせるのかを考えたりしていきます。

一緒に整理をして、その人の力を信じて寄り添うこと。
私はそれを大切に考えています。

答えを決めるのはご本人。
私は、その答えを見つけていく時間を一緒に整理しながら支えていきたいと思っています。


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私の思いを綴った記事です。


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