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ヨコオ・エヴァ考察「さらば、すべてのエヴァンゲリオン」のその先へ。

先日、『エヴァ』30周年を記念するフェス「EVANGELION:30+; 30th ANNIVERSARY OF EVANGELION」最終日である2月23日(月・祝)Final Programにて『エヴァンゲリオン』完全新作シリーズの制作に関する初報が発表されました。

シリーズ構成・脚本:ヨコオタロウ
音楽:岡部啓一
監督:鶴巻和哉、谷田部透湖

シンエヴァの監督に加えてなんと累計1000万本超の『ニーア オートマタ』で知られるヨコオタロウ氏×岡部氏である事にファンの方々も驚きを隠せなかったと思います。

更に『エヴァンゲリオン』完全新作シリーズの制作に関する初報映像が、2月24日(火)現在
カラー公式YouTubeチャンネルにて公開されました。


冒頭の字幕には、不穏で詩的な言葉が並びます。

永遠の夏休み

ここは私たちの楽園 ここは私たちの墓場

聞こえるのは劫罪の歌

その魂が安らかであらんことを

冒頭書き出し

白黒の世界で、水面に空が映し出されている演出も「ニーア」らしさを感じさせます。この情報を元に、どのような物語になるのかを考察していきます。  


第1章:庵野氏の「継承」への願いがついに形に。

庵野監督(以下、庵野氏)は以前から、自分以外の新たな才能がエヴァを継承していく「エヴァのガンダム化、古典化」という構想を明かしていました。  
公式Q&Aでも、作品をアニメ業界の役に立てたいという考えに変わりはないと回答しています。

その実現には、かつての『機動武闘伝Gガンダム』のように、エヴァの概念そのものを根本から覆す作品が必要だとも語っていました。  
今回の新作で、初号機が人間のような「瞳」を持つという大胆な設定変更が行われているのは、既存のルールを破壊し、「宇宙世紀」の呪縛から脱却したガンダムのように、新たな神話を構築しようとする「ヨコオ版Gエヴァ」であることの証明と言えるでしょう。  

第2章:ヨコオタロウ×岡部啓一がもたらす「死と再生」の美学。

『エヴァ』という巨大な神話を継承するにあたり、ヨコオタロウ氏と岡部啓一氏のコンビほど「劇薬」と呼ぶにふさわしい布陣はいません。  
ヨコオ氏は「全ての存在は滅びるようにデザインされている」といった、物語の前提そのものを破壊するテーマを描き続けてきた異才です。
アクションRPGのラストで音ゲーが始まる、26エンド中25が絶望、数十時間分のセーブデータを消すかどうか選択を迫られる。
そうした「お約束を破壊する」発想力に、世界中のゲーマーが魅了されてきました。

その残酷な世界を美しく昇華させるのが、岡部氏による「気持ちを動かす」サウンドです。  
ティザー映像で流れた「劫罪の歌」を彷彿とさせる調べは、かつて『ニーア』シリーズで多くのプレイヤーを魅了した「遺サレタ場所」のような、静謐でいて圧倒的な哀愁を感じさせるものでした。  

この「ニーア」コンビの作家性は、旧劇場版が持っていた人間の暗部や、視聴者を物語に引きずり込むメタ構造とも抜群の相性を誇ります。
「人類滅亡後の世界」や「機械に宿る魂」というテーマは、PVに映し出された荒廃した世界観と完璧にマッチしています。  

第3章:ビジュアルから読み解く水底の遺物と「生きた瞳」

🎹Qでピアノが奏でた「反復」の終焉

PVで目を引く、水没し蔦に覆われたピアノやチェロ。
旧シリーズ、特に『Q』において、ピアノは「反復練習」によるやり直しや、シンジとカヲルを繋ぐ「調和」の象徴でした。また、ゲンドウが愛したように「特定の個人への執着」の象徴でもありました。

新作でこれらが「遺物」となっているのは、かつてのやり直しや絆さえも、今は誰も弾く者のいない「終わった後の残骸」となったことを残酷に示唆しています。  

👁️生命が宿った「初号機の瞳」

一方で、最後に映る初号機の瞳には、強い「生の光」が宿っています。それは兵器のセンサーではない。光を反射するガラス玉でもない。
デジモンシリーズの如く、強いて挙げるなら「ウォーグレイモン」や「オメガモン」のように、明確な意思を感じさせる「生物の瞳」そのものです。

ウォーグレイモン

そこにあるのは——
確かに“こちらを見返している”視線です。

兵器でありながら、生命。
人造でありながら、魂を宿すもの。

あの瞳が意味するものは一つではない。
それは人の魂かもしれないし、
世界に取り残された守護者の意思かもしれない。
あるいは、沈んだピアノが“終わった反復”を象徴するなら、この瞳は“終わらなかった命”の象徴なのかもしれません。

この物語の根底に流れるテーマを静かに告げているのではないでしょうか。

4.結論:これは単なる「続編」ではない。新たな命を吹き込むための「儀式」である。

PVのキーワード「劫罪(ごうざい)の歌」。
無限の時間を意味する「劫」と「罪」を組み合わせたこの言葉は、ヨコオ氏が描いてきた「終わりのない断罪の中にある美しさ」と強く共鳴します。  

これは、庵野氏が作り上げた「贖罪の物語」を、ヨコオ氏が無限の時の中で再定義する試みではないでしょうか。
既存のエヴァのルールを一度解体し、未知の神話として再構築する。
この新作は、エヴァという物語に新たな命を吹き込むための、いわば「儀式」なのだと感じます。
つまり序盤で語った公式Q &Aの回答であり、
「ヨコオ版Gエヴァ」として私たちファンは再会する事ができます。

最後に

「魂が安らかであらんことを」という言葉と共に幕を開ける、新たなエヴァの物語。
最後に思い出すのは、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で、第3村の「おばさん」が綾波に教えたあの言葉です。

「そうね。また会うための おまじない」

庵野氏が「さらば」と告げて幕を下ろしたエヴァンゲリオン。
しかし、ヨコオタロウ氏と岡部啓一氏という異才の手によって再び幕が開くのなら、あの「さよなら」は、本当に「また会うため」の、残酷で美しいおまじないだったのかもしれません。


もし、最後に残されたセーブデータ(世界)を消すことでしか、彼らの魂を救えないとしたら?

あなたなら、どうしますか?

ーこう投げかけて終わります。


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さようなら 。