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制約がある人は、なぜ組織の力になれるのか──「配慮」ではなく「設計」で考える働き方 

「その条件じゃ、働き続けてもらうのは難しい。」
そう感じたことがある管理職は、少なくないと思います。

育児中で時間の制約がある。
介護があって急に休むことがある。
持病があって、体調が安定しない日がある。
障害があって、できる業務に限りがある。
制約の形はさまざまです。でも、「制約がある人=組織の負担」という見方が変わらない限り、この問いは同じところを行き来し続けます。

本当に問うべきは、「この人が働き続けられるか」ではなく、「この組織の設計で、誰にどんな活躍をしてもらえるか」です。
そして、もう一歩踏み込むと、「どうすればこの人が活躍できるか」という問いになります。

組織に在籍して業務をこなしている状態と、その人の強みが組織の成果につながっている状態は、別のことです。 役割が明確になったとき、制約はあまり制約ではなくなっていきます。


その対応が、組織のメッセージになる

働く制約への対応は、単なる雇用条件の話ではありません。
「この組織は、人をどう見ているのか」というメッセージとして、社員に受け取られることが多いのです。
特に、制約がある人にとってはそうです。

自分の状況に対して、組織がどう向き合うか。
その対応が、帰属意識や組織への信頼に直結します。
そして、これは当事者だけの話ではありません。

周囲にいる社員も、同じように見ています。
「制約がある人への扱い方」は、「自分が制約を抱えたときの扱い方」として、静かに受け取られています。

以前、障害者雇用を始める企業の研修に参加した担当者の方が、こんなことを話してくれました。
「自分の子どもに障害があって、将来就職できるのかずっと不安だった。でも、今日の研修で会社の取り組みを知って、少し希望が持てた気がした。」

組織が障害者雇用に本気で向き合うことが、社員一人ひとりの将来への希望につながっていた。
これが、組織の力です。 足し算ではなく、掛け算になる瞬間です。

制約がある人が力になった現場に、何があったか

静岡県にある株式会社共立アイコム(従業員145名)は、障害者雇用率5.15%を達成している中小企業です。この数字だけを見ると、「何か特別な取り組みをしている会社なのだろう」と思うかもしれません。  
身体・知的・精神、さまざまな障害のある社員が活躍しています。

人事部長の鈴木さんはこう言っています。
「障害者雇用をすごく意識して行っているわけではありません。」
なぜそれが実現できているのか。
答えは、「社員全員が働きやすい環境を整えてきた」ことにありました。

仕事の見える化。動画マニュアル。小さな目標設定。理念共有の仕組み。
これらは障害者雇用のために作ったものではありません。 誰もが働きやすいように積み上げてきたものが、結果として障害のある社員にとっても働きやすい環境になっていた。

詳しくはこちらの記事で書いています。
→ 多様性は足し算ではなく、掛け算になる──組織設計が成果を分ける理由

育児・介護・持病も、同じ構造

障害のある社員に限らず、育児・介護・持病など、働く制約の形はさまざまです。
でも、構造は同じです。

時間の制約がある人が、集中できる業務設計になっているか。
急な対応が必要な人が、周囲に頼れる仕組みがあるか。
体調が変わりやすい人が、無理なく調整できる環境があるか。

「この人の制約をどう配慮するか」ではなく、「誰もが力を発揮できる構造になっているか」という問いが、先にあるかどうかです。
個別対応の問題に見えても、その背景には組織設計の問題が隠れていることが少なくありません。

制約が、組織の力になる条件

制約がある人が組織の力になるかどうかは、その人の能力や努力だけによるのではありません。

役割が明確になっているか。
その人の活かし方と方向性が見えているか。
この2つが揃ったとき、制約はあまり制約ではなくなります。

「時間が短い」「体調が変わりやすい」「できる業務に限りがある」 そう見えていたものが、「この役割ならこの人が一番力を発揮できる」に変わる。
制約を管理するのではなく、役割で活かす。 これが、設計の力です。

問題は、人に制約があることではありません。
その制約を前提に力を発揮できる構造があるかどうかです。

あなたの組織は今、人の制約に対応していますか。
それとも、制約があっても活躍できる構造を設計していますか。

この問いは、障害者雇用だけでなく、育児や介護、持病など、多様な働き方を支える組織づくりにも共通しています。

活躍を生むのは、個人の努力だけではなく、組織の設計です。
もし「なぜ同じ制度でも成果に差が生まれるのか」を構造から考えてみたい方は、判断設計・組織づくりに関する無料資料をご覧ください。

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