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端っこへ行く

この1週間はひどく長く感じた。

フランスから帰国したのがちょうど3週間前で、この間に日本橋三越での「サロンドパルファン」の店頭接客があったり、天皇誕生日で平日が1日短い週があったりしたので、平日5日間連続で通常業務となったのが久しぶりだったからだろう。


金曜の夜はいつもホッとする。それは仕事の連絡が少ない土日が待っていることに加えて、朝寝坊ができるからnoteの執筆で就寝が遅くなっても大丈夫だという安心感があることに起因している。さて、今夜もゆっくり書こう。今ちょうど深夜0時をまわったところだ。


来週は月曜から土曜まで出張が入っている。月曜日は大分、火曜日は別府、水曜日は宮崎で予定がある。木曜日はそこから鹿児島の“右半分”である大隅半島まで下ってそこの旅館に一泊、金曜日にまた宮崎まで戻り、土曜日のフライトで東京に戻る。月曜から水曜までは仕事関連のミーティング、木曜と金曜はインスピレーションソース探しで、金曜日の一泊は単純に金曜夜のフライトよりも土曜のフライトと宮崎での宿泊の合計が安かったからそうした。

大隅半島に行く理由は、単純にそこに行ってみたかったからでしかない。何か目当てのものがあるわけでもないし、そこまで詳しく調べてもいない。行き当たりばったりの旅になる予定だ。もちろん、もしおすすめがあればぜひ教えてほしい。

実はちょっと前に「大隅半島に行きたい」と書いていた。

露天風呂で夜空を見上げながら、私は宇宙に行きたいと思う人々のことを考えていた。嬉野から電車で2時間半ほど、その後車で1時間ほど行った指宿でさえ、こんなにも違っているのに、どうしてわざわざ宇宙服と宇宙船に保護されて何もできない状態になってまで宇宙に行きたいと思うのだろうか。私はそんなところよりも、次は隣の大隅半島の南端あたりに行きたい。きっとそこも薩摩半島とは違っているはずだ。

「虹のはじまり、あるいは虹の終わり」渡辺裕太
https://note.com/yuta_watanabe/n/n007342de9114

それが思いがけずすぐに叶ったわけだ。言霊ということなのだろうか。

今年は半島とか岬とか、そういった日本の“端っこ”の方に足を運びたいと思っているが、それは交通の便が悪いところの方がその地域に独特なものが残っているのかもしれない、という私の単純な発想によるものだ。去年は渥美半島、紀伊半島(紀伊半島の海沿いを電車でぐるりと巡ったのだ)、そして薩摩半島に行ったが、やはりそれぞれに凝縮された特徴があった。それに味をしめた節がある。

いずれにしても、今年はさっそく大隅半島に行くことができてとても嬉しい。今度はどこに行こうかな。高知の足摺岬なんていいかもしれない。下北半島、佐田岬、男鹿半島などなど、行きたいところはたくさんある。

今年中に、全部行けちゃったりして。

そういえば、再来週は札幌でのポップアップがあり、1週間ほど滞在予定だが、1日余分に泊まる予定にしているので、札幌から少し離れたところに行きたいと思っている。苫小牧や小樽が比較的近くてよさそうだが、ちょっと頑張って帯広なんかも面白いかもしれない。

本当は、稚内とか根室とか、それこそ知床半島なんかに行ってみたいんだけどな。


知床半島、かぁ…


全く関係のない話だが、小学校の同級生だった“たっちゃん”の実家はラーメン屋で、店名は「しれとこ」だった。たっちゃんの誕生日をそのラーメン屋でお祝いするのが毎年の恒例行事になっていた。

私の記憶が正しければ、「しれとこ」のラーメンは一般的なしょうゆ味だった。外食する機会がほとんどなかった私の数少ない外食の記憶として刻まれているためか、とても美味しかったような気がする。あとは、親以外の人と外でご飯を食べる貴重な機会であったことも影響しているかもしれない。いずれにしても、いい思い出だ。

そういえばどうして店名が「しれとこ」だったのだろう。たっちゃんのご両親が北海道出身という話は聞いたことがなかった。そもそも、当時はそれが北海道の地名であることも意識していなかったような気がする。私の中で「しれとこ」という響きはあたたかいしょうゆ味ラーメンしか想起させなかったのだ。

残念ながら「しれとこ」はだいぶ前に閉店してしまったようだ。たっちゃんは小学校の頃「ラーメン屋を継ぐ」という主旨の発言を繰り返していたが、それは実現されなかったようだ。そして、私はたっちゃんが今どこで何をしているのか全く知らない。元気にしているといいのだが。


記事を書きながら私は、日本地図上にある歪な形に飛び出た地形を探し、それらがどんな場所であるかを想像した。少なくとも一般的な観光地にあるようなものはないだろうし、文字通り“何もない”ところがほとんどだろう。

それはわかっているのだが、私はそうした“端っこ”に心を惹かれている。今回の大隅半島への旅を思いついたのも、そんなひとつの“端っこ”のせいだ。きっと何も見つからない。私はただ疲労と共に東京に戻るだろう。

何も見つからなかったとしても、私はまた次の“端っこ”に向かうはずだ。期待はせず、ただ無心に、ひとつひとつの端っこを、足で塗りつぶしていくのだ。

なんだか私の人生みたいだ。


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