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エッセイストたちが、櫓から降りてこない・・・XYZ

 ドンドコ、タッタタラリラ、ピーヒャラ♪

 歌声や囃子が鳴り響く会場を覗くと、着付けを済ませたエッセイストたちが櫓の上で踊っていた。
 右へ左へ、手つきも足さばきも妙にこなれている。櫓の下にも浴衣姿の人だかりができ、次々と「どうもー」と入ってくる。

 九月一日から「まきと須川の文藝大賞2026」が始まる。

 ちょっとした前夜祭のつもりだった。屋台を二、三軒並べて、提灯でもぶら下げておけばいい。浴衣なんて着なくてもいいし、踊り方を知らなくても構わない。
 そんなエッセイを書いたことのない人がふらっとやってきて、見よう見まねで一曲踊り、「意外と楽しかったな」と帰ってもらえればそれでよかった。

 今日で七日目。会場を覗くと、投稿数が七十本を超えていた。

 何が怖いって、自分で開いた祭りなのに、踊っている人たちの九割が「はじめまして」である。

 しかも、まだ増えている。どうやら盆踊りというのは、誰が最初に踊り始めたのか分からなくなってからが本番らしい。

 初日は三本、二日目は五本、三日目も五本。三日で目標だった十本をあっさり超え、「ありがたい祭りになったな」と提灯を眺めていた。

 ところが四日目、十二本。五日目、十五本。

 団体客がやって来た。

 僕は「右、左、右、左くらいで大丈夫ですよ」と誘導するくらいのつもりでいたのに、櫓の上では扇子を持った人たちがシュパッとターンを決めている。

 しかも、一曲踊って帰ったと思ったら、別の列に並び直して二周目へ突入する人まで現れた。さらには、誰からもバトンを渡されていないのに、ダダダダダと自分から会場へ入ってくる猛者までいた。

 まぁ、夏祭りなのだから、乱入は許す。

 だけど、コハクシスさんは、もう三曲踊っている。誰よりも祭りを満喫している櫓の住人である。
 そして、散々踊ったあげく、最後には「このまま僕が人を呼び続けると初心者向けという本来の趣旨から外れてしまう気がするので、一旦ここで止めます」と運営目線で語り出した。

 ……お前が言うな!である。罰として、審査員席を用意するか。

 別の場所では、しりとりが「ん」で終わった。本来ならそこで終了である。曲が止まり、みんなパチパチ拍手をして帰るところだ。

 ところが天界記録さんは「せっかく『ん』で終わったので、審査員やってみます」と立候補し、そのまま本部席へ座った。

 しかも新設された賞は「その視点なかったで賞」。天界さんが一番「その視点なかった」エッセイを書いてから審査員席に座っている。


 それでも、眺めていると面白い。タイトルの最後に渡されたのは、たった一文字なのに、踊り方がみんな全然違うのだ。

 子どもとの日常を踊る人がいれば、何十年も前の恋を引っ張り出してくる人もいる。ドーナツ片手に軽快な踊りをする人もいれば、己の癖をさらけ出し、途中から祭り会場を有料ゾーンに変えかける人もいる。

 エッセイというのは、こんなにも自由でいいらしい。僕が初心者に見せたかったのも、そこだった。むしろ、そういう踊り方を見せてもらうたびに、僕のほうが「エッセイってなんだっけ」と考え直す。

 祭りを開いたつもりが、櫓の下でふふふと一番見物しているのは主催者である。

 ただ、一つ気になることがある。

 一週間前、僕はこの祭りを「初心者向けの前夜祭」として始めた。エッセイを書いたことがない人にも、この機会に一本書いてもらいたい。そんな思いで、初心者を対象にした「#初めてのエッセイ」向けの賞まで用意した。

 七日目。

 着付けを済ませたエッセイストたちが櫓を占拠し、二周目、三周目の猛者がズンドコ太鼓の周りで踊っている。

 念のため、「#初めてのエッセイ」が付いた作品を数えてみた。

 四本。

 しかも、そのうちの一本は、コハクシスさん。

  ……あなた、さっきまで櫓の上で踊りまくってましたよね?

 初心者は、まだ三人である。

 了



次の踊り手は君だ💃

 ここまで「初心者向けの祭りなのに、初心者が全然来ない」と散々ぼやいたので、少しは主催者らしい仕事をしておこう。

 さてさて、僕のタイトルは『エッセイストたちが、櫓から降りてこない・・・XYZ

 ということで、次は「Z」から始まるエッセイでお願いします🤭✨どんな踊りでも、この櫓の上では拍手喝采で迎えられることは保証します👏

 

 一人目:まきさん。

 九月一日から始まる「文藝大賞2026」の主催者さん。そして、この「#エッセイしりとり」の特別審査員でもあります🏆
 きっと僕の「初心者にもエッセイを書いてもらいたい」という気持ちを察し、まだ櫓に上がったことのない三人へ、きれいにバトンをつないでくれるでしょう😁💫

 二人目:女将さん

 旦那さんへの愛や、つくし姫への愛を普段から見ていると、材料はすでに山ほどありますよ。女将さんの暖簾をくぐれば、どんな一品になるのか🥘
 せっかくなので「Z」という見たこともない食材を、煮るなり焼くなりして挑戦してみてください😁💫

 三人目:パラ子さん

 夏祭りには屋台も必要だし、夏といえば怪談も必要です👻パラ子さんなら、グルメ&怪談がミックスされた、新たなジャンルのエッセイを書いてくれそう🤭
 頭使うと痩せるらしいので、ぜひお願いします😁💫

 これで、「#初めてのエッセイ」は増えるし、ようやく本来の企画らしくなってきた。

 ……ただし、「Z」からである`∀´)Ψヶヶヶ


 P.S
 主催者命令なので、断る権利はありません😎🙌

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