モニターヘッドホンの“ダークホース”? Austrian Audio「Hi-X20」レビュー/MDR-CD900STの代替候補を検証
以前の記事でも少し触れましたが、私は数年前から日本のスタジオ定番である「MDR-CD900ST」に代わる新たなモニターヘッドホンを探し続けており、数多くのモデルを買っては手放すという試行錯誤を繰り返してきました。
現在は音楽作業用のメインとしてOLLO Audioの「X1」に落ち着きつつありますが、「X1」はコストパフォーマンスが良いとは言えませんし、低域が把握しづらいなど、1台だけではカバーしきれない部分もあります。
様々な機種を試した中で「隠れた実力派では?」と感じたのがAustrian Audio(オーストリアン・オーディオ)の「Hi-X20」です。
今回の「Hi-X20」は上位モデルの設計思想を受け継ぎながらも価格は2万円前後に抑えられた密閉型モニターヘッドホンですが、知名度の問題もあってかそれほど売れている様子が感じられません。
なぜ「Hi-X20」が良いと思ったか、そして「Hi-X20」で気になる点について整理してレビューをしたいと思います。
◆「Hi-X20」が「MDR-CD900ST」の「代わり」になる?
ほぼ同等の価格帯、複数台の導入もしやすい
まずMDR-CD900STの代わりとして導入する上で重要なのが「価格」です。
スタジオでのレコーディングを想定した場合、ボーカリストや演奏者の方に音を返すモニター用として、ヘッドホンを複数台まとめて用意するケースもあると思います。
そのため、1台あたりのコストがCD900STと同等であることは、置き換えを考える上で重要なポイントになります。
ここで2026年5月現在の市場価格をチェックしてみると、MDR-CD900STもHi-X20も2万円前後で、ほぼ同じ価格帯に位置しています。
少し前まではMDR-CD900STは1万6000円前後で購入できたのですが、近年の物価高騰などの影響か、現在は2万円前後まで値上がりしており「定番ながら入手しやすい価格帯」というアドバンテージは相対的に薄れてきていると思われます。
数十年前の基本設計のまま値上がりしてしまったMDR-CD900STを今からあえて買い足すよりも、現代的な設計のHi-X20のほうがコストパフォーマンスや音質面でメリットはあるように思われます。
心臓部である「Hi-Xドライバー」が好印象
一般的なヘッドホンは価格帯によって明確にランク分けされることも多く、上位機種には高性能なパーツを使い低価格なエントリーモデルにはコストを抑えるためにそれなりの廉価版パーツを組み合わせることも多いと思います。
しかしAustrian Audio「Hi-X」シリーズは下位機種にも上位機種と同様の設計思想に基づいたドライバーが採用されているようです。
国内正規ディストリビューターであるMI7の製品ページには以下のように紹介されています。
Hi-Xドライバー
Hi-Xcursion(ハイエクスカーション)は、Hi-Xヘッドフォンの驚異のサウンドのカギとなるテクノロジーです。
Austrian AudioのHi-Xヘッドフォン製品は、全て44mmドライバーとリング磁石システムを搭載。このデザインにより、エアフローを向上させ、クラス最強レベルの磁場を実現しています。リング磁石は、銅覆アルミ製ボイス・コイルと組み合わせることで、ダイアフラムとそれに取り付けられたボイス・コイルの重量を削減し、ダイアフラムの移動や向きの変更のスピードを向上し、よりレスポンシブなインパルス応答特性を提供します。
ベースとなるドライバーの基本設計をシリーズ全体で共通化することで、開発コストや生産コストを抑えているのかも知れません。
この設計思想は海外のレビューサイト(TechRadar)でも「the price tag must be a misprint(この価格設定は誤植に違いない)」と評されたりもしています。
The ‘Hi-X’ bit of the model number means ‘high excursion’, and the Hi-X20 use the same 44mm full-range dynamic driver assembly as all the other ‘Hi-X’ models in the Austrian Audio line-up. This, too, counts as an uncomplicatedly good thing.…
Some listeners might conceivably require greater punch from the (nicely shaped, nicely varied) low frequencies that are on offer here, but everyone else can just revel in sound quality that makes the asking price seem a bit like a misprint.
型番の「Hi-X」は「ハイエクスカーション」を意味し、Hi-X20はオーストリアンオーディオの他の「Hi-X」シリーズモデルと同様に、44mmフルレンジダイナミックドライバーユニットを採用しています。これもまた、単純に良い点と言えるでしょう。・・・一部のリスナーは、このヘッドホンが提供する(美しく形作られ、美しく変化に富んだ)低域に、もう少しパンチを求めるかもしれませんが、それ以外のリスナーは、価格が誤植のように思えるほどの音質にただただ満足できるでしょう。
https://www.techradar.com/audio/headphones/austrian-audio-hi-x20-review?utm_source=chatgpt.com
メーカーの宣伝文句的な要素もあると思われますし、基本設計が共通とはいえ使われている細かい部品や全体のチューニングは異なっていると思われます。
また筐体(ハウジング)の重量や構造も異るため、上位機種と同じ音が出るわけではありませんし、後述のように気になる点もあります。
それでも2万円前後という手頃な価格帯であることや、本体が軽くて長時間の作業でも疲れにくいという実用性を考えると、かなり優秀な部類だと感じます。
音楽制作やDTMの現場では必ずしも「すべての音が綺麗に聴こえるヘッドホン」が良いとも限らないところで、音の問題点を強調して鳴らしてくれるほうが「ミックスの粗を見つけやすい」「特定の周波数帯域の過不足に気づきやすい」というメリットもあります。
トランジェント特性が良い
Austrian Audio「Hi-X」シリーズに通じる強みが「トランジェント特性」の良さです。
「音の立ち上がり(アタック)」や「減衰(リリース)」といった要素が捉えやすい音作りになっています。
その中でも「Hi-X20」は高域の一部を無理に強調してアタック感を派手に演出しているわけではなく中高域が「ヌルっと」滑らかでスムーズに再生される印象を受けます。
録音されたテイクやミックスの仕上がりをチェックする際にノイズや細かいニュアンスを確認する、といった用途でも使えると感じます。
またボーカリストや演奏者がモニター音を聴きながらプレイする際にも、自分の出した音のアタックが把握しやすいため、リズムが取りやすく、気持ちを乗せて歌ったり演奏しやすいと思います。
一方で低域の量感がやや多めにチューニングされているため、低域が少ないヘッドホンに慣れている人からすればHi-X20は少し「もっさり」とした印象を受けるかもしれません。
しかし、じっくり聴き込んでみると低域の量感とトランジェントが両立されていることが分かります。
このトランジェントの良さを確認するリファレンス曲としては、Zedd(ゼッド)の「Lucky」が分かりやすいと思います。
タイトで音と音の間の「空白(無音の隙間)」が効果的にコントロールされている楽曲なので、Hi-X20で聞くと音の「立ち上がり」「止まり方」がよく分かると思います。
ベースラインやキックの質感が把握しやすい
昨今人気のモニターヘッドホン、例えばOLLO Audioの「X1」やYAMAHAの「HPH-MT8」、あるいはAustrian Audioの上位モデルである「Hi-X65」などは、中高域の解像度が高くボーカルの定位や楽器の細かなニュアンスを捉える能力に優れています。
しかし、その反面で低域の量感は控えめな傾向があり「下の帯域が見えづらい」「もう少し低音が欲しい」と感じる人も少なからずいると思います。
私自分も現在は開放型のOLLO Audio「X1」をメインに使い、以前はYAMAHAの「HPH-MT8」を使っていた時期もありましたが、これらのヘッドホン単体だけでベースやキックの質感を細かく把握するのは難易度が高いと感じます。
そのため低域の調整作業をする段階では、スピーカーや低域の量感が多いヘッドホン、あるいはインイヤーモニター(IEM)などを組み合わせてチェックしていました。
ところが「Hi-X20」は低域の量感がしっかりと確保されており、単に「低音が派手に鳴る」というタイプのヘッドホンではなくタイトで引き締まった低音を出してくれるため、ベースの音程感やキックの質感なども把握しやすいと感じます。
低域の「粗」が分かりやすい
「Hi-X20」はAustrian Audioの製品の中ではクセの少ない機材だと思いますが、良くも悪くも低域の「粗」の分かりやすい、という特徴があるように感じます。
処理が上手くいっていない「ダメな低音」はダメなままに鳴らしてしまいますし、逆に綺麗にコントロールされた低域はタイトに気持ちよく鳴らしてくれます。
他方で中高域に関しては「イマイチだな……」と感じるバランスの音源であっても、Hi-X20では綺麗に聴こえてしまうこともあると感じます。
このあたりの鳴り方のクセは楽曲との相性もありますし、どんなヘッドホンにも大なり小なり存在する特性なので、Hi-X20だけの欠点というわけではありませんが、細かな問題点を洗い出すためには、1つの機材に頼るのではなく、複数の異なる環境で音をチェックしていったほうが良いのかも知れません。
最近は音源チェック用としてFOSTEX「PM0.1BD」というフルレンジスピーカーを使うことも多いのですが、低域と超高域がカットされたラジカセのような感覚で気軽にミックスチェックにも使えるので便利だと感じています。
CD900STやMDR-M1STと特性が似ている部分がある?
「MDR-CD900STの代わりとして使えるのか?」ということを考えた時に問題になるのが音のキャラクター(周波数特性)の違いだと思います。
長年慣れ親しんだCD900STから移行する場合、音の傾向が違いすぎると現場での混乱の元になる可能性があります。
SONYはCD900STの後継機種として「MDR-M1ST」というヘッドホンを発売しています。
従来のCD900STが「高域が強調され、低域は控えめ」というボーカルのピッチや子音のアタックが見えやすい鳴り方だったのに対し、現代の低音を重視した楽曲に対応すべく登場したM1STは「低域が前に出てくるバランス」へとシフトしています。
とはいえ、M1STの高域にはCD900STと似たような高域の独特なシャリシャリ感も残っており、聴く人によっては「あっさりしていて、中域の密度感が物足りない」と感じるケースもあると思います。
現代の楽曲を制作する上でMDR-M1STの低域の強さはメリットでもありますが、「歌声の聴き取りやすさ」などを重視するレコーディングの現場などでは、今でも旧型のMDR-CD900STが選ばれることが多いのも現状です。
この点、Austrian Audioの『Hi-X20』は、MDR-CD900STと同様に高域の一部が強調された印象はあるものの耳に付くようなシャリシャリ感はなく、中域の密度感もあって、低域もMDR-M1STと同程度かそれ以上に出ています。
誤解を恐れずに表現すればHi-X20は、両機の「遠い親戚」といった印象があります。
人によって感じ方は異なると思いますので試聴して実際に確認してもらったほうが間違いないと思いますが、「CD900STは高域が強くて低域が弱すぎるが、かといってMDR-M1STは低域が良いものの独特のシャリシャリ感が気になる」と感じる人にとっては「Hi-X20」は使いやすいと思います。
特にレコーディング現場でのモニター用(返し)として考えた場合、歌声の輪郭が見えるという点でボーカリストやギタリストが音程を合わせやすいと思いますし、低域のキレと量感もあるためベーシストからも「リズムが取りづらい、演奏しにくい」といったクレームが出るリスクは小さいように思われます。
「Hi-X15」と比べると自然な特性
Austrian Audioからは「Hi-X20」とは別に「Hi-X15」という、さらに低価格のヘッドホンが販売されています。
「Hi-X15」もトランジェント特性や解像感は優秀で、実売価格は1万円台前半(2026年5月時点)とHi-X20よりも手頃な価格で入手できます。
公式サイトの定価ベースではHi-X15が2万900円、Hi-X20が2万2000円とほぼ同じ価格帯なのですが、何故かHi-X15はセール(?)のような形で長らく安く販売されている状況が続いています。
コストパフォーマンスを考えるとHi-X15も魅力的であり、スタジオで演者用のヘッドホンを大量に用意しなければならないような場面では有力な選択肢になるかも知れません。
音の傾向を比べると高域が尖った印象があるHi-X15に対して、Hi-X20のほうが低域寄りで重心が低い印象です。
人によっては「Hi-X15のほうが華やかで透明感のある音だ」と思います。
一方でHi-X15は、騒音のある店舗内で試聴した際に「良い音」と感じてもらうことを意識しているのではないかと思えるほど、高域の個性や分離感が強めにチューニングされている印象もあります。
Hi-X15はモニター用途というよりも音楽鑑賞(リスニング)を想定して音作りされている印象もあり、レコーディングの際などに大きめの音量で聴くと「高域が少し刺さってキツイ」「自分の用途には合わない」と感じる人もいると思います。
そういったキャラクターの違いも含めると録音や制作などのモニター用途として使うのであれば、Hi-X15よりもHi-X20のほうが無難で万人受けしやすいと思います。
ケーブルの着脱が可能
定番と言われるMDR-CD900STは昔ながらのモニターヘッドホンということもあり、ケーブルが本体から直接出ている「直出し(固定)」タイプになっています。
長期間同じヘッドホンを使い続けていると負荷のかかりやすいケーブルの「付け根」部分が断線して音が出なくなってしまうことがあります。
CD900STはパーツが個別に販売されていて頑張れば自分で直せるのがメリットなのですが、ケーブルの修理に関しては本体を分解してハンダ付けをする必要があるため修理が面倒です。
ケーブルはトラブルが起きやすい部品であるからこそ、工具を使わなくても簡単に交換できたほうが良いと思います。
その点「Hi-X20」は現代のニーズを対応するためにケーブルが着脱できるようになっているので、ケーブルが断線してしまっても交換用ケーブルを入手して挿し直すだけで簡単に修理することができます。
ちなみにHi-X20の本体側にあるケーブル端子、差し込んでから「ひねって」固定する独自機構になっています。
そのため市販されている一般的なケーブルを使って気軽に「バランス接続」にリケーブルすることはできません。
ただ私見としてはバランスケーブルに交換することで確かに音量は上がるものの、音質(周波数特性など)そのものが人間の耳でハッキリと知覚できるレベルで大きく変化するわけではないと思っています。
そのため十分な出力を持っているオーディオインターフェイスやヘッドホンアンプを普段から使っているのであれば、無理にリケーブルをする必要はなく、通常のアンバランス接続(付属ケーブル)のままで使っても特に問題ないと思います。
折りたたんでコンパクトにできる
外部のスタジオやライブ会場などにMDR-CD900STを複数台まとめて持ち運ぼうとする際に悩ましいのが「本体をコンパクトに折りたためない」という点です。
MDR-CD900STは折りたたむことができないため、ヘッドバンドの真ん中の部分にデッドスペースが生まれてしまい、複数台を機材ケースやバッグに入れようとすると体積が嵩んでしまいます。
またケーブルも外せない仕様なので、ケースの中で他の機材とぶつかって、端子の付け根部分を痛めてしまわないかという心配もあります。
その点、Austrian Audioの『Hi-X20』はハウジング部分を内側に折りたためる構造になっており、ケーブルを取り外すこともできるため、バッグに複数台詰め込むことができますし、移動時の衝撃でケーブルの根元に負荷がかかり断線してしまうといったリスクも減らすことができます。
さらにHi-X20には持ち運びに便利な簡易キャリングポーチ(ソフトケース)が標準で付属しているのも地味ながら嬉しいポイントです。
ハイエンドのヘッドホンだと立派なハードケースが付属することもありますが、演者用のモニターヘッドホンを複数台用意して持ち運ぶようなシチュエーションでは、軽くてかさばらないソフトケースのほうが扱いやすかったりします。
ちなみにMDR-CD900STと並んで「定番」としてよく名前が挙がるのが、同じSONYの『MDR-7506』(通称:青帯)です。
こちらは元々海外向けに作られていたモデルでMDR-CD900STとは違って折りたたむことができます。
実売価格も1万円台前半と、CD900STやHi-X20よりも手頃なため、持ち運び用のモニターヘッドホンとしては今でも有力な選択肢の一つです。
私自身、MDR-7506のデザインやサウンドは好きですが、Hi-X20と比べてしまうと設計の古さは否めません。
ケーブルが固定式で外せないというデメリットに加え、「カールコード(電話のコードのように伸縮するタイプ)」が採用されているため、首や肩に重さを感じたり、引っ張られるような煩わしさを感じたりする人もいて、好みが分かれるところです。
そういった取り回しの面も含めて総合的に考えると、使いやすさを追求して作られたHi-X20のほうが扱いやすくて無難だと感じます。
装着感が良い、軽い
長時間の音楽制作やレコーディングにおいて、音質と同じくらい重要なのがヘッドホンの「装着感」です。
SONYの『MDR-CD900ST』は薄いイヤーパッドが耳の上に乗っかる「オンイヤー」的な設計になっているため、使っていると「耳が痛い」「圧迫感で疲れる」と感じる人も多いと思います。
私自身もCD900STの装着感が苦手で、装着してから10分程度で「外したい…」という強い衝動に駆られてしまうことがあります。
YAXIのイヤーパッドなどに交換すると装着感は少し改善しますが、根本的な解決にはならないのが悩ましいところです。
それに対して、Austrian Audioの『Hi-X20』は耳を包み込んむ「オーバーイヤー」タイプになっているため、長時間の装着していても耳が痛くなりにくいです。
とはいえ、Hi-X20のイヤーパッドは「縦長」になっていて人によっては耳の上部がパッドに触れて違和感を覚えるかもしれません。
それでも「付け心地の良さ」はMDR-CD900STよりも快適だと感じる人のほうが多いと思います。
またHi-X20は「軽さ」の面でもメリットがあります。
CD900STは約200gと超軽量級ですが、Hi-X20も約255g(ケーブル除く)とオーバーイヤー型としてはかなり軽量な部類であり、長時間頭に載せていても首や肩が凝りにくいと感じます。
ミドルクラスからハイエンドに位置する本格的なモニターヘッドホンの中には音質や遮音性を追求するあまりパーツが重くなって300gを超えてしまう製品も少なくありませんが、装着感や疲れにくさという点ではそれらの機種と比べてもHi-X20にはメリットがあると思われます。
ヘッドバンドの長さを細かく調整できる
ヘッドホンを選ぶ際に見落としがちなのが「ヘッドバンドの長さを細かく調整できるか」という点です。
ヘッドホンの性能を十分に引き出すには、内部のドライバー(スピーカー部分)の中心を自分の耳の穴(耳道)の知覚に合わせる必要があり、これが少しでもズレてしまうと低音の量感が変わってしまったり、定位感がズレてしまうこともあります。
『Hi-X20』は『MDR-CD900ST』と同様にアームをカチカチとスライドさせて長さを細かく微調整できるようになっています。

「調整できて当たり前じゃないの?」と思われるかも知れませんが、私がメインで使っているOLLO Audioの『X1』は伸び縮みするヘッドバンドが採用されており自分の狙った位置で固定するのが難しかったりします。
また平面駆動型で人気のAUDEZE(オーデジー)の『MM-100』もヘッドバンドの調整が3段階の穴でしか切り替えられない構造になっていて、本格的なヘッドホンであっても自分の耳に合わせた細かな微調整が難しいモデルは意外とあります。
ちなみにCD900STなどのSONY製のヘッドホンはアーム部分に「数字」の目盛り(インジケーター)が付いていますが、Hi-X20のヘッドバンドには、そうした数字の記載がありません。
CD900STは自分のベストな数字を覚えておけばスタジオで他の人が使ってサイズが変わってしまっても「いつものサイズ」へ簡単に戻すことができるですが、Hi-X20はサイズを合わせる際には自分の感覚を頼りに調整する必要があります。
長年SONYのヘッドホンの「目盛り」に慣れ親しんできた人にとっては、一発で「いつものサイズ」に合わせられない他メーカーのヘッドホンは不便だと感じるかもしれません。
◆「Hi-X20」が合わないかも知れない人
ここまで「Hi-X20」の良い点を挙げてきましたが、ヘッドホンの好みは人それぞれですし、同じヘッドホンを聴いても、耳の形や普段聴いている音楽ジャンルによって音の捉え方や感じ方は大きく変わってきます。
人によっては「自分にはHi-X20は合わないかも?」と感じられる可能性もあるため、購入前にあらかじめチェックしておいたほうがよいと思われる注意点も整理しておきます。
低域の量感が不要な人
「Hi-X20」は現代的なモニターヘッドホンらしく低域が出るチューニングになっています。
近年のポップスやダンス系音楽などキックやベースといった低音セクションの音作りが重視される場面においては、低域の量感が多いほうが便利ですし、楽曲全体の雰囲気やノリを掴むのにも適していると思います。
他のヘッドホンでは気づくことができなかった楽曲の「ノリ」「グールブ」的な要素を「Hi-X20」で感じ取ることができることも多く、音楽を聴いていて単純に「楽しい」と感じられます。
他方でCD900STなどの伝統的な定番機に耳が完全に慣れてしまっている人からすると、Hi-X20を聴いた瞬間に「低域が強すぎる」と感じる可能性があります。
またOLLO Audioの「X1」や、Austrian Audioの上位モデルの「Hi-X65」のように、低域の量感をタイトに抑え、中高域から高域にかけてのクリアな見通し(解像度の高さ)を優先したヘッドホンが好みの人にとっても、Hi-X20は「低域の主張が強く、中高域の細かいニュアンスが把握しづらい」と感じてしまうかもしれません。
低域の定位感を重視する人
Austrian Audioの「Hi-X20」で様々な楽曲を聴き比べていると「ベースが綺麗に鳴っている曲」がある一方で「ベースの一部が妙に共鳴したり、ボワ付いたりする曲」があることに気づく瞬間があります。
また本来はセンターにいるはずの低音楽器が左側に寄って聞こえたり、左右に広がって聞こえたりする楽曲もあって、気になることがあります。
その原因はHi-X20のイヤーパッドと、頭の形・髪型との相性による「密閉不足」(シール不足)に加え、Hi-X20の「定位の正確さ」裏目に出てしまっているからではないかと感じています。
音楽を再生しながら両手でHi-X20のイヤーパッドを耳に軽く押し当ててみると、ベースの共鳴やボワ付きが収まり、定位も真ん中に定位します。
Hi-X20は音の定位が優秀であるが故に、イヤーパッドと髪の間に生じるわずかな隙間や、左右の密閉度の微妙な違いによって、低域の聴こえ方にズレが生じやすいのかも知れません。
またHi-X20はイヤーパッドが柔らかく、締め付け感も緩いため、それが装着感の快適さを実現しているものの、それも「隙間による定位のズレ」を生じさせる要因の1つになっているのだと思われます。
イヤーパッドを薄くして締め付けを強くすれば定位は改善すると思いますが、そうなると付け心地は大幅に悪化するため「低域の定位」と「付け心地」の両立は難しいんだろうなと思います。
同じAustrian Audioからはオンイヤータイプの「Hi-X50」というヘッドホンも販売されており、低域の定位感はこちらのほうが良いように感じます。
また低域の質感に定評のあるSONY「MDR-M1ST」もオンイヤータイプであり、イヤーパッドも薄めですが、こちらも低域の定位感に違和感を覚えることはあまりありません。
とはいえ「Hi-X20」「Hi-X50」「MDR-M1ST」の3機種を並べて「どれが一番付け心地が快適で、耳が痛くならないか?」と比較すれば、おそらく多くの人が「Hi-X20」を選ぶと思います。
このように、低域の正確な定位感と、長時間の作業を支える付け心地の良さはトレードオフの関係にあり、どちらを優先するかによってHi-X20の評価や相性は変わってくると思います。
低域の繊細な定位感や位相のズレが気になるのはミックスやマスタリングをメインで行っている行うクリエイターだと思います。
普段の音楽リスニングや、楽器演奏・レコーディング時のモニター用途がメインであればそこまで神経質に捉える必要はないのかも知れません。
また低域の定位を正確に把握したい瞬間にだけイヤーカップを軽く手で押し当てて定位を安定させるという方法は他のヘッドホンでも行われていることなので、運用でカバーできる部分もあり「特に問題ではない」と感じる人もいるとは思います。
大きめの音量で作業やリスニングをしたい人
この点は個人差も大きいと思いますが「Hi-X20」を使って大きめの音量(85dB前後など)で音楽を聴いたり作業をしたりしていると「低域と高域が強い」と感じることがあります。
またトランジェント(音の立ち上がりやキレ)も比較的ハッキリしているので、大きめの音量で長時間作業を続けると少し耳が疲れてくる印象を持つことがあります。
一方でHi-X20を使って音量を絞って作業をしていると「バランスが整っていて聴きやすい」と感じることも多いです。
この現象はヘッドホンの問題というよりも人間の耳の特性と周波数バランスの相互作用によるものだと思われます。
人間の耳は全ての周波数の音を常に同じバランスで感じ取れる訳ではなく、音の大きさ(音圧レベル)によって低音や高音の聴こえ方が変わるという習性を持っています。
これは音響学で「等ラウドネス曲線」としてよく知られており、大まかに以下のような傾向があると言われています。
小音量(40〜60 dB程度): 低域と高域が聴こえにくくなる
中音量(70〜80 dB程度): 全体のバランスが比較的フラットに近づく
大音量(85 dB以上): 低域と高域に対する感度が上がり強く聴こえる
つまり音量を上げれば上げるほど、人間の耳は自然と「ドンシャリ(低音と高音が強調された状態)」で音を捉えてしまう傾向があります。
Hi-X20は現代の音楽制作に合うように低域が十分に出ており、高域の一部も少し持ち上がったような印象があります。
そのため音量を上げた際に「人間の耳の特性」により低域と高域がさらに強調され、脳が「引っ込んでしまった中域を聴き取ろう」としたり「低域によってマスキングされた音をを補正しよう」として疲労感に繋がるのかも知れません。
しかしこの特性はHi-X20のメリットでもあります。
制作作業において長時間にわたって大きな音で音源を聞き続けることは耳への負担が大きく、一時的な聴覚疲労を引き起こすだけでなく、将来的な難聴に繋がるリスクもあります。
そういった意味で小音量でも作業をしやすいHi-X20には、耳に優しいというメリットがあると言えるかも知れません。
使っている機材のヘッドホン出力が弱い場合
「Hi-X20」の仕様表を見るとインピーダンスは「25Ω」と低めに設定されています。
この数値だけを見ると「どんな機材に繋いでも大音量が取れそう」いう印象を受けるのですが、実際に使ってみると「インピーダンスの割には少しボリュームを回す必要があるな」と感じます。
たとえばOLLO Audioの「X1」(インピーダンス32Ω)と同じ機材・同じボリューム位置で聴き比べてみるとX1のほうが音量が大きく感じられます。
とはいえ一般的に「鳴らしにくい」と言われる400Ωクラスのオーディオテクニカ「ATH-R70x」や平面駆動型のヘッドホンなどと比べればHi-X20は圧倒的に鳴らしやすい部類なので、定評のあるオーディオインターフェイスやDACを持っていれば音量不足で困ることは通常はないと思います。
例外的にスマホやタブレットに直挿しして大音量でリスニングしたい場合やヘッドホン出力が控えめな機材を経由してドラマーが大音量でクリックを聞く、といった特殊な場面ではボリュームツマミを上の方まで回し切る形になるかも知れません。
音場が広い、立体感のあるヘッドホンが欲しい人
「Hi-X20」は「密閉型」であるため、音場(音が鳴っている空間の広さや空気感)は狭めです。
AKG「K701」「K702」「K712 PRO」、SONY「MDR-MV1」などの広い空間表現や、オーディオテクニカの「ATH-R70x」のような開放感が好きな人からすると、Hi-X20は「音場が狭い」「音が詰まっている」と感じてしまうかも知れません。
とはいえ「Hi-X20」の「音場が広過ぎない」という特徴は「音を捉えやすい」というメリットでもあり、CD900STと似ている部分もあります。
CD900STのような「スピーカーに耳を押し当ててるのかな?」といような「音の近さ」ではないものの、音を近くに引き寄せて確認するという用途では「Hi-X20」の「音場が広すぎない」「抜けすぎない」という点はメリットにもなり得ると思います。
尖った特徴のあるヘッドホンが欲しい人
「Hi-X20」は以前から販売されていたAustrian Audioの上位機種やエントリーモデルである「Hi-X15」の後発として登場したという経緯もあってか「バランスが良いヘッドホン」という印象を受けます。
逆に言うと、他の機種と比べると「これと言った尖った特徴が少なく、無難にまとまったモニターヘッドホン」という印象があることは否めません。
上位機種の「Hi-X65」のような繊細なトランジェントや抜け感がある訳でもなく、「Hi-X15」のような高域に強いインパクトがある訳でもありません。
また近年のオーディオ界隈で人気の「ハーマンターゲットカーブ(音響科学的に多くの人が心地よい、またはフラットだと感じる基準曲線)」に徹底的に沿って作られた測定値重視のヘッドホンとも異なるキャラクターです。
さらに中高域の特定の帯域(ボーカルのサ行の刺さりや、繊細なノイズの有無など)に関しては、CD900STのようなピーキーな特性のある伝統的なモニターヘッドホンのほうが、ミックスの問題点を見つけ出しやすいうケースもあると思います。
Hi-X20は現代の音楽制作に求められる要素を詰め込んだような印象があり優秀なツールだと思いますが、ヘッドホンに対して明確なアイデンティティを求めている人にとっては「ちょっと普通っぽくて物足りない」と感じるかも知れません。
SONY「MDR-M1ST」を持っている人
「Hi-X20」を購入してから「Hi-X20と似たような傾向のヘッドホンを既に持っていたような気がする」とずっと思っていたのですが・・・SONY「MDR-M1ST」でした。
MDR-CD900STの代わりになるヘッドホンを探してようやくHi-X20にたどり着いたものの、そのサウンドの方向性が本家SONYがMDR-CD900STの次世代スタンダードとして送り出したMDR-M1STと似ているかも?、というのは皮肉なものだなとも感じます。
もちろんHi-X20とMDR-M1STは「違う」点もあります。
高域の質感:
M1STにはソニーらしい「高域のシャリっとしたエッジ感」が残っていますが、Hi-X20はそのシャリつきが少なく「ヌルっとした音」に感じられます。
低域の伸び:
低域の表現力はHi-X20のほうがさらに低い帯域(サブベース層)まで深く伸びている印象を受けます。EDMやヒップホップなどで重要な「低音の沈み込み」をチェックしたい場面ではHi-X20のほうが便利だと感じます。
装着感:
イヤーパッドのクッション性といった付け心地に関してもHi-X20のほうが良いと感じます。M1STのイヤーパッドはすぐにボロボロになります・・・。
価格:
2026年時点ではM1STの実売価格は3万円前後であるのに対し、Hi-X20は2万円前後で販売されています。
上記のような違いはあるものの以下の点では共通している部分もあります。
現代の音楽制作のニーズに合わせた低域の量感
輪郭を際立たせるような高域の一部の強調
音の立ち上がりの速さ(過渡応答の良さ)
密閉型
軽量でケーブル着脱可能
もし自分が目の前にMDR-M1STとHi-X20を提示されて「好きな方を選べ」と言われたら、悩むと思います。
付け心地はHi-X20のほうが良く、CD900STやMDR-M1STの高域のシャリ付き感が苦手な人もいると思いますが、SONYのヘッドホンの特性のおかげで高域やノイズを把握しやすいというメリットもあるので、どっちが良いかは好みや用途によって分かれそうです。
悩むくらいであれば「価格が安いHi-X20のほうがコスパが良い」と言いたいところなのですが、MDR-M1STは日本メーカーの製品として「ふるさと納税」で入手できるという利点もあって、悩ましいです。
上記のような事情を踏まえると、既にM1STを持っている人が「買い足し」としてHi-X20を購入するメリットは大きくないような気もします。
ただ、これから「M1STを買おうかな」と迷っている段階の人であれば「Hi-X20」も合わせて比較試聴してみる価値はあると思います。
◆「Hi-X20」がおすすめな人
最後に「Hi-X20をおすすめしやすい人」についても整理してみたいと思います。
2万円前後の予算で現代的なヘッドホンを探している人
ここに関しては様々な意見があると思いますが2026年という現代において2万円前後の予算を出して伝統的で古い設計のSONY 『MDR-CD900ST』購入するくらいであれば、現代の音楽シーンに合わせてチューニングされた『Hi-X20』を選ぶほうがメリットは多いように思われます。
もちろんMDR-CD900STにも「日本のスタジオの共通言語(標準機)として使える安心感」「ブランド力と信頼の実績」「補修パーツの手に入りやすさ」といった数多くの利点もあります。
しかし自宅などで1人~数人程度の少人数で音楽制作をする場面では、Hi-X20のような設計の新しいヘッドホンはやはり便利です。
特に現代の楽曲制作で重要視されるローエンドの帯域の把握、音の立ち上がり(トランジェント)、音の消え際・余韻の変化(エンベロープ)などが把握といった点では、Hi-X20のほうが扱いやすいと思います。
1台のヘッドホンで全てを済ませたい人
予算や保管スペースの都合、あるいは「作業ごとにいちいちヘッドホンを使い分けるのが面倒……」という理由から、レコーディング、音楽制作、そして日常的なリスニングまで、様々な用途を1台でこなせる守備範囲の広いヘッドホンを探している方にも『Hi-X20』は有力な選択肢になると思います。
「Hi-X20」は密閉型で比較的音漏れが少ないためボーカルやアコースティック楽器の録音で使うことも可能だと思います。
また現代の楽曲制作に対応できるだけの低域の量感もあり、レスポンスも良好で、トランジェントも捉えやすいので、ヘッドホンの個性への強いこだわりがなければミックスやマスタリング作業でも十分に使えると思います。
また大音量で音楽を聴くのが好きなタイプでなければ、リスニング用のヘッドホンとして使っても聴き疲れはしにくいと思います。
小音量で耳を大事にしながら作業をしたい人
ヘッドホンによっては「もっと音量を上げたい」という衝動に駆られる機種も少なくありませんし、モニタースピーカーや一部のヘッドホンは、ある程度の大音量を出さないと本来のポテンシャルを発揮してくれないものも多かったりします。
それに対し、Hi-X20は良い意味で「自宅のプライベートスタジオ環境」に最適化されているような印象もあり、宅録派の人にとっては扱いやすいと感じます。
Hi-X20は音の立ち上がりが分かりやすく、ややドンシャリ寄りのサウンドなので、「小さめの音量」に絞って作業をしても全体のバランスを把握しやすい傾向があります。
また「Hi-X20」はノイズキャンセリング機能はないものの密閉型でイヤーパッドが耳をすっぽりと覆う構造なので一定程度の遮音性もあり、エアコンやPCのファンノイズがある環境で小音量で使っても外部ノイズが気になりにくいです。
小音量で耳を大事にしながら作業をしたいタイプの人にとっては相性が良いかも知れません。
◆写真など
参考までに、購入時に撮影した写真をいくつかあげておきます。
以前に購入してきたAustrian Audioの化粧箱はマジックテープで留めるタイプ(マジックテープは切り取ってケーブルの結束に再利用できる)でした。
しかし「Hi-X20」に関しては箱のフラップを折り込んで留めるタイプになっていました。
マジックテープ式は開閉のたびに手間がかかるため、箱を保管して中に説明書や付属のポーチなどをしまっておきたい人にとっては便利だと思うかも知れません。

少し気になった点として化粧箱の封印シールが一度剥がされ、その上からもう一度別のシールが貼られたような形跡があり出荷前に何らかの理由で(ジェネレックジャパンの紙を入れるため?)一度開封されているようでした。
また写真だと分かりにくいのですが箱が「ちゃんと閉まっていない」状態でフタが少し浮いていました。
海外からの輸入品ではたまに見かける光景ですが、人によっては気になる部分かも知れません。

パッケージの中身は、ヘッドホン本体のほかに、着脱式ケーブル、取扱説明書、そして持ち運びや保管に便利な収納用ポーチが付属しています。
付属のケーブルは、いわゆる「8字巻き」ではなく「折り返して束ねてある」タイプなので開封して真っ直ぐ伸ばしたときに折り目のクセが残ってしまい、最初のうちは取り回しが少し悪いと感じる人もいるかもしれません。



Austrian Audioのヘッドホンはイヤーパッドの内側に「L」と「R」の文字が大きく印字されています。
薄暗いスタジオなどでも左右を一瞬で識別できるため凄く便利です。

Hi-X20の標準ケーブルは3.5mmミニプラグ仕様ですが、ネジ込み式の6.3mm標準変換アダプタが付属しています。
オーディオインターフェイスやヘッドホンアンプだけでなく、スマホやポータブルプレイヤーにも接続できる仕様です。
他方でSONYの「MDR-CD900ST」は業務用機器らしく端子が最初から6.3mm標準プラグのみで、ミニプラグへの変換アダプタは付属しないという硬派な仕様になっています。
正直、ケーブルやプラグは少し安っぽい印象を受けました。

◆まとめ
正直なところ『Hi-X20』は初めて試聴した段階では「あまり尖った特徴が感じられない地味なヘッドホンだな」と感じていました。
良い意味でも悪い意味でも「新しいことに挑戦しようとするAustrian Audioの製品らしくない」という印象を持ったのも事実です。
しかし「ものは試し」と購入して自宅で繰り返しじっくりと聴いてみると印象が変わってきて「色々なことを考えて実直に設計されたヘッドホン」と感じるようになり、多くの良い点が見えてきました。
複数のヘッドホンを使い分けている人や、Hi-X20よりも個性の強いヘッドホンを持っている人にとっては「これがベスト」とは思わない人いるかも知れません。
しかし「1台で色々な場面に使える守備範囲の広いヘッドホン」「レコーディングなどで他人に使ってもらった際に文句が出にくい機材」と考えた場合には有力な選択肢だと思いますし『MDR-CD900ST』の代替となりうる潜在的な戦闘力は高いと感じます。
個人的に同価格帯のヘッドホンをいくつか聴き比べてみた中でも、「Hi-X20」はかなり好印象で現時点では気に入っています。
とはいえ、ネットやSNSを見渡してもあまり話題になっておらず、レビューを見かける機会も少ないため「自分の耳の感覚が他の人とズレているのかな?」と少し不安になってしまうこともあります。
個人的には良いヘッドホンとは感じているものの、少し売れにくい製品なのかも知れません。
製品自体は素晴らしいと感じているものの、知名度が高くないということもあり、手放しでおすすめして良いものかどうか少し戸惑う気持ちがあるのも正直なところです。
実際にHi-X20を愛用されている方や、楽器店などで試聴されたことがある方がいらっしゃいましたら、意見を聞かせていただきたいです。
「ここが気に入っている」というご意見や逆に「自分はここが合わなかった」といった率直なご感想をコメント欄に寄せていただけると励みになります。
個人的にAustrian Audioは物作りへの職人魂が感じられて好きなメーカーなので、今後も気になる製品があれば応援の意味も込めて購入していきたいなと考えています。
