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【ひとり旅日記 Day.2】上野でゴッホと空海に浸る

東京2日目。

この日は、事前予約しておいた上野の森美術館の大ゴッホ展をメインに、上野を巡ります。



不忍池の蓮の花

大ゴッホ展は朝イチ9:30の回を予約済み。
その前に、上野公園の不忍池に蓮の花の写真を撮りに行くことにしました。


ホテルから不忍池までは、Googleマップによると徒歩15分程度。
8時頃にホテルを出ますが、すでに強烈な暑さ…!街なかにあった温度計を見ると、なんと34度でした。
出勤するサラリーマンの波を「ほんとに暑い中お疲れ様です」と思いながら通り抜けます。


そして、Googleマップを見ながら歩いていても、やっぱり迷ってしまう絶望的方向音痴のわたし…
30分近くかかってどうにか不忍池に到着しました。


ビル街をバックに、鬱蒼という言葉がふさわしい荷葉の隙間からポツンと覗く薄ピンクの可憐な蓮の花。
花は全体的に少ないものの、生命力旺盛な荷葉も好きなので、これはこれでよし。

ほんのり灯りをともした雪洞みたい


蕾と花、どちらも好き


風鈴の回廊
たまらない暑さだけど音だけは涼しげ


しましま







汗だくになって撮影しているうちに9時近くになり、切り上げて上野の森美術館へと向かいます。

…が、ここでもまた迷う。

20分近く歩き回り、ようやくたどり着きました。(この旅、こんなんばっかです)


上野の森美術館で念願の《夜のカフェテラス》

まずい、めっちゃ並んでる!
…と思ったら、これは当日券の行列だったようです。完全予約制なのかと思っていましたが、当日券も発売されていたんですね。

8月12日までなので、今はもっと混んでいそう…


オンラインチケットを提示して9:30の回の最後尾に並ぶと、5分ほどで中に入れました。


歩き回って汗だくだったため、荷物をコインロッカーに預ける前に水をがぶ飲みして塩タブレットで塩分を補給。万全の状態で乗り込んだ館内は…寒い…!

いつもそうなのかはわかりませんが、冷房の設定はかなり低めでした。

この時期の服装って本当に難しい!
冷房は半袖+アームカバーで乗り切るつもりでしたが、汗で濡れたアームカバーが冷やされてものすごく体が冷たくなりました。カーディガンにすればよかった…


今展は順路自由(逆行OK)だったので、まずは全てすっ飛ばして《夜のカフェテラス》へ直行。すでに30人以上が並んでいました。

本物だ〜


明るさを落とされた空間で、目に飛び込んでくる鮮やかな色彩にハッとします。

ジグザグに列を折り返しながら、ちょっとずつ近づいていくワクワク感。


最前列の真正面にいられるのはほんの数秒程度なので、写真も撮りたいけど、じっくり観たくもある。悩ましいですね。とりあえず1回目は写真を撮ることに注力しようと決めます。

2列目から


やっと真正面!スマホを構えますが…

まっすぐ撮れなかった…


青の美しさ。
カフェの明るさとのコントラスト。
夜ってこんなに表情が豊かなんだ、と感じます。
でもやっぱり一番の感想は「うわぁ、本物だ!」かな(笑)
そのくらい、一瞬の邂逅でした。


ルートを逆行し、最初に戻って鑑賞。
人数制限のおかげで《夜のカフェテラス》以外はほとんど混雑も無く、スムーズに観ることができました。


初期のゴッホに強い影響を与えたとされるハーグ派やバルビゾン派の絵画。パリ時代に交流のあった同時代の画家たちの作品などともに、年代ごとにゴッホの作品が展示されていました。


印象に残ったのは、
・織工、種まく人、掘る人を描いたシリーズ
・《夕暮れのポプラ並木》
・《じゃがいもを食べる人々》のリトグラフ
・《草地》 など

順番に観て回り、再び《夜のカフェテラス》へ。

ライティングの演出で
そこだけ光り輝いて見える


今度は50人以上の行列でした。
その中には何らかの体験学習の一環で訪れていると思しき、小学校低学年くらいの子どもたちの姿も。15人くらいいて引率の先生も大変そう…
子どもたち、流れ作業のように《夜のカフェテラス》を観て、どんなことを感じたのかな?

「忘れな草の青色の輝き」
素敵な表現
あと、この部屋の壁紙の色も好き


今度はカメラで撮影
やっぱり歪む…


カフェの煌々とした灯り。
星が輝く夜空の青、蒼、碧…どれがふさわしいんだろう?
通りの奥、紺色に沈む建物。暗闇だけれど、人の営みが感じられる夜の路地。
ゴッホには世界がこう見えていたのかな。


展覧会全体としては、ややボリューム少なめな印象も受けましたが、念願の《夜のカフェテラス》をこの目で見られたので満足です!


そして《草地》という作品にとても心惹かれ、ポストカードとロルバーンを購入。

画面全体にびっしりと草花が描かれていますが、個々の草花はほとんど見分けがつきません。かろうじてタンポポの綿毛らしきものがわかるくらい。

でも、生命力を感じる。
さりげなくそこにある生命。

大ゴッホ展で買ったもの
トートバッグ、ロルバーン、
ポストカード4枚


ミュージアムショップでのお話は、こちらの記事に。


空海と密教美術にどっぷり浸る【東京国立博物館】

ミュージアムショップを出たのが11時前。
案外早い時間だったので、休憩を挟まずそのまま東京国立博物館に向かうことにしました。


今回の旅では“行ったことのない美術館“を巡ることをメインに計画。
東博には過去に2度ほど行ったことがあるのですが、空海をやるっていうんなら、行かないわけにはいかないでしょう!!


平成館にて開催中


「弘法大師生誕1250年記念 特別展 空海と真言の名宝」

弘法大師空海によって開かれた真言宗は、様々に分派した歴史を持ちます。その中で中心的な役割を果たし、今に続く後七日御修法を支えているのが、真言宗各派総大本山会(各山会)所属の十八本山です。空海生誕一二五〇年を記念する本展では、十八本山と関係寺院の貴重な名宝が一堂に会します。空海ゆかりの名宝、密教美術の精華、密教図像の世界、後七日御修法の世界、真言宗各派の名宝、真言宗各派の彫刻と秘仏。見どころは満載です。八十八件の名宝を通じ、空海と真言密教、そして弘法大師信仰の歴史と広がりをご体感ください。

パンフレットより


数字だけ見ると出展数が少ないようにも感じますが(真言宗で八十八って、絶対狙ってますよね)、実際に行ってみると見どころが多すぎてボリューム満点に感じました。

チケットと一緒にもらったうちわ
十八本山の寺紋があしらわれている


入場制限はされていないので、入ってすぐはかなり混雑していて巻物などを観るのが大変でした。


ゴッホ展に比べると年齢層はやや高めで男性が多い印象。
中には、僧侶と思われる坊主頭にタオルを巻いた若い二人組や、輪袈裟を首にかけた老紳士グループなどもいて、いつもの博物館とはちょっと違った空気もあり、それもまたいい。

美術と信仰が、同じ空間に同居している感じ。

展覧会自体は1室を除いて撮影禁止。

でも言葉で伝えられる気がしない…

次から次に現れる名宝の数々に、「おぉ~!」「すご~い!」「たまら〜ん!」という語彙力ゼロの感想しか浮かんでこず…

書で言えば
三十帖冊子(国宝 | 京都・仁和寺蔵)
空海が唐に留学していた時のメモ帳。そんなものが現存していたのか!巻物ではなくノートのような体裁でした。空海ほどの天才でも、必死でメモ取ったのかなぁ…
覚禅鈔(重要文化財 | 京都・勧修寺蔵)
仏様ごとの特徴を書いた図説のようなもの。密教の仏様って異形すぎて見分けがつかないのでこれの現代語訳欲しいんですけど!
…と、いちいち興奮。


仏画も仏具も見どころがたくさん!
京都・醍醐寺の国宝五大尊像のうち、不動明王と降三世明王がどーん!と展示してあったり、倶利迦羅龍剣(奈良・寶山寺 重文)なんて鳥山明が描いていそうな龍が巻きついた剣ですよ、カッコよすぎ!


そしてわたしの大好きな仏像も盛りだくさん。

三重・観菩提寺蔵の十一面観音立像(重文)、京都・仁和寺蔵の高さわずか25センチの薬師如来坐像(国宝)をはじめ、恐ろしいのから美しいのまでいろんな仏様が集結していらっしゃいます。

わたしは快慶作の仏像に悶えてました…

和歌山・金剛峯寺蔵の執金剛神立像深沙大将立像(ともに重文)。
特に深沙大将が生で観るとヤバい!
髑髏の首飾り、左腕に蛇が巻きつき、お腹に童子の顔。そこまではまあ良しとしよう(良くないが)。
両膝が象の顔って!どんな造形!?ってなるけど、これをカッコよくまとめあげてしまう快慶のすごさ。あと、こんなキャラ…もとい神の姿を創り出したいにしえの人間の想像力にひれ伏します。考えた人誰なの?インド人なの?
写真では観たことがありましたが、初めて生で観て大興奮です。

執金剛神の方ももちろん素晴らしいんですが、深沙さんにハートを持って行かれてしまいました…


それから、同じく快慶作の不動明王坐像(京都・醍醐寺蔵)は、お寺では拝めなかった仏像(以前行った時は霊宝館の公開期間外だった)だし、金剛薩埵坐像(京都・随心院蔵)は、十数年ぶりの邂逅。どちらもここでお会いできるとは!

大阪・大門寺の秘仏如意輪観音菩薩坐像(重文)は平安仏らしく穏やかで美しい仏様。
如意輪観音、好きなんですよね。たぶん思惟(しゆい)のポーズがちょっと艶かしくてドキッとするのかな。

撮影OKの仏像も。

愛染明王坐像
(山梨・放光寺蔵 重文)


天弓愛染という独特のスタイル
カッコいい…!


そして、国宝・五智如来坐像(京都・安祥寺)が五体そろって東京へ出張。


正面


サイド


後ろから


ついいろんな角度から撮ってしまいました。お顔が結構プリティ系なんですよね。でも神々しい。


書き出したらキリがないけれど、一番テンションが上がったのは、空海が唐から持ち帰った、国宝・金銅錫杖頭(香川・善通寺蔵)。それが現存してるのがすごい!
あと、真言宗で最も重要とされる儀式・後七日御修法(ごしちにちみしほ)を紹介する映像で、空海が唐で師の恵果から相承したと伝わる法具が現役で用いられている様子を見て、歴史の重みと受け継ぐということの尊さを感じました。


よくぞここまで集結させたな、というラインナップ。弘法大師生誕1250年記念ということで、次に同規模の展覧会が開催されるとしたら50年後の1300年記念?
そう考えると、本当に今年行ってよかったなと思いました。


満足して、グッズコーナーをスルーするという痛恨のミスを犯す(笑)


東博の平常展をうろうろ

特別展のチケットで平常展も観られるので、この勢いのまま平常展へ。ランチ?そんなものは後回しだ!

で、思ったのですが、
東博、デカすぎ!!

観て回るのに、時間も体力も足りない。

平成館で「ビフォー縄文」と「日本の考古」の展示を観て、本館のジャンル別展示を観て、東洋館…の途中でへばってしまいました…

埴輪がたくさん


九博ではお馴染みの石人(せきじん)


遮光器土偶!


なんか夢に出てきそう…


平常展は7〜8割が海外の方でした。ちょっと意外だったけれど、日本人がロンドンに旅行に行ったらそこまで興味なくても大英博物館に行く、みたいなのと似た感じなんでしょうか?でも皆さん、かなり熱心に説明を読んでじっくり観ていた印象。


大学時代東洋史専攻だったので、東洋館をもっとじっくり観たかったのですが、すでにだいぶ足腰に来てるわ、お腹すいてヘロヘロだわで、サーっと流し見する感じになってしまいました…もったいない。

ガンダーラ仏
最近石仏も好き


唐の時代の仏龕がたくさん



これはどこの石像だったんだろう…
西アジアの方かな


唐三彩の駱駝


14時半頃、体力の限界により撤収。(もっと体力つけておくんだった…)


その後、遅めのランチを食べながら思いました。
東博の平常展は、展覧会2つ観た後に観るようなもんじゃない、そのために1日確保して、万全の体調でじっくり楽しむべきだ、と。

さらに思いました。
博物館って、やっぱり楽しい!と。


この後上野にある本屋さんに行くつもりだったのですが、疲労と暑さにより、断念。


おとなしくホテルに帰って、冷房のきいた部屋でダラダラ本を読んだりしてのんびり過ごしましたとさ。

夕食はホテルの部屋で野菜多めのお弁当
やっぱ一人が落ち着く…


3日目は、美術館3館ハシゴします!
体力、もつかな…?

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