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会社では、今も旧姓のままの私

会社から、郵便が届きました。

開けてみると、
出産後に提出が必要な申請書類の束。

ほとんどの書類に、

「出産後、すみやかに提出してください」

と書いてあります。

そういえば娘を出産したときにも、
たくさん書類を書いたことを思い出します。


時間があるうちに書けるところは埋めておこう。
そう思って、少しずつ書き始めました。


書類によって、
「社内氏名」で書くものと、
「戸籍上の氏名」で書くものがあります。

私は、会社では旧姓を使っています。

なんだか久しぶりに書いたな、と思いました。


もともと、旧姓に強いこだわりが
あったわけではありません。

結婚して女性が名字を変えることについても、

まぁそういうものだよね、

となんとなく受け入れていました。


むしろ若いころは、

恋をすると、相手の名字と自分の名前を並べて
妄想しながらニヤニヤしたりして(!)

「相手と同じ名字になること」
に少し憧れもあったぐらい。


でも、実際に結婚して名字が変わるとき、

職場で使う名前を変えることは
考えられませんでした。


新卒で就職してから、10年以上。

部門やエリアを跨ぎながら、
いろいろな部署を経験してきています。

そうやって積み上げてきたキャリアが、

名前を変えることによって
リセットされてしまうような気がして。


そして今、

やっぱり名前を変えなくてよかったな、

と思っています。


例えば社内のはじめて会う人から、

「◇◇本部にいた◯◯さんですよね?」

と声をかけてもらうことがあります。


そうですが、どうして?と聞けば、

「過去のあの案件、◯◯さんが主導したって
引き継ぎ資料で目にして」

とか、

「◯◯さんが発信していたプレゼンの雛形、
現場で使っていました」

とか。


ずいぶん前にいっしょに仕事をした先輩が、
人事発令を見て

「昇進おめでとう!」

と、数年ぶりに連絡をくれたこともありました。



きっと名前が変わっていたら、
私のことだってわからなかったと思います。


もうひとつ、よかったと思うことがあります。


結婚しても、
子どもが生まれても、

職場で「◯◯さん」と旧姓で呼ばれるときは、

妻でも母でもない私がそこにいる感じ。

時間をかけて積み上げてきたものが、確かにある感じ。


だから、
「家庭の私」から「働く私」へと
スイッチを入れられる気がしました。


はじめての育休から復帰した初日、

職場への挨拶で

「◯◯です」

と名乗ったとき、

「自分が戻ってきた」ような。

妙にくすぐったい感覚になったのを
覚えています。


今は出産と育休を控え、
旧姓を名乗る機会は当分ありません。

それでも、

その名前が、会社に
私の居場所をとっておいてくれる。

私が戻るのを待っていてくれる。

そんな気がしています。



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