AI面接は表情を評価する?公式情報を調べて分かった「全部同じではない」ということ
「AI面接では、表情も評価されるらしい」
AI面接について調べていると、そんな情報を見かけることがあります。
さらに検索すると、
「笑顔を意識した方がいい」
「カメラ目線を維持した方がいい」
「表情が硬いと評価が下がる」
といった対策も出てきます。
初めてAI面接を受ける側からすると、気になるのはやはり、
「結局、表情までAIに見られているの?」
というところではないでしょうか。
そこで、いくつかのAI面接サービスについて、公式に公開されている情報を確認してみました。
先に結論を書くと、
「AI面接では表情が評価される」と一括りにはできません。
サービスによって、かなり違います。
表情を評価データとして扱うAI面接もある
まず、実際に表情などの非言語情報を扱うことを公開しているサービスがあります。
例えばPeopleXの「Assessment AI」では、評価に使うデータソースとして、
音声
テキスト
動画
の3つが公開されています。
動画については**「表情、身振り手振り」**、音声については「声のトーン、話し方」などが挙げられています。
評価項目にも、言語だけでなく「動作・表情」などの非言語項目が含まれています。
つまりPeopleXについては、
「回答内容だけを見ていて、表情はまったく関係ない」
とは言えません。
ここだけを見ると、
「やっぱりAI面接では、笑顔や表情をかなり意識した方がいいのでは?」
と思うかもしれません。
ただ、別のサービスを見ると事情が変わります。
SHaiNは「画像認識AIによる感情分析をしない」と明記している
対話型AI面接サービスのSHaiNは、この点についてかなり明確に説明しています。
SHaiNの公式見解では、
画像認識AIを使った候補者の感情分析は行っていない
とされています。
さらに、人間には気づけない情報から内心を解析・推測・評価するような処理も行わず、表情などから候補者の感情を評価するサービスではないと説明しています。
SHaiN自体はAIがヒアリングを行い、回答内容などから面接評価レポートを作成するサービスです。現在の公式情報では、画像認識を使わず、音声や文脈を統合して評価することも説明されています。
つまり、
「AI面接=表情から感情を読み取って採点するもの」
ではありません。
HireVueも、特定のAI評価では表情を使わない
もう一つ分かりやすいのがHireVueです。
HireVueの2025年版Explainability Statementでは、AIスコアリングを利用する動画面接について、
話した言葉を文字に変換する
その文章の意味を理解する
職務に関連する回答として評価する
という流れが説明されています。
そして、そのAI評価では、
顔の表情
身体言語
背景や周囲
声のトーン
を使わず、候補者が何を話したかを利用すると明記されています。
候補者向けFAQでも、
「十分にアイコンタクトをしないと不利になるのか」
「瞬きが多いと不利になるのか」
という疑問に対して、自然に振る舞い、応募する仕事に関係するスキルや経験を具体例とともに伝えることへ集中するよう案内しています。
また、同FAQでは、動画ベースの評価は単純なキーワードだけではなく、回答全体の文脈を見るとも説明されています。
少なくとも、
「AI面接だから、ずっとカメラを見ていれば評価が上がる」
という共通ルールがあるわけではなさそうです。
3つを比べるだけでも、かなり違う
今回確認した3つだけでも、
PeopleX
→ 動画の表情・身振り手振りなども評価データとして扱う
SHaiN
→ 画像認識AIによる候補者の感情分析は行わない
HireVue
→ AIスコアリングを利用する動画面接では、顔の表情・身体言語・声のトーンなどを使わない
という違いがあります。
ここで大事なのは、
どれが正しいAI面接なのか、という話ではありません。
そもそも「AI面接」という言葉の中に、異なる仕組みのサービスが含まれているということです。
だから、
「AI面接では笑顔を増やした方がいい」
という情報も、
「AI面接では表情は関係ない」
という情報も、
自分が受けるサービスを確認せず、そのまま当てはめるのは難しいと思います。
「表情を扱う」=「笑顔を増やせば高得点」でもない
もう一つ、分けて考えたいことがあります。
PeopleXのように表情を評価データとして扱うことが公開されているサービスでも、
「表情を見る」という事実と、「笑顔を増やせば点数が上がる」という話は別です。
例えば、
「笑顔を○回入れる」
「カメラを○秒見る」
「口角をずっと上げておく」
といった共通の加点ルールが公開されているわけではありません。
公開情報で確認できることと、
「きっとAIはこう採点しているはず」
という推測は分けた方がよさそうです。
AI面接について調べるほど、見えないアルゴリズムを攻略したくなります。
ただ、公開されていない採点方法を想像して不自然に振る舞うより、
まず自分が何のサービスを受けるのかを知る。
ここから始めた方が整理しやすいと思います。
最初に確認したいのは「サービス名」
もしこれからAI面接を受けるなら、まず確認したいのは、
利用するAI面接サービスの名前です。
案内メール、受検URL、ログイン画面などを見て、
「どのサービスなのか」
を確認する。
サービス名が分かれば、公式サイトや候補者向けFAQを探せます。
逆にサービス名を確認しないまま、
「AI面接 対策」
だけで検索すると、自分が受けるものとは違うサービスの情報まで混ざってしまいます。
実際、今回の3サービスだけでも表情の扱いは違いました。
AI面接と普通のWeb面接そのものにどんな違いがあるのかについては、次の記事で整理します。
→ AI面接と普通のWeb面接は何が違う?調べて分かった5つの違い
【無料記事②を公開後、この文章に記事URLを設定】
表情より先に、自分が話すことを整理しておく
表情が評価対象になるサービスだったとしても、面接で話す内容そのものがなくていいわけではありません。
応募者側で準備できることとして、
自分が実際に何を担当したのか
なぜその行動を取ったのか
どんな問題があったのか
その中で自分自身は何をしたのか
結果どうなったのか
くらいは整理しておいた方が、追加で質問されたときにも答えやすくなります。
ここで大切なのは、「AIに刺さる答え」を作ることではなく、自分の本当の経験を具体的に説明できる状態にすることだと思っています。
HireVueの候補者向けFAQでも、具体的な仕事・学校での経験を使って回答するよう案内されています。
AI面接を「一つのルール」で考えない
今回、公式情報を見比べて一番印象に残ったのは、
AI面接を一つの仕組みとして考えない方がいい
ということでした。
表情を評価データとして扱うサービスもあります。
画像認識AIによる感情分析を行わないサービスもあります。
特定のAI評価では、話した内容だけを利用すると説明しているサービスもあります。
だから、
「笑顔でいれば大丈夫」
「カメラ目線なら高評価」
「表情は一切関係ない」
のような一つの答えを探すより、
まず、自分が受けるサービスを確認する。
その上で、
公式に確認できる情報をもとに準備する。
まずはそこからでいいのではないかと思います。
もし、すでに企業から「AI面接を受けてください」という案内が届いている場合は、最初に確認しておきたいことをこちらの記事にまとめます。
→ 初めてAI面接を案内されたら、最初の5分で確認したい5つ
このアカウントでは今後も、AI面接やAIを使った転職選考について、公式情報で確認できることと、確認できないことを分けながら整理していきます。
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