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「勉強を頑張れば選択肢が広がる」はウソ?いよいよ東大推しが始まった【地方公立進学校】

高2の娘トラが、担任から「夏休みに東大の研究体験プログラムがあるから参加しないか」と誘われた。
しかし部活の大会と日程が丸かぶりだと伝えると「2日間のうち1日だけでも」と食い下がられたそうだ。

だが大会は東京とは逆方向。
いちおう選手で出る予定だから厳しいと伝えたものの、「もしや担任が顧問の先生に掛け合い選手から外されるのでは…?」と、トラは半ば本気で心配している。(さすがにそれはないと思う)

この話を聞いた私は、
「トラよりも成績の良い子はいくらでもいるのに、なんでトラなんだろうね?
志望調査に東大なんて一度も書いたことがないのに。」
と尋ねると、トラはこう言った。

「東大を志望していないから声がかかるんだよ!
東大以外の難関大志望の子にはだいたい声がかかってる。
この高校はとにかく東大推しだから。
毎年、東大合格者数の3倍くらいは突撃させられてるって先輩が言ってた。」

いやはやネットで噂には聞いていたが、東大特攻隊って本当だったのか。
だから東大合格者数の割に、京大や一科あたりは少ないのか。

さらに私は聞いてみた。
「でもさ、夏休みはよその大学でも似たような体験授業の募集があるよね?
たしか去年の三者懇で高校に行った時、筑波大とか京大とか、あと薬学体験のポスターも見かけたよ。
そういうのには参加できないわけ?」

「筑波のはもう理数科から行く人が決まってるよ。
難関大はちょっと厳しいかなっていう子に声がかかったみたい。
薬学体験に行く子もいるけど、薬学部志望者はだいたい医学部志望に変更させられたから、医学体験に行く子の方が多いかな。」

さらに
「京大志望の〇〇ちゃんなんかは、『この高校は東大の受験指導はやるけど、京大の場合は自力になるぞ』って言われて悩んでる。」

だそうで。
目標を高めに設定させたい気持ちは分かるし、京大うんぬんについては教師の働き方改革もあるのだろう。
だがこうも東大・国医偏向が見え見えだと、「勉強を頑張れば選択肢が広がる」という言葉が白々しく思えてくる。

そして期末テストが終わったある日。
トラは担任との進路面談で
「君は素直な問題は得意だが、捻った問題は苦手のようだから、今の志望大学では二次試験が厳しいだろう。
むしろ東大のほうが相性が良いかもしれないぞ。」
と言われたというのだ。

私と夫はもちろん大ブーイング。
トラは東大より明らかに格下(ってどこも格下だが)の志望大学を書いているのに、そこは厳しいけど東大ならって、いくら何でもそれはない。
そもそも「東大は素直な問題が多く、捻った問題は少ない」という認識は違う気がする。(特に最近は)
どう考えても、東大特攻隊の分母を増やしたいだけなのでは…?

ところが当のトラは、
「私はとにかく落ちたくないだけ。
少しでも受かる見込みがあって、なるべくいい大学に受かりたいだけだ。」
と、東大路線がまんざらでもない様子。

これまで
「トーダイだけはやめてよね」
「いや行けてもぜったい行かないから安心して」
と冗談を言い合っていたのに、面談後のトラときたら

「じゃぁ担任には『親がダメって言いました』って言っとくから、三者懇で東大がダメな理由をちゃんと言えるようにしといてよね!」
と吐き捨て、ドスドス二階へ駆けあがっていく始末なのだ。

まぁ東大生が東大を選んだ理由の筆頭は「(周りの)みんなが行くから」だと言うし、トラもついその気になってしまったのだろう。
その流されやすいところや終わりなき反抗期こそが凡人の証であり、東大に行く心配はまず無いとは思うが。

そうは言っても、三者懇で何と言うべきか。
私の本音は、
「高学歴であればあるほど"シゴデキが当たり前"と期待値のラインが上がり、外れた時の風当たりが厳しい」
という現実を嫌というほど見てきたから。
過去には、使えないヤツと見下され職場を追われるように去って行った高学歴の同僚は何人もいたし、身近なところではわが夫(大した大学ではないが)がまさにそれだ。

だがそんな話は、トラや担任の前ではさすがに言えない。
となると

「女子が東大に行くと縁遠くなる」とか「出身大学を一生言えなくなる」とか?

「地方ではオーバースペックで敬遠される」とか「そもそも地元に戻ってこなくなる」とか…?

どれも本心ではあるが、そんな近視眼的な(しかし地方では至極まっとうな)昭和の価値観を、東大最推しの担任にストレートに伝えるのもどうだろう。
こういった話は、感情の薄い夫に話させた方が良いのでは・・・?などと、夏休みの三者懇に向けて既に頭が痛い母なのだった。

◆フォローさせていただいているぜんさんお勧めの『学歴狂のうた』を読みました。タイトルにおや?と思ったあなたはきっと昭和の人(笑)

「学歴を巡る争いは地球が滅亡するまで無くならない。しかし学歴(大学歴)にこだわるより、受験に失敗したとしても、人間力のある奴の方が予後が良い。ぜひ大学の先の人生まで見据えた受験を」と述べる自叙伝的作品。(とはいえ著者も作家さんなので十分予後は良いと思う)
トラの高校の先生方にも読んでいただきたい一冊だった。

◆ついでにこちらが本家、『野球狂の詩』。

逆境やハンデは長編漫画のお約束だが、『ドカベン』の場合は貧乏な祖父と暮らす主人公&バッテリーを組む相手は体が小さくスタミナのない"小さな巨人"里中くん。
『野球狂の詩』の場合は、プロ球団のエースである主人公が実は女性という設定だった。


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