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荘子 雑篇 徐無鬼 — 国を治める前に、心の病を見よ

荘子 雑篇 徐無鬼 — 国を治める前に、心の病を見よ

人を愛そうとして、人を傷つけることがある。
戦を止めようとして、戦の種をまくことがある。
正しさが、かえって人を乱すこともある。
道は、正しさの顔をして近づかない。

この篇では、徐無鬼(じょむき)という人物が、
魏の武侯に会うところから話が始まります。
武侯は、山林から出てきた徐無鬼をねぎらいます。
けれども徐無鬼は、逆に言います。
「ねぎらわれるべきなのは、あなたのほうです」
欲を満たしても、心身は病む。
欲を押さえこみすぎても、耳や目は病む。
民を愛そうとしても、
義を掲げて戦を止めようとしても、
そこに人の作為が混じれば、乱れの根になります。
徐無鬼は、政治の理屈を正面から説きません。
犬を見る話をし、馬を見る話をし、
故郷を離れた旅人の話をします。
やがて話は、黄帝が牧馬の童子に道を聞くところへ進みます。
この篇で問われているのは、
何をするかではありません。
何をしないか。
何を取り去るか。
そして、自分の内にひそむ病を、どう見つめるかです。


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