家族会にとっての高次脳機能障害者支援法施行の意義〜「高次脳機能障害者支援法をいかに活用するか」座談会の補足〜 Part 4
Part 3からの続きです。
情報源としての家族会は過去のもの
前世紀末、各地で家族会の設立が始まった頃、高次脳機能障害についての情報を得るのはとても大変でした。そもそも高次脳機能障害に関わる情報自体、流通していなかったのですから。当時は、家族会が唯一の情報源だったと言っても過言ではない状況だったのです。情報に渇望した当時は皆、藁をも掴む思いで、家族会に入会し情報を、仲間を、見つけたのです。
翻って、現在はどうでしょう。ネットを見れば高次脳機能障害の情報は溢れています。誰でもかんたんに高次脳機能障害についての情報を取ることが可能になった。
今、高次脳機能障害についての情報を得ることは、家族会に入会するモチベーションとしては成立しないのが実情です。もはや、情報源としての家族会の時代ではないと言えるでしょう。
そのためか、少なからぬ数の家族会で新規入会者の減少が悩みとなっているようです。新規入会者の減少とは、既存会員の高齢化・世代交代不能を意味し、それはとりも直さず家族会活動そのものの停滞につながることになりかねません。
先述のように今回の法制化で家族会の役割はむしろ大きくなり、その存在、活動の重要性は高まったと言えるにもかかわらず、ここに述べたような家族会活動の後退という相反する現実があるのも事実です。
組織化する
当事者家族が主体的に要求する権利を行使する。そのためには一人ひとりがバラバラに動くのではなく、まとまった形、数の力で要求していくことも必要です。数は力、です。圧力団体としての力です。そのために当事者家族の組織化が必要です。その組織化の核の役割を担うのは家族会をおいて他にありません。
であれば、当事者家族の組織化とは、できるだけ多くの当事者家族の家族会への入会を促進することにほかなりません。情報源としての家族会の役割が減少した今、家族会への入会のメリットをいかに訴求できるか、入会のインセンティブを提示できるかがポイントになるでしょう。
この方略については本稿のテーマからは外れるので詳述しませんが、例えば
・地域のセーフティネットの一つとしての当事者団体をアピール
・デジタルネイティブ世代における「参加」
DXによる参加負担の軽減、
情報発信の機会/プラットフォームとしての家族会, etc.
など色々考えられるかと思います。
当事者・家族による情報発信
情報発信などアクティブな活動を望む当事者は少なくない印象を筆者は持っており、活動の場さえあれば積極的に参加してくれるだろうと思います。自分(達)のことを知ってほしい、障害に対する社会の理解を高めたい、そのような動機から活動の機会を望んでいるのです。彼らの気持ちをすくい上げ、潜在的な入会候補者として積極的に巻き込んでいくとよいのではないか。情報発信のプラットフォームとしての家族会です。この世代を取り込むことは家族会の世代交代にとっても大きな意味があると思いますよ。
とはいえ、すべての当事者家族が主体的・積極的に活動する意欲を持っているわけではないし、また、強要するのもおかしいですよね。まず家族会が、権利の行使主体としての積極性を見せていく。参加意欲のある当事者家族を巻き込んでいく。その過程で、”権利を行使する主体としての当事者家族”という認識をできるだけ多くの当事者家族に持ってもらえるようにしていくことが重要だろうと思います。
主体として行動する
座談会では要求する「なにか」についても言及しましたが、ここではあえて記載しません(当日は、筆者がいろいろ難題をふっかけるもんだから、理事長が頭を抱えてしまわれたよ、申し訳ない)。
顧問が言ったから、理事長が言ったから、ではないのです。言われたから動く、これは主体の行動とは言えません。座談会での筆者の発言はあくまで、ヒント、考えるためのとっかかりでしかない。なぜって、自ら考えること、それが主体性ということなんですから。
Part 5に続く。
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