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診断がつかなかった。でも、困りごとは残っている

「先生、発達検査を受けたんです。でも、『診断はつきません』と言われました。」
保護者の方から、ときどきいただく相談です。

診断がつかなかった。本来なら、少し安心できるはずです。でも、そのあとに続く言葉があります。

「でも、困っていることは何も変わらないんです。」

忘れ物が多い。授業に集中できない。友達とのトラブルが続く。宿題を始めるまでにとても時間がかかる。学校へ行くのがつらい。

診断がつかなかったからといって、その困りごとまで消えるわけではありません。

診断は「困りごと」を決めるものではありません

教育と療育の現場で子どもたちと関わっていると、私はよく思います。

大切なのは、「診断名があるか」ではなく、「その子が何に困っているか」です。

例えば、診断がついていなくても、先生の話を最後まで聞くことが難しい。予定が変わると不安になる。一つのことに夢中になると切り替えられない。そんな子はいます。

反対に、診断がついていても、学校生活を大きな困りごとなく送っている子もいます。

だから私は、診断名だけで子どもを見ることはありません。診断名は、あくまでその子の一面を切り取ったものに過ぎず、日々の困りごとの大きさを正確に測る物差しではないからです。

「診断がないから大丈夫」とは言えない

保護者の方の中には、「診断がつかなかったなら安心ですね。」と言われて、かえって苦しくなった方もいます。

安心したい気持ちはある。でも、家では毎日困っている。学校からも相談が来る。本人もつらそうにしている。そんな状況で、「大丈夫です。」と言われても、現実とのギャップに悩んでしまいます。

診断がないことと、困っていないことは、同じではありません。

このギャップは、保護者を孤立させてしまうことがあります。「診断がついていれば周りに理解してもらいやすいのに」と感じ、誰にも相談できずに一人で抱え込んでしまうケースを、現場で何度も見てきました。

子どもが困っているなら、支援を始めていい

私は保護者の方によくお伝えしています。「診断がついてから支援を始める」のではなく、困っていることがあるなら、その時点で支援を始めていいのです。

忘れ物が多いなら、忘れにくい仕組みを一緒に考える。切り替えが苦手なら、見通しを持てる工夫をする。集中しづらいなら、環境を整えてみる。

これらは、診断がある子だけの支援ではありません。困っている子なら、誰にとっても役立つ工夫です。

「診断がないと支援を受けられない」という思い込みが、結果として支援を始めるタイミングを遅らせてしまうことがあります。困りごとに気づいた時点こそが、動き出すのに一番良いタイミングです。

診断名より、その子らしさを見る

以前、ある保護者の方が、こんなことを話してくださいました。

「診断がつかなかったので、相談してはいけないと思っていました。」

でも、お話を聞いてみると、お子さんは毎日の生活の中でたくさん困っていました。

診断名はなくても、困りごとは確かにある。だからこそ、一緒に考える意味があります。

その子に必要なのは、診断名ではなく、今の困りごとに合った関わり方だったのです。

子どもは、一人ひとり違います

教育でも療育でも、私は、子どもを診断名で理解しようとは思いません。

同じ診断名でも、困りごとは違います。診断がなくても、支援が必要な子はいます。

だから大切なのは、「この子は何に困っているのだろう。」という視点です。

診断は、一つの手がかりです。でも、それが子どものすべてではありません。

子どもを理解する出発点は、診断名ではなく、目の前で困っているその子自身なのだと思っています。

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「診断はつかなかったけれど困っていました」「診断名より関わり方が大切だと感じています」など、一言だけでもコメントで教えていただけたら嬉しいです。

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発達特性
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