「猫と人の日」のこと その3
ごあいさつ
こんにちは。
11月28日「猫と人の日」記念日企画の
3回目、今日が最終回です。
母方の祖母と叔母が暮らす家に
やってきたチンチラシルバー
「ミー」ちゃんのお話です。
怖い目にあいました
ある日のことです。
祖母が買い物から帰宅すると
家が荒らされていました。
泥棒に入られたのです。
すぐに警察に通報し、
伯母の職場にも連絡が行きました。
荒らされた家の中で、
祖母は必死にミーの姿を探しました。
「ミーや、ミーや」
呼んでも返事はありません。
警察がやってきました。
祖母と、急いで帰宅した伯母は
すっかりパニックになっています。
「どうされましたか?」
「猫が…。」
祖母も伯母も、
ミーのことが心配でたまりません。
驚いて脱走したのではないか。
また、純血種の美しい猫なので
高く売り飛ばす目的で
連れ去られてしまったのではないか。
警察が現場の検分を終え、
宝飾品や貴重品など、
いくらかの被害があったことが
明らかになりました。
しかし、多少の金銭的被害など、
ミーのことにくらべれば
なにほどのこともありません。
警察が帰ったあと、
二人はもう一度、
家の中をすみずみまで探しました。
「ミー。ミー」
「ミー。ミーや」
「…ニャ…」
クローゼットの奥の
わずかな隙間から、
白いモコモコした猫が
恐る恐る這い出してきました。
とても怖かったので、
ずっと息をひそめて
ここに隠れていたのでしょう。
「よかった…!」
祖母と叔母は
手を取り合って泣いたそうです。
いろいろなことがありました
ミーが家に来て
10年以上が経ちました。
その間に、
元気だった祖母は床につき、
ミーのことがわからなくなりました。
最終的には施設に入院し、
二度と家に帰ることなく世を去りました。
残された伯母とミーは
寄り添うように
日々の暮らしを送りました。
後に、伯母は言いました。
「犬は『天使』ね。
猫は…『小悪魔』かしら」
そう言いながら、
「小悪魔」のかわいらしさに
すっかり魅了されていたことは
言うまでもありません。

どことなく得意げなミー。
とても長生きしました
それから
何年も経ってからのことです。
長生きだったミーにも、
とうとうお迎えの時が
近づいていました。
ミーが体調を崩したのは
その年の12月のことです。
「お正月まで、もつかどうか」
だと、伯母は心配していました。
そして、大みそかの夜が来ました。
「紅白歌合戦」を見ている
伯母のひざ掛けの上に、
ミーはいつものように座りました。
ここが、
いちばん安心できる場所なのです。
静かにうずくまって、
小さな寝息を立てはじめます。
「ゆく年くる年」が終わっても
ミーはずっと眠っていました。
夜中の2時…3時を回るにつれて、
ひざの上のミーの体が
ゆっくり冷たくなるのを感じながら、
伯母はずっと座り続けていたそうです。
いちばん愛してくれた人の
ひざに抱かれながら、
ミーは静かに息を引き取ったのです。
「ミーは日にちを選んだのよ」
と、後に伯母は言いました。
そうです。
大みそかの夜でなければ…
伯母がそんなに、
夜遅くまで起きていることはないのです。
また、日にちを粘って
元日の朝に逝ったのも
「わが道を行く」ミーらしいと思います。
あとがき
これで、祖母宅のミーのお話は
おしまいです。
ミーが生きている間に、
伯母の弟…つまり叔父の家でも、
仔猫を飼いはじめました。
私が庭で保護した
仔猫きょうだいのうちの
2匹を、お譲りしたのです。
これを機会に、
母のきょうだい全員が
猫沼にどっぷりハマることになりました。
そのお話は、
また日を改めて。
では、今日はこの辺で。
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