AIの提案を生かしたこと
前書き
私は最近
ChatGPTさんの提案をけなした記事を
多く上げています。
「AIは行間を読めないこと」
「AIの作文をさらしあげること」
では、AIの「提案」を
自分が書いている小説に
うまく取り入れたことはないのでしょうか?
いえ、そんなことはありません。
いくつか、その例を挙げたいと思います。
少し補足した例
「白銀の騎士」第2部
第22話(「運命のいたずら」act.1)から
美形敵キャラのシーンです。
最初のプロンプトはこうでした。
次はカフェテラスでヘタレ中尉が本を読むシーンです。
彼は「古本屋」までしかたどり着けませんでした。
「ヤミの古本屋か…。たしかに『情報屋』には違いない。噂なんて、そんなものさ」と思います。
ここまで具体的にわかってるなら
さっさと自分で書けよ、とも思いますが。
対して、ChatGPTさんの案です。
文体サンプル(導入例)
カフェテラスの片隅。テーブルに一杯のコーヒーを置いて、ヘタレ中尉は静かにページをめくっていた。
手元の古びた紙の本からは、淡いインクと紙のにおいが立ちのぼってくる。
(ヤミの古本屋、か…。たしかに“情報屋”には違いない。噂なんて、そんなものさ)
彼は鼻先で笑うと、カップに口をつけた。
……次のページには、主人公が言葉を忘れていく場面があった。
それが、やけに胸にひっかかった。
あ、ちなみに彼が読んでいるのは
「アルジャーノンに花束を」です。
そして私の決定稿。
(「白銀の騎士2」第22話より)
ここは、通りに面した瀟洒なカフェのテラス席だ。
本を広げたヘタレ中尉が着席している白いテーブルの上では、飲みかけのエスプレッソがいい香りを漂わせている。
注文した熱々のパニーノが来るまでは、少し待たねばならないだろう。
ページをめくりながら、ヘタレ中尉は思った。
(ヤミの古本屋か…。たしかに、一種の『情報屋』には違いない)
まあ、噂なんて、そんなものだ。
『セレーネ生殖細胞バンク』についての情報を調べるプロセスで、似たようなことはいくらでもあった。
何を飲食しているかは、
別スレッドでChatGPTに
「カフェテラスのメニュー」「イタリアの昼食」などを訊き、
そのあとGoogle検索で調べて決めました。
「パニーノ」はイタリアのサンドイッチみたいなものです。
ここで、ChatGPT案から
「なにを削って」「なにを足したのか」
見ていただけると、私の好みと
執筆姿勢が見えてくると思います。
これも補足した例
もうひとつ例をあげます。
最初のプロンプトはこうでした。
この後のシーンでは、街なかを走り抜けたコウが立ち止まり、追ってきていた少女(ファスナ)と対話が発生します。
警官は追ってきません。
コウとファスナは戦争で肉親をなくした者どうしです。
(この時点ではファスナの兄を殺したのがコウだという事実には、コウ自身も気づいていません)
少女とコウの関係構築の場面をどのようにするか、悩んでいます。
このあと、ChatGPTが出してきた案に
設定上の意見をいろいろ言って修正しました。
何度目かに出してきた案がこれです。
長くなるので、前半だけを抜粋します。
シーン:中断された未来の上で(草案)
人気のない空地に出たのは、ほんの偶然だった。
街の通りから少し外れたこの場所には、工事用フェンスと鉄骨の骨組みだけが取り残されている。
立て看板には、褪せた色で「複合文化施設 建設予定地」の文字。
(完成する前に、戦争が始まったんだろうな)
コウは、人工の風が吹き抜けるのを感じながら、足元の土に座りこんだ。周囲には誰もいない。
「待って!」
少しして、少女の声が響いた。さっきの――泥棒を追いかけていた少女だ。
ファスナ。彼女は、肩で息をしながらコウの前に立ち止まった。
「なんで逃げたの?」
「名前を訊かれそうだったから」
「それって、なにかやましいことがあるってこと?」
「そうじゃない。ただ……名乗れない時もあるんだ」
ファスナは目を細めたが、それ以上は追及せずに言った。
「まあいいけど。ありがとう、さっきは」
「バッグのこと?」
「うん。パールの――お兄ちゃんの婚約者のやつ。大事なものが入ってたみたい」
「きみ、地元の人?」
「マギヌス生まれ、マギヌス育ち」
「……ぼくは、『自由都市』から来た」
ファスナが一瞬だけまばたきする。それから静かに言った。
「そう……兄が、そこで死んだの」
コウは何も言えなかった。彼自身、あの街で、家族を失っていた。
(後略)
何度かプロンプトで修正したかいがあって
わりと完成形に近いと思います。
それを踏まえて、
実際に書いた原稿はこうなりました。
(「白銀の騎士2」第23話より)
少しばかりの空き地の向こうに、低いフェンスが巡らされた区画がある。
大きな立て看板には『ホテル建設予定地』とある。着工予定日は昨年の11月――ちょうど戦争が始まった頃だ。今が5月下旬であることを思えば、もう工事が進んでいてもいいはずなのだが、その形跡はうかがえない。
ここだけが、戦争が始まる直前で、時間を止めてしまっているようだ。
「やっと、追いついた…!」
振りむくと、先ほどの少女が肩で息をしながら立っている。
「…ねえ、きみ。どうして、逃げたりなんかしたの?」
コウは一瞬、口ごもった。
「…それは…。その…」
なんと言って説明すれば、いいんだろう。
『自由都市(フリーダムシティ)』の戦いで両親をなくして、行く場所がないから、『敵軍』の巡洋艦に乗ってここへ来ました、とか? ばかだな、言えるわけがない。
「…言えない事情が、あるんだ」
少女はすこし目を丸くした。それから、ひと息ついて、にっこり笑った。
「別にいいよ。言いたくなければ、言わなくったって」
今度はコウが目を丸くする番だった。
「あたしも、言いたくないことってあるから。…この戦争が起こってから、言いたくもないし、聞きたくもないことばっかりで」
コウはうつむいた。その気持ちに、うわべだけではない、深いところでの共感を覚えた気がしたのだ。
呼びかけようとして、まだ彼女の名前を聞いていないことに気づいた。
(後略)
や、ChatGPTさんの原案、
全然「完成形に近く」なかったですね。
特に人物のセリフ。
これは必ず一回、声に出してみて
そのシチュエーションでの
自然さをチェックすることにしています。
まとめ
自分が草案を出して、
それを元に
AIに骨組みを立ててもらって、
それを参考に
自分が完成稿を書く。
そんな感じで
ChatGPTを活用しています。
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