「ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち」に行ってきた〜これは異世界への橋なのか〜
あべのハルカス美術館で9/9まで開催中の
「ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち」
に行ってきた。

平日の午前中にも関わらずかなりな混み方で、休日には相当な混雑になるだろう。
覧会場には入り口に下の写真のような装飾があった。その時代や実際に飾られている美術館の壁の色を再現してあった。視覚的によく工夫されていた。
印象派についての用語の解説が壁に貼ってあった。画家一人ひとりの背景や経歴もていねいにわかりやすく説明がされていて良かった。
全体が6つのパートになっていて最後の6だけは撮影禁止。他は撮影可。
最後の撮影禁止の中に私の好きなボナールがあった。撮影できなくて残念。
窓の絵があった。
あまり鮮明に描かれていないのでたしかとは言えないが、私の目には窓の外に猫がいるように見えた。
もしこの展覧会に行かれた方で
ボナールの絵を見て覚えていて
私の猫がいる説になにか思われることがありましたら、コメントをしてくださると嬉しいです。




どれくらいの時間で描いたのだろう?
背景が赤なのはアカデミックな時代の
雰囲気を出すためのようだ。


背景の壁の青のおかげでより色が引き立って見える。





ゴッホの跳ね橋が今回の目玉だ。
確かに綺麗な絵だ。澄んだ水色が印象的。
だけどちょっと綺麗すぎて何か現実感がないような気がする。
千と千尋の神隠しで水上電車のシーンがあった。
美しいけど、違う世界に行ってしまいそうな景色。
あの澄んだ水の色を連想した。
千と千尋の神隠しの世界では橋の上に
真っ黒で顔のわからないカオナシが出てくる。
ゴッホの絵の中で跳ね橋を渡る人影が
本当に真っ黒なのだ。
シルエットからしたら女性なのだろうけど
不自然なほどの黒さだ。
生きている普通の人間というより
異界に足を踏み入れた人のように思えてしまう。
シルエットだけの黒い人影で
もう一つ思い出したのが
昨年に中之島美術館で見た小出楢重の絶筆。
電線の工事の人ということになっている。
だが私には電線に乗る人の姿が
もうすぐ違う世界に旅立つ画家のように見える。
小出楢重はこの絵を描いて程なく亡くなった。
ゴッホはこの絵の2年後に亡くなった。
考え過ぎだろうか。だがこの小出楢重の絶筆と
ゴッホの跳ね橋はモチーフは違うのに画面構成は
けっこう似ているように思う。
広がる空とその手前の人工物、その上の黒い人影、画面中央の水平線と画面下から右上への斜めの線。
右に家、左に木。
美しい絵なのに見ていると何か違和感があって
悲しさを感じる。
この絵を描いた時点でのゴッホは
アルルでの生活に高揚していたはず。
なのに私はこの絵からなぜか晩年の予兆を感じる。
なんだろう。
ゴッホの絵は好きなのだけど見ると
いつも少し悲しくなる。
ゴッホの絵が人を惹きつけるのは、
そこに澄んだ絶望が塗り込められているから
なのかもしれない。
