「身体を変える」筋トレの4つのポイント|ボディメイクの基本編
「筋トレしてるんだけど、思ったより筋肉つかない…」という経験がある方も多いのではないでしょうか?
私のクライアントにも、この課題をもって相談に来られる方が多くおられます。ここでは、効果的・効率的に身体を変えるための『トレーニングの質』を高めるポイントを扱います。
ポイントは4つだけに絞りました。これらを知っているか否かで、同じメニューを実施したとしても、成果に大きな差がつきます。
メニューが正しくても、身体が変わるとは限らない
週に2〜3回ジムで筋トレをしている。毎回それなりに汗をかく。それでも、3ヶ月前と比べて見た目がほとんど変わっていない。そんな経験がある人は少なくないと思います。
適切なメニューを選択できていても、身体が変わるとは限りません。同じ種目を同じ頻度で行っていても、身体が変わる人と変わらない人がいます。
その差を生むのが、トレーニングの「質」です。
今回は、トレーニングを作業で終わらせず、身体を変える刺激にするための4つのポイントを解説します。
漸進性過負荷(プログレッシブ・オーバーロード)
記録
フォーム
マインドマッスルコネクション
特別な種目でも派手なテクニックでもありませんが、この4つを押さえているかどうかで、身体には大きな差がつきます。
もし、トレーニングよりも食事の設計に不安があれば、先に以下の記事をご覧いただいてから、この記事に戻ってきていただければと思います。
1.漸進性過負荷
筋肉には、与えられた刺激に適応する性質があります。
初めてトレーニングをしたときには強い刺激だった重量も、同じ条件で繰り返していれば、やがて身体にとって当たり前の負荷になります。
例えば、ラットプルダウンを毎回40kgで10回、3セット行っているとします。始めたばかりの頃は10回が精いっぱいでも、数週間後には同じ40kgを余裕を持って扱えるようになります。
そこで必要になるのが、漸進性過負荷(プログレッシブ・オーバーロード)です。言葉は難しそうですが、考え方はシンプルで、前回よりも少しだけ負荷を高めることです。
負荷を高める方法は、重量を増やすことだけではありません。
・同じ重量で、前回より1回多く行う
・同じ回数を、少し重い重量で行う
・フォームを崩さずに行える回数を増やす
・可動域を広げる(適切な可動域内で)
・反動を減らし、動作を丁寧にする
これらはすべて、漸進性過負荷に含まれます。
例えば、40kgのラットプルダウン3セットを前回は10回、10回、8回行ったとします。次回に10回、10回、9回できればそれでOKです。毎回、重量を増やす必要はありません。
大切なのは、毎回のトレーニングで何かを少しでも進歩させることです。
2.記録
漸進性過負荷を実践するためには、前回のトレーニング内容を把握している必要があります。以下の内容が分かればまずはOKです。記録は、手書きのノート、スマートフォンのメモやトレ用アプリ、何でも大丈夫です。
・種目
・重量
・各セットの回数
また、重量と回数以外にも、進歩もあります。例えば、前回と同じ重量・回数で以下ができたのであれば、トレーニングの質は向上しています。
・反動を小さくして動作できた
・可動域が狭かったのが広がった
・下ろす動作をコントロールできた
・狙った筋肉への刺激を感じられた
数字(定量)と感覚(定性)の両方を以てトレーニングの質を確認することで、継続的にトレーニングの質が向上し、結果的に身体の成長につながります。
3.フォーム
「有名選手やインフルエンサーがやっている動き」を参考にされていることが、しばしばあります。
これはもちろん有益な場合もありますが、トレーニング経験や筋力が一般層とは大きく異なることや、また、ねらいの理解ができなかったりすることがあり、見よう見まねで実施するとよくない場合もあります。
さまざな意図のトレーニングが存在しますが、まずは狙った筋肉に適切な負荷をのせながら安全に動作するフォームを身に着けることが先決です。
以下が、まず大切にしてほしい3つの項目です。
1) 可動域
基本的に、狙った筋肉が十分に伸び(伸長)、十分に縮む(収縮)範囲で動かした方が、効果的です。伸長も収縮も感じないフォームでは、ボディメイクという観点では非効率になってしまいます。
動作を小さくすれば、重い重量を扱いやすくなります。ですが、筋肉が十分に伸び縮みしなければ、狙った筋肉部位への刺激が小さくなります。
ただし、可動域は広ければ広いほどよいわけではありません。関節の構造、柔軟性、過去の怪我によって、安全に動かせる範囲は異なります。痛みが出る位置まで無理に動かしてはいけません。
丁寧にコントロールできる重量で、違和感や痛みが無い可動域内で広く動作することが大切です。
2) ネガティブ動作
持ち上げる局面では力を入れていても、下ろす局面では力を抜いてしまう、ということが初級者の方によく見られる課題です。
例えば、チェストプレスを押すときは力を入れるが、戻すときは重さに任せて急激に下ろしてしまう、ラットプルダウンで一所懸命に引いた後、重力に任せて一気に下ろしてしまう、といった事例です。
この下ろす局面は、ネガティブ動作あるいはエキセントリック局面と呼ばれ、筋発達を考えるうえで重要な局面です。
難しい言葉を覚える必要はありませんので、挙げて終わりではなく、下ろすときも重量をコントロールすることを意識できればOKです。これだけで、同じ重量、同じ回数でもトレーニングの質は大きく変わります。
3) TUT(Time Under Tension)
筋肉に負荷がかかっている時間は、一般にTUT(Time Under Tension)と呼ばれます。このTUTが短すぎる場合、筋肥大しにくく、ボディメイクにおいては非効率です。
反動を使って一瞬で持ち上げて重量を落とすように戻せば回数は増えますが、筋肉が継続的に負荷を受ける時間は短くなり、有効性は低いです。
反対に、ネガティブ動作を含めてコントロールすれば、同じ10回でも筋肉に負荷がかかる時間は長くなります。
なお、筋肥大に最適なTUTは、現在の研究でも明確には確立されておらず、「1セットを〇〇秒以上続ける」といった具体的な秒数の設定が難しいところですが、
実践上、1回の動作をおおむね3〜4秒程度で行い、10〜15回であれば1セット約30〜60秒程度を目安とすればよいでしょう。秒数に拘り過ぎることなく、動作の最初から最後まで、狙った筋肉から負荷を逃がさないことが大切です。
4.マインドマッスルコネクション
マインドマッスルコネクションとは、トレーニング中に、対象筋を意識すること(狙った筋肉の感覚に意識を向けること)を指します。
例えば、ラットプルダウンを行うとき、バーを胸の方へ移動させることだけを考えるのではなく、広背筋の伸長や収縮の感覚に意識を向ける。チェストプレスであれば、ハンドルを前へ押すことだけではなく、大胸筋を縮めながら前へ押し切る感覚を探す。
といった意識です。同じ動作のようでも、意識を向けることによって、効果は大きく変わります。
最初は、狙った筋肉をうまく感じられなくても問題はありません。特に背中は、自分の目で動きを確認しにくいため、感覚をつかむまでに時間がかかることがよくあります。
その場合は、一度重量を軽めに設定し、可動域や動作の軌道に留意しながら反復して、マッスルマインドコネクションを高めることをお薦めします。
4つのポイントは、連動している
ここまで、4つのポイントを個別に説明してきましたが、実際のトレーニングではそれぞれがつながっています。
・漸進性過負荷だけを意識し、重量ばかり増やせば、フォームが崩れる。
・フォームだけを丁寧にしても、何ヶ月も同じ重量と回数であれば、刺激はやがて不足する。
・マインドマッスルコネクションだけを追い求めても、効いている感覚は身に付いても継続的に成長できない。
・記録だけをつけても、書かれた数字を次回の行動に反映しなければ意味がない。
4つの組み合わせで、トレーニングが身体を変える仕組みになります。
・前回の内容を記録する。
・その記録をもとに、前回より少しだけの進歩を狙う。
・狙った筋肉に負荷が乗るフォームで動かす。
・どの筋肉を使っているかを意識する。
今回は、効果的・効率的に身体を変えるための『トレーニングの質』を高めるポイントについて書いてみました。
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