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息つく暇もなく、行き着く宛もなくvol.1

 今からする話は、どれもしょうもない話ばかりだ。脈絡のない自分語りが続くのでご注意を。

 何も誇らしげに言うことではないけど、俺はあんまり仕事ができない。というか、全然できない。興味のないことに一切やる気が湧かない。軽音サークルでは浪人、留年、休学がそれほど珍しいものではなく、バイト先にも訳アリな人間が多い(決して闇バイトではない)ことから、普通の人より危機感が薄いのかもしれない。それでも周りが就活の話ばかりしていると流石に嫌になる。典型的なピーター・パン症候群といったところか。まるで褒められたもんじゃない。でも、少しだけ聞いてほしいことがある。

就職試験の合格通知 面白い人間の不合格通知

RADWIMPS 「会心の一撃」

 決して正しい生き方ではない。けど、間違っているとは言わせない。そんな生き方が出来たらいい。少なくとも今の自分は、正しくはないし、間違っている。だから何を言っても無駄なのだが、決して無意味にはしたくない。後々、意味があったと言えるようにしなければいけない。その布石を、今ここで打つ必要がある。

 本当に情けないけど、俺は正しさが怖い。一点の曇りもなく、正しい日々を歩んでいる人を見ると、心のどこかで見下しながらも虚しさで消えてしまいそうになる。ちょうど遠野遥の小説『破局』で描かれた主人公が思い浮かぶ。

 昔から本が好きだった。幼稚園の頃の愛読書は『かいけつゾロリ』で、はらゆたか先生にファンレターを送ったこともある。小学生の時は、親が買ってきた江戸川乱歩の『少年探偵団』シリーズや、モーリス・ルブランの『怪盗ルパン』シリーズもよく読んだ。学級文庫では『サマーウォーズ』や『若おかみは小学生』、『怪談レストラン』などが流行っていたが、ちゃちなプライドから興味ないふりをしつつも、結局誘惑に負け、近くの本屋で買って読んでいた。他にも、『マジックツリーハウス』『大どろぼうホッツェンプロッツ』、『小さなバイキングビッケ』『ズッコケ三人組』『兎の目』などがお気に入りだった。

 ラインナップ的に、怪盗モノが多い。特に印象に残っているのが『犬泥棒完全計画』だ。これは小学校の図書室で借りたものだ。『大泥棒完全計画』と思って借りたところ『犬泥棒』で、内心がっかりしたのだが、結果的に借りて大正解だった。車中泊という概念やマックで髪を洗うシーンが印象的で、この本を自分しか借りていないという事実が誇らしかった。

 ある日、朝日小学生新聞にて、宗田理の『僕らの怪盗戦争』を読んだ。毎週連載を楽しみにしていたが、既ににシリーズ化されていることを知り、急いで本屋に駆け込んだ。代表作『僕らの七日間戦争』をはじめ、主人公一味が悪事を働く大人を撃退する様は痛快で、当時出ていた刊はすべて読破した。これが大きな出会いとなった。1985年発売された本書は、随所に学生運動の名残が残っており、PTAからは有害図書として批判されたそうだが、時代を超えて人気を博しているのはやはり色あせない面白さがあるからだろう。退屈な日常に辟易としていた自分にとって、「情熱と才能ある仲間が集まって非日常的な日常を送る」という構図は魅力的だった。

 中学生の頃は、アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』に夢中だった。「非日常的な日常」はまさに作品の主題であり、「高校生になればこんな青春が待っているに違いない」と期待に胸を膨らませていたが、中高一貫校なので残念ながらあまり変わらなかった。

 『四畳半神話大系』も印象的な作品の一つだ。これまで上げた作品はどれも有名なものばかりだが、音楽しかり本しかり、いかに「人と違う存在であるか」ばかりを気にしてきた少年時代において、これらの作品の立ち位置は絶妙なものだった。おぼろげながら、自分もこんな大学生になるだろうという予感はしていた。

 コロナ禍は想定外だったが、その予感はおおむね合っていた。相変わらず政治的思想など関係なく、単なるひねくれ者の反骨精神を軸に生きていた。アングラとかカウンターとか、そんな言葉が相変わらず好きで、その中に秘められた純粋な心がきっと、自分にもある。そう信じていた。

 二十歳のころはちょうど留年するかどうかの瀬戸際で、精神的にもだいぶ追い詰められていた。「人と違う」ことにこだわるあまり、スーツに派手なネクタイをつけ下駄で登校し、髪型は姫カット、ロクに授業にも出ず公園で歌の練習をしていた。よく通報されなかったと思う。家に帰り、母親に「今日はどうだった?」と聞かれ、「まあ、頑張ったよ」と噓をついて空の弁当箱を渡した。その時初めて、自分がクズであることを自覚した。でも、いまさら何ができる?期末試験には行けなかった。どのみち、単位を取れないことなど目に見えていた。喫茶店で勉強するふりをして、時間を潰していた。年末、コロナにかかった。結局、留年が確定し、その後もいろいろあって肩まであった髪を坊主にした。心を入れ替え、よく働き、勉強した。そこからは割とうまくやれている気がする。

 大学生活でよく聞いたバンドの一つ、インディアカヌー。

君は時代の泡にならないで

インディアカヌー「さわやかなぬけがら」

 まずは聞いてほしい。言葉で語るのが野暮に思えるような、そんなバンドだ。最近、やっと涼しくなってきた。秋は好きだけど、夏と違ってあの無条件な生命の肯定はどこにもない。日本海のような寂しさ。海に向かって叫んでいるような、あの感じ。今自分が何とか生きていられるのも、このバンドのおかげだ。

怖いもの知らずで時代ははしゃぎまわり 
僕と君の過ごしたページは破り去られ 
歴史には価値のない化石の一つになるのさ

the pillows 「ストレンジカメレオン」

 ピロウズもそうだ。受験生の時、アートスクールと併せてよく聞いていたせいで、反動でしばらく聞けなくなってしまった。このバンドも歌詞が素晴らしい。ピロウズはFLCLの最高のサントラであり、FLCLはピロウズの最高のMVだと言われている。

 別にネトフリじゃなくてもいいけど、絶対見てほしい。絶対に後悔させない。したらごめんなさい。でも、多分後悔しないだろう。語るより、見たほうが、見るより、感じたほうが早い。

 疲れた。これだけ長々と書いておいて、自分はまだ、何も生み出していない。ただ疲れただけ。この文章も、読み手のことなど一切考えられていない駄文の集合体だ。ここまで読んでくださったもの好きな方がいるとすれば、感謝を伝えたい。謝謝。

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