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「円キャリートレード」は止まらない? - マーケットに広く浸透するモラルハザード(倫理の欠如)

 「円キャリートレード」の終焉は近い?|損切丸 の続き

 こんな事を続けて書くと無責任と思われるかもしれないが「株本位制」アメリカとしては何が何でも株価は上げなければいけない ≓ 「円キャリートレード」は止まらない? そういうシーンを何度も何度も見てきた。これは定期的に起こす「戦争」同様、アメリカの「国是」のようなもの

 "何があっても買ったままにしておけばいずれ上がる" 

 いわゆる "ガチホ" 信仰もその一部だが、マーケットに広く浸透するモラルハザードが問題の核心。確かにブラックマンデー(1987)もコロナ危機(2019~)も中央銀行が利下げし政府が「借金」して「お金」をばら撒くことによって株価は持ち直してきた

  "次" も同じ事が可能なのか?

 例えばここで再びパンデミックが世界を襲ったと仮定しよう。コロナ危機ではアメリカを中心に200兆円近い「お金」をばら撒いたが、今度はそう上手くいくだろうか既に法定通貨の価値はかなり陳腐化 ≓ インフレしており、これ以上ばら撒くと「お金」の価値の希薄化が進む

 利下げすれば一時的に短期金利は低下するかもしれない。当面の「資金繰り」も救えるだろう。だが今のイールドカーブを見る限り "次" は長期金利の反騰を招くだろう。現状は 「株」と「金利」の "チキンラン"|損切丸

 @5%台が定着しつつある30年米国債がその事を示唆しており、今後インフレを無視した利下げ(あるいは低金利)や政府による無軌道な財政支出は長期金利の上昇を招く可能性が高い6,000兆円もある国の「借金」が@4%の利払いで年間▼200兆円も出て行く "ザル財政" なら当然の判断だろう。「相互関税」なる見た目の誤魔化しではもうどうにもならないし「戦争」で他国の富を分捕る事も現代ではかなり難しくなっている

 もっともこれはアメリカに限った話では無い

 「骨太ショック」と言われた内容が開示されたがマーケットを軽んじていることがバレバレ。確かに日銀の独立性は謳っているが脚注にちょこっと書き足しているだけで「本音」が違うことは明らか。「積極財政」を掲げ「財政健全性」の文言が消えた事も日本政府自身が "チキンラン" に打って出ることを表明したようなもの。株価さえ上がれば何でもありの「昭和」政治の復古版であり@163円台の「円安」など意に介していないよう。そういう隙をマーケットは見逃さない

 *GPIF(年金運用機構)による国内運用の話で一時的に金利低下していたJGBも単なるアピールに過ぎない事が見透かされ再び上昇基調に戻る気配。減税、給付金等でばら撒きに走れば10年JGBもあっという間に@3%超えアメリカの真似をして短期国債発行を増やせば「資金繰り」が不安定化し、短期金利が上昇すれば元も子もない

  *国内の個人投資家にも変化の兆しは見える。「新NISA」で独走状態だった「オルカン」「S&P」の順位が下げ、日経平均等国内株の人気が上昇。確かに年初来で言えば外国株の運用実績はさほど芳しくなく、手数料を差し引けば手元にはあまり残らない。JGBが「新NISA」なんて事も本当にあるのだろうか(GPIF同様、単なるリップサービスではないのか)。ただこれで根雪のような国内からの「円売り」は減りつつある

 中にはそういう "チキンラン" を意識して尚且つ「買い」で突っ込む猛者もいる。こういう人達はまだいい。問題はモラルハザード ≓「どうせ政府が何とかしてくれる」どっぷりのトレーダー、投資家がほとんどという点

 "次" はないかもしれない

 「円キャリートレード」の話をすれば究極 「本物の危機」の時は「短期金利」が上昇する|損切丸 例えばキャリーコストの元になっている為替直先(FX Foward)のT/N(翌日~翌々日の1営業日)が円借入過多で「ドルプレミアム」=ドル金利>円金利から「円プレミアム」にひっくり返れば「キャリートレード」は損失トレードに転落「需給」が偏ればよく起こる事態

 そういう時銀行はマネーマーケットで資金調達に走るので当然TONAR(無担保コールO/N金利)も上昇する。テコの軸に当たる短期金利が上がれば長期金利はもっと振れる「資金繰り」がつかなければ保有するJGBも売らざるを得ないからだ

  "アメリカや日本がトルコになる日" 

 通貨安による短期金利急騰やハイパーインフレが金利の急上昇を招いて経済が破綻状態になった例でもっとも卑近なのは トルコリラ急落、調達金利1,000%の衝撃|損切丸 政策金利の@30%越えは無いとしても@10%程度まで急騰する可能性はゼロでは無い。 事実3年前は絵空事と思われた米国債の@5%台、あるいはJGBの@4%台は現実化している。モラルハザード蔓延でタカを括っている市場参加者が多い事に危機感を覚える

 マーケットでは何でも起こりうる

 筆者はそうなって欲しいと願っている訳ではない。だが高額ボーナスありきの投資銀行業界≓ウォール街は "チキンラン" を一向に止める気配が無い。まあ業界がどうなろうと知ったことでは無いが(苦笑)まずは自分の資産防衛に徹する事。 "円危機" が止めをさすのか、それとも株価が自立反落するのか、じっと見守っている

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