Prog Project 5周年 ― 試行錯誤の5年間と、これから目指すこと
実は今年(2026年)3月、我々 Prog Project は活動開始から5周年の節目を迎えていた。(が、後述の通り、今年は取材続きで、気づいたらもう3ヶ月以上経ってしまった。)
本noteを始めた2024年12月にも自己紹介記事を書いたのだが、それからの1年半、かなり目まぐるしかったので、改めて振り返ってみたいと思う。
活動を始めたきっかけ、どんな人たちが運営しているのか等については、↓の記事に書いているので、まだの方は、ご一読いただきたい。
本記事では、Prog Project の Tate の視点から、この5年間の試行錯誤の歩みを振り返りつつ、今後やりたいこと等も書いてみたいと思う。
1. ライブ配信期(2021~2023年)
YouTube を立ち上げた2021年は、まだコロナ禍の真っ最中。オンライン配信イベントが全盛期だった頃だ。我々も、書籍の出版記念イベントや DOMMUNE への出演に続き、まずはゲストを迎えてライブ配信トーク、そのアーカイブを残すという方法を採っていた。

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しかし、リアルタイムで視聴・コメントしてくださる方はごくわずか、かつ、後から1時間以上のアーカイブ動画を観るのも大変なのでは…ということに気づき、このスタイルは2023年に終わりを迎える。
音楽業界関係者へのインタビュー第一弾として、ソニーミュージックの中西氏に Zoom 対談をお願いしたのだが、その録画を流しながら、合間にトークをライブ配信する、という試みが(技術的に)うまく実現できず、編集した動画をUPするという方針に転換したのだった。
2. インタビュー取材 黎明期(2022~2024年)
2022年、私 Tate がロンドンでしばらく仕事することになり、実はこれが大きな分岐点となった。
・海外フェス初取材
イギリスのプログメタル・フェス RADAR Festival ではメディア・パスを申請して取材OKを貰い、ひとりでカメラ片手に撮影&インタビューをして回るという挑戦をしたことで、少し度胸がついた。
仕事環境も、日本人は自分のみ、周囲は全員外国人だったため、「正しい英語でなくとも、伝われば良いのだ」という実体験も得た。
・海外と日本のバンドの対談企画
2023年には、以前から親和性を感じていた、アメリカのプログメタル・バンド Arch Echo と、日本のフュージョン・バンド DEZOLVE の Zoom対談を企画し、日本語が喋れるアメリカ人の知人に通訳として入ってもらったのだが、やはりこの音楽ジャンルに精通していないと、正しく通訳できないのだということも実感した。
2024年に企画した Haken と ulma sound junction という、イギリスと日本の同世代プログメタル・バンド対談企画も、日本と海外のバンドの共演機会がもっと増えたら良いのに、という想いがあったからだった。
この2つの対談は、当時は大きな話題にはならなかったが、今もなお、「日本と海外のアーティストを繋ぐ」というテーマには強い意欲を持っており、今後も引き続きチャレンジしていきたいと思っている。
・通訳なしでの来日取材スタート
そうして、通訳なしで対面インタビューに初挑戦したのは、2024年の TesseracT 初来日時からだった。
同年11月の Pain of Salvation は、なんと27年ぶりの奇跡の来日にも関わらず、我々しか取材を行ったメディアが存在せず、その経緯も含め、多くの方に注目をいただくことができた。詳細は↓の記事を参照いただきたい。
プログメタルという(ニッチな)ジャンルは、日本に伝わってこない情報も、まだ多い。
だからこそ、できるだけ一次情報に当たる。そして、その元情報を正確かつ丁寧に日本のファンに伝える。そのために、翻訳だけでなく、背景までしっかり解説する。そして音源や動画を実際に聴いて・観てもらう(プレイリスト等)という方針は、このあたりから確立されていったように思う。
3. インタビュー取材 充実期(2025~2026年)
・海外からも注目されるように
2025年11月の Opeth は、これまた我々にとって、大きな分岐点となった来日取材だ。
ちょうど同時期に Instagram アカウント を開設し、そこでも ミカエル・オーカーフェルトのインタビュー動画 をUPしたところ、Opeth 公式アカウントにシェアしてもらうことができ、全世界のファンから大量のアクセスがあったのだ。
Blabbermouth 等の海外メディアにも取り上げられ、2026年の今もなお、このインタビュー動画には世界中からアクセスが来続けている。
Opeth、そしてミカエルという、強すぎる存在のおかげによるところが非常に大きいが、この出来事をきっかけに、「日本のファンに向けたメディア」でありながら、全世界にも届く可能性があることを初めて実感した。
海外アーティストに動画インタビューを行う DIYメディアは海外には数多くあれど、日本では、ほぼ見たことがない。おそらくこれは英語の壁によるものだろう。
また、我々にとっても最大のハードルなのが、撮影したインタビュー動画を見やすく編集し、自然な日本語字幕をつける作業だ。これが思いのほか、非常にハードワークなのだ。
さらには、メタルやプログ界隈で、女性のみで運営しているメディアというのも、ほぼ見たことがない。
これらの独自性を活かすことで、日本はもちろんのこと、世界に対しても発信ができるし、もっとさまざまなアーティストや業界関係者に取材ができるのでは?という気づきを得たのだった。
・毎月の来日取材
そして今年2026年。
上記の通り、動画編集・字幕制作にかなりの時間を要するため、まだ公開できていないインタビュー動画もあるのだが…
▼2月:デンマークのプログメタル・バンド VOLA 初来日 独占インタビュー
▼3月:Dream Theater のマイク・ポートノイ 来日後 独占 Zoomインタビュー
▼4月:新世代ギター・ヒーロー Jack Gardiner 来日インタビュー
▼5月:アメリカのプログメタル・バンド Fallujah 初来日 独占インタビュー
…と、毎月のようにインタビューを行っている。
Jack や Fallujah のようなアーティストは、本人自ら我々の日本語記事を翻訳して読んでくれたり、YouTube もチェックして、感想をくれたりするので、なおさら責任を感じて、気合が入るというものだ。
これからも、当事者たち(アーティストに限らず、それを支える業界関係者なども含め)の言葉を伝えていけるよう、幅広く取材を続けていきたい。
4. これから目指すこと
いま一番の課題は、やってみたい企画、話を訊いてみたい人があまりにも多すぎて、時間が足りないことだ。
ご存知のように、最近は来日ラッシュなので、そのたびに取材依頼をするかどうか悩んでいる。
テキスト系は Tate 、画像・動画系は Izumi という、得意分野を活かした作業分担ができているものの、2人とも本業の仕事を抱えながら作業しているので、なかなか限界がある。
昨今は AI の力を借りることで、インタビュー後、公開できる形にするまでのスピードは少しずつ上がってきている。しかし、まだ公開できていない素材は沢山あるので、それらを何らかの形で表に出すことは、引き続き、やっていきたい。
その手段の一つとしても考えているのがポッドキャストで、例えば、取材の裏話なども、音声であれば、動画よりもクイックに公開できると思うので、今後、チャレンジしていけたらと考えている。
また、ゲストを迎えてのリアルイベント(トークショー)やライブイベント等も、いつかは主催してみたいという野望もずっとある。
そのためにも、完全DIYとは言え、少しずつマネタイズもした方が良いだろうという気持ちもあり、コンテンツの有料化なども試していけたらと思っている。
(先日、初めて有料記事を出したところ、思いのほか、皆さんに購入いただくことができ、本当に有難かったです!)
5年前、Prog Projectを始めた頃は、正直、ここまで活動が広がるとは思っていなかった。しかし、当時も今も「プログレッシヴ」な音楽を、より多くの人に届けたいという気持ちに変わりは無い。
日本と海外を繋ぐ架け橋として、これからも少しずつ挑戦を続けていきたいと思う。

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