60代のリアル|第2幕、第46話【実録・職場の波乱】機能しないPDF→Excel変換。現場の業務と噛み合わない「パートには不要」のソフトの割り当て
前回までのあらすじ
Windows 11への移行後、パソコンの起動の遅さに周囲の同僚たちが不満を募らせる中、私はタスクマネージャーのスタートアップ無効化(TeamsやOneDrive.exe)やウィジェットのオフなど、自力でパソコンの軽量化チューニングを施していました。
いつも席を借りている他部署の同僚たちから相談を受け、「一概には言えませんが……」と前置きしつつ、「会社としては非推奨・非承認の作業なので自己責任で」と控えめにその手順を共有します。
業務効率を求める純粋な工夫でありながらも、指示に従わず勝手に設定を変更する自分は、会社から見れば扱いづらい「反逆者」なのかもしれないと、一抹の後ろめたさと自嘲を抱くのでした。
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嵐の前の静かな打診
8月20日(木)、業務終了間際のことでした。
システム担当者から「今日の業務終了後、あなたのパソコンにOffice 2024をインストールします」と連絡が入りました。
私が日頃から業務でVBA(マクロ)を多用しているため、環境が変わっても正常に動作するか、早めにインストールしてテストを行ってほしいという依頼でした。
(……とはいえ、これから月末に向けて怒涛の忙しさがやってくるのに、そんなテストをしている時間なんてあるはずがないのだけれど)
心の中でそう呟きつつも、拒否権のない私は静かにその指示を受け入れるしかありませんでした。
VBA以前の想定外な壁
翌8月21日(金)、いよいよOffice 2024のテストが始まりました。
最初のうちは特に大きな問題もなく、動作も順調に見えました。
しかし、毎月初めに行うルーティン業務の再現テストに入った途端、思いもよらない障壁にぶち当たることになります。
それは、Web上からダウンロードしたFAXの使用データ(PDF)を、Excel形式に変換する作業でのことでした。
VBAが正しく動くかどうかを確かめる以前の「準備段階」で、変換したはずのExcelファイルを開いても、中身のデータがまったく生成されないという不具合が発生したのです。
画面に表示されたExcelシートは、データの文字数に合わせてセル幅こそきれいに調整されているものの、肝心な数値やテキストだけが綺麗さっぱり消え去っていました。
置き去りにされるパートの現場
原因はすぐに思い当たりました。
これまでPDF変換に使っていた「Adobe Acrobat 2017」は、すでにサポートが終了しており、セキュリティの観点からも別のソフトへ移行する必要がありました。
しかし、新しいAdobe Acrobatは費用が高額なため導入が見送られ、代わりとして提示されたのが「DocuWorks」でした。
実際、退職された以前のシステム担当者が「Acrobatが使えなくなるのでDocuWorksを入れますね」と言って、私のパソコンにもインストールしていった経緯があったのです。
それにもかかわらず、課長に状況を報告すると返ってきたのは思いもよらない言葉でした。
「DocuWorksは正社員のみインストール対象で、パートはインストール不可になっているはずだけど……」
どうやら会社側は「パートには不要」と一律で判断していたようでした。
正社員の中には日々の業務でPDF変換をほとんど使わない人もいるのに、「正社員だから」という理由だけでインストールされ、実際に現場でデータ変換作業を担っているパートの私には権限すら与えられないという奇妙なギャップがありました。
システム担当者と課長の間で、現場の実態を踏まえた話し合いや調整がなされていたのでしょうか?——。
雇用形態という枠組みではなく、実際にその業務を必要としている現場に、必要なソフトが適切に提供されてほしいと切に願うのでした。
🌿次回予告
そもそも、DocuWorksを使ってPDFをExcelへ綺麗に変換することなど、本当にできるのでしょうか……?
代替ソフトの壁に頭を抱えつつも、いよいよ本丸である「自作VBA」の動作テストへと足を踏み入れることになりました。
しかし、そこで待ち受けていたのは更なる試練でした。
AccessのデータをVBAからSQLを使って直接読み込み、宛名シールを発行していたものが、大変な事態に陥ってしまったのです。
果たして、Office 2024のテストは無事に進むのでしょうか?
現場の業務を支えてきたマクロたちの運命と、この先に待ち受ける展開から目が離せません。
次回、「崩れ去る宛名シール発行システムと、Office 2024の試練」。
次回もどうぞお楽しみに!
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