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#52 MSXが消える?

https://note.com/tallsnow/n/ne595f62591c1

MSX3開発をめぐる西和彦氏(以下、西氏)とHRA氏の関係性に、2026年に入ってから顕在化した緊張・不協和音が、コミュニティ内で話題になっています。かつては協力関係に見えていた両者の間で「内輪揉め」と呼べる状況が生じ、MSX3の実現可能性に暗雲が立ち込めている——というのが現在の大まかな構図です。現状の経緯、原因と思われる発言、これからどうなるのか?をここでまとめます。


2024年8月、小田原での対面ミーティングで、西和彦氏の発案により「MSX+」「MSX2++」「MSXturboR+」という3つのプラットフォーム構想が誕生しました。
それぞれの主なターゲットは「レトロゲーム」「ペラペラアニメ再生」「ペラペラアニメ編集」とされ、V9958チップが手に入りにくいため、HRA氏にFPGAによる実装を依頼する形でMSX DIYプロジェクトがスタートしました。その後、ラインナップを整理する過程で:

MSX+ → MSX2++に統合

MSX2++(MSX2+の強化版)とMSXturboR+(MSXturboRの強化版)の2本立てに

バージョンのわかりにくさを解消するため、MSX2+ → MSXturboR → MSX2++ → MSXturboR+ の一次元系列に整理

VDP:MSX2++はV9958+(V9958の不満解消機能追加)、MSXturboR+はV9978(V9990機能一部取り込み)

サウンド:当初PSG+SCC+OPLL予定だったが、西氏の強い要望でDCSG + OPL2 + ADPCMに変更

HRA氏はこれらを西氏に逐一確認しながら進め、DEVCONでブロック図を提示し、「ここから作り始めると大きな変更は難しくなる」と明言して実装を開始しました。しかし2026年に入り、特に3月20日〜21日に事態が急変。 WiFi機能の搭載をめぐるやり取りで、西氏が「今から本体内蔵は厳しいのでカートリッジで追加では?」というHRA氏の提案に対し、「何でも否定ですか?」と激昂し、HRA氏を「クビ」と宣言する事態に発展しました。

HRA氏の発言

「一緒に作っているつもりだった」
「レトロゲームターゲットと決めたのも西さん」「WiFiの提案でいきなりクビ」
「常識感からとんでもなく逸脱していてびっくり」

これに対し西氏は同日:

「原さんは西を無視するということです」 
「こちらも原さんを無視することにします」
「こちらの一切のソフトウェアが原さんのハードウェアで走ることはありません」

と返信。両者の協力関係が事実上破綻した形となりました。原因と思われる主な発言・行動の積み重ねとして、あげられるのが西氏の「瞬間湯沸器」スタイルと仕様変更の頻度でしょう。

HRA氏のnote(#37 2026年初 MSX情報の読み方)で繰り返し指摘されているように、西氏はアイデアをX上で即座に公表・議論するスタイル。初期ブレストとしては有効だが、実装フェーズに入ると「ゴールが定まらない」印象を与える。

例:MSX2++に8KビデオやRockchip系を入れようとしたが、HRA氏が「レトロゲームターゲットにアンマッチ」と否定 → 西氏が不快に。

当初はMSX2++ / MSXturboR+ は「レトロゲーム・アニメ」向け、MSX3は「スパコン・AI」など別路線と明確に分離されていた。
しかし西氏がMSX2++にもMSX3向けの先進機能を盛り込もうとしたため、HRA氏が「MSX3向けの話はMSX3で」と何度も線引き。これが「否定ばかり」と受け取られた模様。

WiFi機能の提案が引き金
直近の決定的な発端。HRA氏が「本体内蔵は工数的に厳しいのでカートリッジで」と現実的な代替案を出したところ、西氏が「何でも否定ですか?」と激怒 → 即「クビ」宣言。
HRA氏側は「これまで西さんだけに確認して決めてきた」「対話したかったのに取り付く島もなく」と感じた。

多くのファンが「HRA氏のMSX2++こそが欲しいもの」「互換性重視の現実路線」と支持。西氏の壮大なMSX3構想(RISC-Vメニコア、TaoX Linux、PCIe、車載・宇宙specなど)に対しては「夢は魅力的だが形になるのか?」という懐疑が強かった。

MSX2++ / MSXturboR+ の行方

HRA氏は「一度作ると覚悟を決めた以上、やり切ります」と明言(3月20日ポスト)。
スペックはほぼ固定されており、FPGA実装も設計フェーズを終えつつある。
→ HRA氏単独(または新協力者)で完成させる可能性が高い。
ただし、西氏が「一切のソフトウェアを提供しない」と宣言したため、公式OSやツールのサポートが絶たれる恐れあり。コミュニティの有志によるフォーク版や互換ソフトでカバーされる可能性はあります。

MSX3の行方

西氏は「MSX3はMSX2++が出来てから決める」と過去に発言していたが、今やMSX2++との連携が絶たれた。
→ 西氏単独またはMaxim氏(別ルートのFPGA MSX開発者)など他の協力者で進める形に。
しかし「FPGA版」「エミュ版」「ハードワイヤード版」の3種、RISC-Vメニコア、TaoX Linux、産業・車載・宇宙spec……と構想が膨大すぎるため、資金・人的リソースの壁が極めて高い。
最悪「また発表だけで幻に終わる」パターンも現実味を帯びている。

突如として登場したMSX2.4

MSX2.4とは、2026年3月21日に西和彦氏が突然発表した新プロジェクトの名称です。

https://x.com/i/status/2035284277836001334

最早MSXという名称の次の数字で遊んでいるようにも感じ始めてきました。

これにより、HRA氏が主導してきたMSX2++(およびMSX2#)プロジェクトは公式にキャンセルされ、西氏側はエミュレータベースの新路線(MSX2.4 → 2.5 → 3)へ急転換した形です。なぜ「MSX2.4」という名前なのでしょうか?

MSX2++(実質MSX2の大幅強化版)を「2.++」と位置づけていた従来路線を捨て、2.4という小数点表記で中間ステップを示したということでしょう。

直前のHRA氏の長文ポスト(3月21日)で「MSX2.4ですか?エミュレーターをこれから作られるんですね」と皮肉めいた言及があった直後、西氏が即座にこの名称で発表したため、皮肉に対するカウンターとも受け取られている。西氏は過去に「MSX4は死(し)と発音されるので使わない」と明言しており、2.4は「2の延長線上」でありながら次世代への橋渡しを意図した命名と思われます。

つまり、FPGAベースの本格ハードウェア実装(MSX2++)を放棄し、安価なESP32-P4 + カートリッジ + エミュレータで実現可能な「現実路線」にシフトしたと言えます。

https://x.com/i/status/2035366361808175581

以上のように失望、あきらめ、批判などが多数ポストされました。

また少数派ながら、西氏を擁護している中立派の発言として
「1chipMSXの失敗を学んでいる」
「インターネット時代にMSXを変えるテーマ」など、西氏の過去ポストを引用して理解を示す声も見られます。 

https://x.com/i/status/2035305531284599167

全体として、MSXコミュニティは分裂状態。HRA氏のMSX2++を「本物の新MSX」として支持する声が圧倒的に強く、西氏の新路線(MSX2.4以降)は「また夢物語」「完成しない」と厳しい評価が大勢を占めています。

果たしてMSX2++の運命は

西氏が「キャンセル」と宣言したため、公式には終了。ただしHRA氏が「一度作ると覚悟を決めた以上、やり切ります」と過去に発言しているため、HRA氏単独またはコミュニティ有志でフォーク継続の可能性が高い。ただし西氏が「一切のソフトウェアを提供しない」と宣言しており、公式ツール/OSのサポートが絶たれるリスクあり。

MSX2.4の実現性は

ESP32-P4は低価格・入手容易だが、エミュレータを快適に動かすには性能的に厳しいとの指摘多数。数年単位の開発になりそうで、コミュニティからは「市場価値がなくなる頃に完成する」と冷ややかな声が出ています。

で、結局MSX3は

MSX2.4 → 2.5 → 3というステップアップ構想だが、資金・協力者・モチベーションの壁が極めて高いです。過去のMSX3構想(RISC-Vメニコア、TaoX Linuxなど)がことごとく進展しなかった歴史を考えると、懐疑的な見方が支配的です。

MSX2.4は「MSX2++決裂後の西氏の新提案」ですが、現時点では構想発表段階に過ぎず、コミュニティの多くはHRA氏のMSX2++(またはその派生)を「現実の新MSX」として期待しています。
西氏とHRA氏の決裂が、MSX復活の夢にどれだけ深い影を落とすか——今後の展開が注目されます。

まとめ

結論として、「内輪揉め」は決裂レベルに達し、MSX3の夢は遠のいた、もしくは潰えたと思わざるを得ません。一方で、HRA氏のMSX2++がMSXと名乗れないかもしれないが「現実の新MSX」として残る可能性が高いです。
西氏の理想にも一定部分理解できるところもあるのですが、ファンが本当に求めていたのは「昔のMSXの延長線上で遊べるマシン」だった——というのが、今の空気を象徴していると思います。

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