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アマテラス出てきちゃうのかよw「神の庭付き楠木邸」

皆さんは、今春アニメの中で地味にこの作品↓↓の視聴率がいいことをご存じですか?

「神の庭付き楠木邸」原作:えんじゅ

なんていうかな、こういうビジュアルからして少し前にMAPPAがやってた「とんでもスキルで異世界放浪メシ」とほぼ同じじゃん!と思ったんですよ。

「とんでもスキルで異世界放浪メシ」

・・で、少し見てみたところ、内容もほぼ一緒でしたわ(笑)

いわゆる「なろう」系の典型的ご都合主義というやつで、チカラのある魔物が次々に主人公の眷族になっていくというパターンね。
ただ「放浪メシ」の方は眷族になるのが異世界モンスターであるのに対し、「楠木邸」の方は純和風テイストで神話・伝承的「カミ様」なんですよ。

どうやらこれ、「夏目友人帳」を「なろう」系の文脈に変換した下位互換といったところかと。

だけど、この「楠木邸」というやつ、先日に少し触れたが関東圏62万世帯のTV視聴率を計測したという「レグザデータ」によると、なんとアニメ部門で総合ランキング第4位
「黄泉のツガイ」「本好きの下克上」「Re:ゼロ」といった話題作の順位を上回ってたわけです。

聞けば、これはとりたてて原作小説が強力だったというわけでもないようで(発行部数はせいぜい60万部程度)、純粋に「マーケティングがハマった」と見るべきなんでしょう。

で、その「マーケティング」が意味をなすところは何かというと、

「今、<和>のテイストがキテる!」

「呪術廻戦」
「鬼滅の刃」

というところに他なりません。

で、そういう<和>の本丸となるバトルの方は専門家の集英社にお任せするとして、あれをもっと「なろう」的ユルい文脈に翻訳して、もっとお気楽にやってみようぜ・・というのが「楠木邸」のコンセプトだったと思うわ。

また、そのコンセプトのテキトーさの極みが第5話で、ここでは遂に最高神アマテラスまで出してきちゃいましたからね(笑)。
しかも、ただの引きこもり(天岩戸から出てきてない?)の神として描いている始末・・。

こういう雑なところをOKとする方にのみ、本作の視聴をお薦めします。
ちなみに、私はこういうのも意外と嫌いではありません。
まぁ、アニメーションとしてのクオリティは決して高くないし、そういうのはイヤという人にはお薦めしませんけど。

「楠木邸」の主要キャスト・播磨

で、この「楠木邸」は日常ほのぼの軸の主人公とは別枠でシリアス軸となる「祓い屋」のメンバーがおり、このへんは「夏目友人帳」の構図の踏襲ですな。

「夏目友人帳」の面白さのキモは、全キャストの中で実は夏目こそが最強という構図になってること。
夏目自身はそのことに全く自覚ないし、今のところ、それに気付いてるのは名取ぐらい?
作中では「的場一門」こそ最強という描き方をしてるが、いや、真実はそうじゃない。
夏目レイコの血脈を引いている」「斑(ニャンコ先生)がついている」「友人帳を所有している」という3点を実現してる時点で、正直いうと的場ごときじゃ絶対太刀打ちできない領域に夏目はいるんですよ。

分かりやすくいうと「日本国内で民間人の夏目だけが核兵器を所有してる」的な、イビツな構図である。

ただし夏目は核兵器の扱い方をよく知らんし、また使用するつもりもない。
むしろ、コレ(友人帳)ヤバいシロモノだな~と思い、人知れずその無力化(妖怪に名を返していく作業)に日々努力してるわけだね。

また、こういう「ただの民間人が最強のチカラを所有してる」ことの危うさを前提にしたのは、西尾維新「物語」シリーズも同じであり、実はここだと主人公・阿良々木暦こそが最強である。

えっ?作中では臥煙伊豆湖や忍野メメなど<専門家>のオトナたちの方が圧倒的に格上なのでは?」と思うだろうが、いや、そうじゃない。

この「物語」の中で核兵器級を所有してるのは唯一阿良々木であり、ただ彼にはそれを起動する意思がない(あるいは起動の方法が分からない?)だけで、彼がその気になれば専門家たちだろうと太刀打ちできないのは明らか。
というか、阿良々木自身がもう<ニンゲン>の域じゃないんだよね・・。
なんせ世界最強の怪異・キスショット(忍ちゃん)の眷族なんだから。

で、みんなその核心の部分を意外と忘れがちなんだが、阿良々木はこの後の生涯において、おそらくいつまで経っても死ねない宿命にある。
そういう彼の晩年を思うと、やはり哀しい・・。
いずれ彼は、人界を離れるんじゃないか?
という核心部分を忘れさせるほど、本作はワチャワチャとしたコメディ要素の方を敢えて強めに調律してあるものの、いやいや、その本質ではめっちゃ哀しいプロットなんですよ。

「傷物語」

で、「楠木邸」に話を戻すが、案外この「なろう」作品でもそのデリケートなところにまで設定を踏み込んでて、ご都合主義的にカミの仲間を増やしていく主人公・楠木は「だんだん<ヒト>から外れてきている」と作中で言及されています。
・・あ、そういうところの設定は「なろう」お得意のご都合主義で流さないのね、と少し意外でしたけどw

でも、確かに楠木は

①風神から「風を操作するチカラ」を授かった
②アマテラスから「封じるチカラ」を授かった

ということがあり、それに加えてヤマガミなど高位の神々と日常を過ごしているわけだし、これで彼が普通のニンゲンでいられるわけもなかろう。
ただ、これで彼が人界にいられなくなるというのも、それはそれでお気楽な「なろう」的ではないよな、と思うが。

で、このへんを見ててさ、私はふと思ったんだよね。

「夏目友人帳」の夏目レイコって死んだことになってるけど、彼女はホントに死んでるのか?って・・

夏目レイコ

皆さんもご存じの通り、「夏目友人帳」において不動の最強キャラはレイコであり、彼女の霊力のクラスは的場や名取より遥かに上なのは間違いない。
それに匹敵する可能性を残してるのは、多軌のお祖父ちゃん(故人)ぐらいじゃない?

で、レイコは終始一貫、ず~っと謎の存在のままでして。
彼女は、確か未婚で出産したはずだし、生んだ子の父親が誰なのかすらよく分からん。

夏目が見た夢の中の女性=レイコ?ならば隣りは生んだ子の父親?

なおレイコさんの死については「木の下で亡くなっていた」と語られたのみで、その詳細は全く不明。

・・いやね、そもそも比類なき最強の夏目レイコが、そうあっさり死ぬのがおかしくないですか?
ならば、やはり一番可能性高いのは「何らかの目的のある自死」だと思うし、それはヒトからカミになった、と見るべきじゃないでしょうか・・?

つまり「夏目友人帳」にせよ、「物語」シリーズにせよ、あるいは今回の「楠木邸」にせよ、長く「ヒトならざるもの」と関わってると、いずれその者もまたヒトでいられなくなってしまう、そして人界にとどまれなくなってしまう・・というのは、このてのファンタジーにおける一種のセオリーとも思えてきたわ。

・・ただ、何はともあれ、こういう和風テイストのファンタジーがここ最近増えてきたのは、個人的にめっちゃ嬉しい。
「黄泉のツガイ」しかり「春夏秋冬代行者」しかり「MAO」しかり。
いわゆる<神道>系というやつ。

<神道>

神道というのは、もはや宗教であるかもどうかも分からんシロモノであり、仮に宗教であるならその教義は何?と問えば、特にそれは無いという。
・・じゃ、宗教じゃねーじゃん(笑)!
というツッコミはひとまず置いとくとして、神道がやることはただひたすら穢れを祓うこと(禊)、ただそれだけである。

そもそも、<穢れ>とは何なのか?

これは非常に大事なポイントであり、日本人ならこれを是非理解しておいてね。

皆さんもアマテラス・ツクヨミ・スサノオは知ってるでしょ?
特にアマテラスは先ほども出てきた最高神だし。

じゃ、アマテラスの親は誰なのかを知ってますか?と問うと、多くの人が「イザナギとイザナミ」と答えてしまう・・。
でも、それは不正解である。
日本人なら、もっと古事記を読んでほしい。

アマテラス・ツクヨミ・スサノオを生んだのはイザナギ(男神)であって、イザナミ(女神)は出産に関与してないんだ!


つまりイザナミを「母」と定義するのはおかしい(まぁ百歩譲って「義母」だろ)。

で、ここでポイントなのが、イザナギが黄泉の世界で体に付着した<穢れ>を祓った(泉で清めた)結果として、上記の三神が自身の身体から生まれたという事実。
つまり、こういう言い方はあれだが、

ぶっちゃけ、アマテラスたち三神の「核」は、<穢れ>なのさw

私、これ非常に大事なポイントだと思う。
なぜって、こういう宗教観は世界でも極めて稀だし。

<穢れ>

・祓い清めれば、神となる
・祓い清めなけば怪異(妖怪、鬼など)となる

このへん、キリスト教・イスラム教など一神教の神⇔悪魔の概念と根本的に違うんですよ。

ちなみに、<穢れ>の概念そのものは世界の各宗教にあるわけだが、それらの最古とされるのがユダヤ教らしく、中東(ユダヤ教)➾インド(バラモン教)➾中国(仏教)⇒日本、という経路でその<穢れ>の思想が6世紀頃に我が国にも輸入された流れらしいが、ここで興味深いのは

我が国では6世紀仏教伝来を待つまでもなく、既に<穢れ>思想は縄文時代から土着の宗教(神道)がきっちり体系を持っていたそうでw

これ、ホントに不思議。
こんな「未開の島」で、文明先進国インドや中国より先に<穢れ>の体系を構築してたという縄文人、および、その土着宗教「神道」って一体何モノ?と思うよね。
そしてここを突き詰めていくと、あるいは日ユ同祖論に繋がっていく可能性も・・?

ちなみにだが、このアニメ「楠木邸」は海外だと「Kusunoki's Garden of Gods」というタイトルで配信されてるらしい。
「Gods」だよ、「Gods」(笑)。
こういうアニメ、おそらく外国人から見るとめっちゃ新鮮でWow!というワンダーな世界観だと思う。


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