私の半生 ― 社会人3.5年、衝撃的な面接。再び
私は中国で失敗した。
転職先を辞めて帰国した。
希望を抱いて渡った中国だったが、
失望とともに帰国した。
当時の私は、
自分自身をかなり低く評価していた。
しかし、
その後出会った人たちや、
家電量販店でのアルバイト経験によって、
気持ちは少しずつ落ち着きを取り戻していた。
これは、今から30年くらい前の話である。
そして私は、
当時少しずつ勢いを増していた
エンジニア派遣会社へ応募することにした。
履歴書を作成する。
25歳にして転職三社目。
履歴書には二つの会社名が並ぶ。
当時の私は、それを少し後ろめたく感じていた。
「短期間で転職を繰り返した人間だ」
と思われるだろう。
そういう思い込みがあった。
しかし、それを補うのが職務経歴書だった。
なぜ中国へ行きたかったのか。
中国で何を経験したのか。
なぜ失敗したのか。
帰国前に中国を放浪し、考えたこと。
帰国後のアルバイトでも学んだこと。
そして、これからも
世界と日本の架け橋になるような
仕事をしたいこと。
そんな思いを、自分なりに正直に書いた。
そう、まだ私の心の中では
「海外で仕事をしたい」
という夢は消えていなかった。
面接当日。
中国では営業も経験していた。
そのおかげで、
まったく緊張はしなかった。
面接官は所長だった。
私の話に強い興味を示してくれた。
「それで、それで、その後どうなったの?」
質問が次々と飛んでくる。
気が付けば一時間近く話していたと思う。
そして最後に所長は言った。
「君のような人材を求めていたんだ。ぜひうちに来てほしい」
私は驚いた。
以前、
新卒で入社した最初の会社の面接でも、
似たような言葉を聞いたことがあった。
所長によると、
当時の派遣業界は急成長期だった。
しかし、本当に優秀な技術者は一握り。
一方で、
仕事が長続きせず流れてくる人も
多かったという。
だからこそ、
まず何よりも熱意があること。
そして、経験はその次。
そういうこと重視していたらしい。
そして彼は言った。
「海外勤務経験のある派遣社員なんて、
なかなかいないんだよ」
私にとって、その言葉は衝撃だった。
中国での失敗。
転職。
途中で挫折した経験。
私はそれらを、自分のマイナス点だと思っていた。
しかし、相手から見ると違った。
挑戦した経験として映っていたのだ。
技術はこれから身に付ければいい。
そう言ってもらえた。
そして私は入社した。
この面接は、
私にとって大きな転機になった。
私はすっかり自信を取り戻した。
中途半端でマイナス評価になる
と思っていた海外勤務や転職経験が、
きちんと評価された。
失敗にも意味があった。
そのことが本当に嬉しかった。
そして、
海外経験が長いという理由で、
私は、
運命的な企業へ派遣されることになった。
(つづく)
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