読書記録⑲雑記
拙noteを読んでくださった知り合いの方から、「どれくらいの本を買ってどれくらい読んでいるのか?」
という質問をいただいたので、改めて意識したことなかったが、自身の振り返りも含めて、今回は4、5月に買った本や読んだ本についてざっと記したい。
図書館で借りたり、電子書籍の購入はしていないので純粋に買った紙の本、読んだ紙の本の記録となる。
いきなりブチ切れるけど、図書館の読書通帳というシステムがある。通帳のような冊子に借りた本のタイトルが記帳できるというもので、いろいろ賛否両論はあるが、まぁ借りたものの忘備録として欲しいという人もあるだろうからそこまでは我慢する。
しかしシステムによってはその借りた本の値段が記録されるそうで、えっそれ記録する情報なの?って思う。本の価値は値段じゃないし、子どもたちの無用な競争になりそうな数値記してどうするの?
なのでここでも金額は伏せます。どれくらいの額かは興味あったら検索してください。
改めて購入した本の総額って考えたこともないけど、新車のレクサスとか余裕で買えただろうし、音楽のCDもかれこれ何千枚って買ってきたから、それ合わせれば家が建つかも。
読書とか音楽聴くのが趣味って言って金かからなくていいねなどと返す人は地獄に落ちるがよい。いや、地獄に堕ちた本の亡者は俺だが。
話を戻して、最近では本の購入は8割程度が通販なので、メール履歴を見ればだいたい確認できるのです。
で、メールフォルダ見て思い出したが、3月末に
星野之宣『宗像教授世界篇』の最新8巻を購入して読み、4月頭ごろに、すでに購入済みであった①『宗像教授伝奇考』、②『同異考録』(いずれもビッグコミックスペシャル)+世界篇既刊計30冊を読み直した。
そこから③諸星大二郎「妖怪ハンターシリーズ」に関心が移り、手持ちの5冊くらいを読見直して、前回の「読書記録⑱」への流れだったと思う。
そういえば『〜世界篇』と同時に購入した新井素子④『今はもういないあたしへ…』(中公文庫)をやはり4月頭くらいに読み終えてモヤモヤし、それを読書記録で取り上げようかとも思ったが、この新井素子作品を読むたびに感じるモヤモヤがうまく言い表せないので、それはまたいずれ。
4/1⑤松本次郎『beautiful place 4』、⑥「別冊ele-king J-PUNK/NEW WAVE-革命の記憶」購入&読了。
⑤は近未来の内戦下の日本。主に女子校のみで形成されている、完全独立した武装自治組織・全女子高群武装自治会連合に所属する少女たちとその活躍を描く物語。松本治郎の描く機械と武装、女の子のアクションがたまらないです。
⑥は宮藤官九郎脚本、田口トモロヲ監督による映画「ストリート・キングダム」の公開に合わせ編集された、70年代末の東京ロッカーズシーンを特集した雑誌。
個人的には80年代のナゴム、トランス、キャプテンレコードといったインディーズブーム世代なので、東京ロッカーズについては一世代前。
しかし勉強以外には熱心な子たったので、その80年代アーティストが好きだったバンド等を調べていくうちに遡ってこの辺りを聴いたのと、また「ストリート〜」の原案者にあたる地引雄一の書籍も好きだったことから、大変懐かしく楽しめた。
本誌でも取り上げられてたけど、好きなミュージシャンが選ぶ5枚的なものから多くを得たのよね。
4/14⑦椎橋幸夫『蚕の神々』(国書刊行会)、⑧日下三蔵編『文豪×ミステリー傑作集 全4巻』(汐文社)を書店で注文、購入。
⑦は写真集。実は石像巡りを隠れた趣味としており、そのなかでも御嶽信仰と、養蚕の神である絹笠様に強く関心があるため、購入。この先、機会があったら見に行きたいものに付箋貼りまくり。蚕の神様は美しい女神なのです。
⑧は日下三蔵という稀代の書評家、編集者による児童向けのミステリーアンソロジー。児童向けではあるが、オリジナル(原文)のまま掲載されており、ルビ&細かな註釈付き。
1巻の「疑惑」だけをとっても星新一、芥川龍之介、佐藤春夫、江戸川乱歩、筒井康隆、大岡昇平、山川方夫等々の秀作が収められており、大人が読んでも楽しめます。まだ一巻しか読んでません。

4/15⑨地球のお魚ぽんちゃん「サボり先輩」(リュエルコミックス)購入、読了。
実写ドラマに続いて今シーズンアニメ化もされている「霧尾ファンクラブ」の作者による4コマ漫画。本作もぽんちゃん先生のギャグセンスが高く、ツッコミ不在で繰り広げられるボケの連鎖が素晴らしい。
4/17⑩あむ『澱の中⑤』(ヤングマガジンコミックス)。Twitterのおすすめで流れてきて試し読みして面白かったのでコミックスを購入した作品の最終巻。
「五味次郎、29歳童貞、弱者男性。昼間は勤続9年の職場で気の合う同僚とオタクトークに花を咲かせ、夜は同人のエロ絵を描いてオナニーする。次郎にとってセックスとは画面の中の出来事だった。しかし、コンフォートゾーンだった職場に、黒髪ロング眼鏡巨乳の新入社員・夢空黒子がやってきてから、次郎の生活は一変してしまう─。恋に落ちるのは一瞬。踏み外すのも、一瞬。弱男の罪と性愛の物語」
恋に落ちた相手、黒子が実はメンヘラで既婚者で夫もサイコだったことからドロドロの展開となっていくまでは良かったが、ラストは個人的にはイマイチでした。
4/26⑪諸星大二郎『孔子暗黒伝』(集英社文庫)、同⑫「妖怪ハンター 地の巻(集英社文庫) 。
これはさっきの「読書記録⑱」のため購入した「地の巻」(幻の未収録作品が入ってる)と、久々に読み直したくなった「孔子〜」。マンガ文庫は字が小さくて老眼には辛い。
「孔子〜」読むの何十年ぶりだったけど、諸星の代表作の一つ「暗黒神話」に繋がっていたとは当時は思わなかった。
日にちは忘れたが、この頃、書店店頭で⑬スティーブン・キング『ロングウォーク』(扶桑社ミステリー文庫)、⑭青柳健二『全国の猫神様をめぐる』(青弓社)購入。
⑬は日本一ジャック・ケッチャムが好きな編集者みきどんさんがツイッターでおすすめしていた本。
みきどんさんのことはこちらの回をご参照ください。
キングが若い頃、別名義リチャード・バックマンとして刊行し、自身、初めて書いた小説とのこと。
キングに関しては若い頃「ガンスリンガー(ダークタワー)シリーズ」を読み始めたものの、続きがなかなか出ずに挫折して以来の購入かも。たしか角川から出た2巻まで読んで忘れ去った。その後出た新潮文庫からの完全版も買ったが、改めて読む気力がなく処分してしまった。
⑬「ロング〜」は近未来のアメリカで、「歩くか?死か?」というデスゲーム競技に出場する100人の少年たちの青春小説。細かな競技ルールが説明されぬままいきなり始まる疾走感がすごい。
決められたゴールはなく、最後の一人になるまで道を歩き続けるディストピアアメリカでの国民的な一大イベント。
ドローン的な装置(書かれたの70年代だからそんなもんなかったけど)で監視され、歩行スピードが落ち3回以上警告を受けたら随行する兵士に射殺されるという。
歩いているなかで友情が芽生えても、死が二人を分かつことがあらかじめ定められているという非情な物語。
キングの最高傑作に挙げる人も多いらしいが、個人的には登場人物たちに入り込めずいまいちでした。海外作品あまり読まない方だけど、ケッチャムの人間描写の方が好きでした。
⑭はさっきの石像巡りにも関連した一冊で、猫はカイコの天敵であるネズミを駆除してくれるので養蚕と猫信仰は結びついている。群馬は養蚕が盛んだった割に猫の石像って無いんだよね。いつか探し当てたい。

5/21⑮朝松健『邪神帝国』、⑯黒田硫黄『船頭安五郎①』(リイド社)購入。
⑮「邪神〜」はアマゾンの買い物かごにずっと入りっぱなしだったので今回あわせて購入したが、まだ第1話のみしか読んでいない。ナチス✕クトゥルーみたいな話(短篇集)だと思う。朝松健は何冊か読んでて、ホラーにせよ、クトゥルー、時代伝奇いずれもいまいち自分とは合わない気がしているがそれでも懲りずに買う。
⑯は黒田硫黄の江戸時代を舞台にした船頭マンガ。読了。いつもこの人の作品主題はすごいなあと思う。そして黒田作品に割と登場する無能な脇役が好き。
5/22⑰澤村伊智『ととはり屋敷』(角川ホラー文庫) 、⑱三津田信三他『七人怪談』 (同)、⑲伊藤一角『8月31日のロングサマー(12)』(モーニングコミック)、購入&読了。
⑰「ととはり〜」は、比嘉姉妹という霊能力をもつ姉妹が主人公のホラーシリーズ。短篇集。最強の霊能者・比嘉琴子には6人の弟妹がいたにも関わらず、今や琴子と真琴2人だけの姉妹となってしまったその理由が明かされる過去譚。
短篇集なので、それぞれの話で明らかに死ぬことが分かっている弟や妹たちの活躍が切なく、また儚い家族関係の描写が泣かせる。これ読んだあと片岡一馬✕近藤人生コミックス版「比嘉姉妹」全3冊も再読した。
⑱は三津田信三が自分の好きな作家6人にお題を与えて怪談話を書かせ、自身の作品も収録したアンソロジー。参加したのは加門七海、菊地秀行、澤村伊智、霜島ケイ、名梁和泉、福澤徹三。
角川ホラー文庫のアンソロジーは好きで、そこでいろいろな作家を知り、その人の作品を読もうというきっかけになっている。
先月亡くなった「リング」シリーズの鈴木光司でさえ、話題になった当時は読んだことなく、アンソロジーで短篇「浮遊する水」(「仄暗い水の底から」のタイトルで黒木瞳主演で映画化された)を読み、この3月くらいに初めて「リング」シリーズを手に取った。
ただ「リング」は面白かったが、それに医学的な後付け設定を加えた「らせん」はいまいち。その続編「ループ」は、それまでの作品世界が実は!というWikipedia情報を見てもう勘弁してくださいって感じで未購入。シリーズ外伝「バースデイ」は良かったです、高野舞が好きなので、まさかこんな最期を迎えるとは。
「七人〜」については読んだことない作家も収録されていたので楽しみにしていたが、全般にホラーなのに怖さがイマイチでちょっとがっかり。でも菊地秀行の怪談時代作品はイヤな感じが良かった。菊地のその手の作品集めた「幽剣抄」欲しいと思ったけど、絶版。
いまに限った話ではないけれども、最近とくに紙媒体フィジカル出版が危機的状況にあるようで、初版数が少なくて本屋に売っていなかったり、シリーズ物は最初の売れ行きによっては電子のみで続刊となったり、また文庫の1,000円超えが当たり前になったり。
この間一部で話題になったハヤカワ文庫のギブスンの新版『ニューロマンサー』ほかに至っては2,000円超え!
円安云々で海外作家だからとかなら分かるが、日本人作家でも1,500円超。
紙が売れないから少部数発行、儲けを出すために値段が高くなるっていうのは、心情的に分かるけど、泥舟だなぁ。
⑲はマンガ。
「何度も繰り返す8月31日の中で出会った高校生の二人・鈴木くんと高木さん。記憶を繰り越せるのは二人だけ。タイムループの原因として考えられるのは、鈴木くんが夏休みにやり残した、男子最大の目標…。恋と真っ向から対峙する、青春タイムループコメディ!」
たしか吉田豪や南波一海が絶賛していたので読み始めて、コマのコピペとか、ギャグセンスとかキャラクターの可愛さが好きなんだけど、物語が長くなりすぎていると思う。
⑳『筒井康隆、九十歳のあとさき〜老耄美食日記』(新潮社)は、この頃、書店で買った。まだ未読。
筒井康隆の日記ものが好きでずっと読んできたが、さすがにこれが最後かなぁ。それにしてもまさか筒井康隆がこんな長生きして毒と悪意を吐き続けるとは。良い時代だったな。
それと3月に新刊が出たのと、4月からアニメが始まったのに合わせて、㉑荒川弘『黄泉のツガイ』既刊読み直し。こちらは家族が買っているシリーズ。
荒川弘はこれしか読んだことないけど、いつも作品がアニメ化されててすごいな。そして今も「アルスラーン戦記」とこれを平行連載しているし。絵もキャラ設定も上手。
㉒特殊書店BiblioMania通販で購入した大久保潤編集ZINE「NOIZ NOIZ NOIZ#6」(語ぶるい舎)Female Electronic Underground特集。
Twitterで見かけ、好きなアーティストZIGUEZOYインタビューが載っているのとサインも付くので買いました。インタビュー珍しいので改めていろいろと知ることができました。
ZIGUEZOYさんは可愛くて、怖くて、音が不穏でとても良いのでぜひ聴いてみてください。

これ以外で、持ち歩いて時間がある時に継続して読み続け(ようとし)ているのが、
㉓白井喬二/曲亭馬琴『南総里見八犬伝 上』(ちくま文庫)、㉔小松左京『首都消失 上』(ハルキ文庫)、㉕上野瞭『ちょんまげ手まり歌』(中公文庫)等々。
㉓は、昨年、平岩弓枝『椿説弓張月』読んで、改めて馬琴良いなぁと大昔買ったものを読み始める。「里見〜」は児童向け文学全集の栗本薫版(子ども向けだが佐伯俊男が絵を担当していた!)や、山田風太郎の「八犬傳」等読んであらすじは知っているんだけど、白井喬二の文体にいつも手こずるのでなかなか思うように読み進めない。
昔買った
㉔は年明けくらいに小松の未完の大作『虚無回廊』を読み終え、実写映画化されたもののあまり評判良くなかったためなんとなくずっと敬遠していた「さよならジュピター」やこれを購入し、そのまま未読になっています。
一番好きな長篇は「果しなき流れの果に」、短篇は「ゴルディアスの結び目」、「秘密(タブ)」です。
㉕は中公文庫から出ている「トラウマ児童文学」復刊シリーズの一冊。さすがに大人なので恐怖で眠れなくなるとかないけど、途中まで読んでいる限りではイヤな内容。
自分が子どものころ(小学校低学年まで)読んでトラウマになった作品ってなんだろう。
マンガなら日野日出志の「サブの町」や「漂流教室」の女番長エピソード、永井豪の短篇「ススムちゃんショック」とそのバリエーションであるデビルマンのタレちゃんの友だちが殺される話、ジンメンの女の子とか。
あとたまたま買ってもらった「天才バカボン」(マンガ)が、人が死ぬ(パパに殺される)エピソード満載だったのもショックだったかも。腕の先輩、目ん玉つながりの息子、炎の中は涼しい後輩、池に沈んだままのパパ、枝豆中毒等々かな。
結構皆さん同じように感じているらしく、このサイトにまとめられていました。
物語だと童話が好きだったので「瓜子姫と天邪鬼」(瓜子姫という名前が怖いのと姫なのに殺されて爺婆に食われた!)、小泉八雲の「ろくろ首」(首の断面にマークがついているのが怖い)、「茶碗の中」(飲み干すのとオチがないのが最高にイヤ)、アンデルセンの「赤い靴」(足切るの?)や「マッチ売りの少女」(救われないの?)、イソップ伝記でイソップが最後、民衆に崖から投げ落とされるところかな。
トラウマというか多元宇宙ものや物語が入れ子状になっているものに弱くて、読んでいると自分が今いるこの世界は現実か?という根源的的な恐怖感にとらわれることが多々ある。
この目の前にいる親は、本物の自分を産み育ててくれた親なのか?「未視感」ともちょっと違う、地に足がつかない、座っていてもお尻がフワフワ、ソワソワする感じ。
フレドリック・ブラウンの「発狂した宇宙」の解説で筒井康隆がそのような旨を書いていたと思う。
その最初の体験は中学校の頃図書館で借りた筒井が編んだアンソロジー「日本SFベスト集成」の中の一篇だったが、作品名は失念してしまった。
「発狂した〜」のほか、筒井のジュブナイルや、ハインラインの「ヨブ」でも同じ経験をしたし、また物語が入れ子構造(物語内で物語が語られる)になっている夢野久作の童話「白髪小僧」に至っては、読んでいるうちに現実が消失し、途中で怖くなって読むのをやめたほどである。
自分の子どもは12歳になったが、もっとイヤな本読んでイヤな大人になって欲しいと思うけど、冒険心がないのよね、今どきの子どもは。
趣味の押し付けや否定はしないようにしているので、親の本棚の本読むぶんには構わないけど、これ読めあれ読めとは言いません。
こうして振り返ってみると意外と買った本すぐに読んでるなっていうのと、マンガを大量に読んでいるなという印象。文庫は割とすぐに読んでるし、マンガに関しては既購入済みや家族が買った本の読み直し含めて、2か月で50冊くらい。
人生残り少ないのでなるべく多くの購入後未読の蔵書を減らしていきたいものだけど、既読のもの読み直したりすることが多くてなかなか減らすことができないのが嬉しいやら哀しいやら。
香山滋も国枝史郎も海野十三も全集がほとんど手つかず。
あと、冒頭の拙noteを読んだ知り合いは当然実在しないイマジナリーな存在です。現実の知り合いにnoteやSNSアカウントなんて絶対教えないし、知られたらブロック、あるいは全消しするので。
ま、こんな感じで読んだ本の中から厳選して読書記録として記しているというお話でした。

