育休期間はブランクではない!素晴らしい親の成長期間
「育休を取ると、仕事で遅れを取ってしまうのではないか。」
男性育休が少しずつ当たり前になってきた今でも、そんな不安の声を耳にすることがあります。
「同僚は毎日仕事をしてスキルアップしているのに、自分だけブランクができるのでは?」
「職場復帰したとき、浦島太郎状態になってしまわないだろうか。」
そんな気持ちになるのは、十分理解できます。
たしかに、数か月から1年ほど職場を離れれば、会社の状況や業務の進め方は変わっているでしょう。
でも私は、育休は決して「仕事のブランク」ではないと思っています。
むしろ、社会人として、人として、大きく成長できる貴重な期間だと思っています。
育児は、人生で最も難しい仕事かもしれない
育休中は会社の仕事から離れます。
しかし、その代わりに待っているのは「育児」という、これまで経験したことのない仕事です。
相手は言葉を話せない赤ちゃん。
泣く理由も分からない。
何をしてほしいのかも教えてくれない。
それでも毎日、「どうしたのかな」「何を求めているのかな」と考え続けます。この積み重ねは、自然と
・観察力
・推察力
・コミュニケーション力
を鍛えてくれます。
これは、どんな仕事でも必要とされる力ではないでしょうか。
育児で身につくのは、仕事にも役立つスキルばかり
育児を経験した人が職場に戻ると、周囲からこんなことを言われることがあります。
「なんだか人間的に丸くなったね。」
「前より優しくなったね。」
その人の性格が変わったわけではありません。
育児を通して、相手の立場を想像し、気持ちを考える習慣が身についたからです。
それは、そのまま仕事を進める上でのコミュニケーションにも生かされます。
さらに育児では、
・次に何が必要になるかを考える「段取り力」
・限られた時間で動く「タイムマネジメント力」
・子どもの安全を守るための「リスク管理能力」
など、多くのビジネススキルが自然と磨かれていきます。
会社の研修では学べない実践力を、毎日の生活の中で自然と身につけているのです。
育児は「予定どおり」がほとんどない
育児は毎日が想定外の連続です。
・やっと寝たと思ったらすぐ起きる。
・出かけようとした瞬間にオムツ替え。
・準備が終わったと思ったら突然の発熱。
計画どおりに進む日は、ほとんどありません。
だからこそ、その場その場で判断し、優先順位を変えながら対応する力が鍛えられます。
実際に育休が終わって職場に復帰した男性から、
「会社の仕事のほうが、よっぽど楽だよ!」
という声を聞くことも少なくありません。
それほど育児は、責任が重い判断の連続なのです。
育休は「育児就業」という考え方
育休期間は、決して人生のブランクではありません。
親として、そして一人の人間として成長する期間です。
もちろん職場復帰直後は、業務の変化に戸惑うこともあるでしょう。
しかし、仕事の感覚は時間とともに取り戻せます。
一方で、育児を通して身についた力は、その後もずっと自分の財産になります。
私は、育児休業を「育児就業」だと考えています。
たしかに会社の仕事は休んでいるけど、「育児という別の仕事」に就いている期間。
言い換えれば、「育児を行う別の会社へ出向している」と考えるのです。
半年や1年の育休も、出向期間と考えれば、決して長い期間ではありません。
そして、その出向から戻ってきた人は、以前よりも広い視野と深い人間力を身につけているはずです。
だからこそ、育休を取る本人だけでなく、上司や同僚も、「仕事を休んでいる人」ではなく、「育児という現場で経験を積んでいる人」という見方をしてほしいと思います。
育休は、キャリアを止める期間ではありません。
人生で最も濃密な学びを経験し、人として一回り成長して職場へ戻ってくる。
私は、そんな期間だと考えています。
