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幼なじみの咲月#13【天使の線引き】

やっぱりな・・・

想像通りの光景に車内で溜息をつく。

自分の家の前で、ぴょんぴょん跳ねながらブンブン両手を振るさつき。

路肩に車を停めて降りると、子犬みたいに寄ってきて目の前に立つ。

咲:おはよっ、〇〇

〇:おはよう、さつき。いつも言ってるけど、家の中で待っててくれよ

咲:うん、分かった!

気持ちのいい返事だ。絶対分かってないんだけど。


〇:じゃあ、乗って

助手席にまわってドアを開く。

咲:ありがと

ん?

車に乗らないで体をもじもじさせるさつき。

ああ・・・あれか。

〇:えっと、今回のテストもよく頑張ったな

赤点回避のご褒美に、いつものように頭を撫でる。

咲:ふへへへ

ふにゃふにゃと笑うさつきを確認してから、手を離す。


〇:はい、終わり

咲:むぅー

短いじゃん!と顔が言っている。

〇:後でな、オレん家でまたやるから;;;

咲:ふへへへ

それなら分かった!と顔が言っている。


大人しく車に乗るかと思ったら、ぎゅっと抱きついてくる。

こういう時はおとなしくしておいた方が早く終わると分かっている。

ひとしきり巻き付いた後に、強めに腹を数回撫でられる。

咲:ふふふ///

どうやら満足したようだ。

〇:じゃあ乗って

咲:はーい






ーーーーーー

ーーーーーー

咲:あ、いたいた!

前回と同じショッピングモールで、二人の姿を見つけるなり駆け寄っていく。


五:どもー

奥:〇〇さん、ご無沙汰してます

〇:まおちゃん、いろはちゃん、久しぶり

数か月ぶりに会う二人は相変わらず可愛い。

まおちゃんのモデル体型っぷりも、いろはちゃんの天使のような笑顔も健在だ。


五:んぅー?

〇:えっ、どしたの?

近寄って値踏みするように顔を覗き込まれる。

五:なんか〇〇さん、雰囲気変わった?

奥:あっ、いろはも思いました!

〇:そう?

咲:この前会った時より、髪けっこう伸びたよね

〇:ああ、さつきが伸ばせばって言ったから

咲:ふへへへ////

五:なんや、いきなり惚気全開やな

〇:いや、そういうんじゃないけど;;

奥:ふふふ、〇〇さん優しいですね



五:ところで〇〇さん。私らも赤点とらんかったけど?

奥:はい、頑張りました!

〇:え、うん。頑張ったね

・・・・・・

・・・・・・

あれ?

まさかと思うけど・・・


五:ご褒美、もらえるんよな?


やっぱり・・・・

いろはちゃんもキラキラした眼でこちらを見ている。

〇:うん、だからご褒美の焼肉を・・・

五:んぅー?それだけやったっけ?

まおちゃんが頭をすっと差し出してくる。

えっと;;;

戸惑っていると、いろはちゃんの頭がすっと並ぶ。

まじか・・・

さすがにこれは不可避だ。

せめて一発で決めよう。

ふうぅー

覚悟をきめてから静かに長く息を吐く。


〇:まおちゃん

五:はぇっ;;

〇:いろはちゃん

奥:ひゃっぁ;;

〇:ふたりともよく頑張ったね。偉いね

左手でまおちゃんの艶のある黒髪を

右手でいろはちゃんの柔らかく香る髪を

ゆっくりと触れて、感触を思い出させるように撫でる。

・・・・・・

・・・・・・

こんなもんでいいだろうか。

〇:えっと・・・これでいい?

五:え、ああ;;また40点やな、うん;;40点

奥:ありがとうございましたぁっ!!次もお願いしますっ!

・・・とりあえず満足してくれたらしい。


〇:じゃあ、焼肉行こうか

一息ついたところで、テテテっと肩をたたかれる。

咲:次、わたしわたしっ!

〇:さつきはさっきやっただろ;;

咲:足んない足んない!

〇:分かったよ;;

〇:・・・・はい、終わり。あとは家でな

咲:ふへへへ、はーい





久しぶりの美女撫で比べ大会を無事に終え、ようやく焼肉屋に入る。

相変わらず、二人といる時のさつきは楽しそうでオレも嬉しくなる。

奥:すいません。またみんなでご馳走になっちゃって

〇:ううん。オレも楽しみにしてたし、遠慮も我慢もしないでいっぱい食べてね

奥:ありがとうございます!

五:我慢っていえば、卒業まで我慢できなかったんやなあ

〇:え?

五:二人見てたら分かるわ。なんか雰囲気がもうしっかり恋人の感じやもん。いろはも分かったやろ?

奥:え;ああ////そうだね。いろいろあったのかなって///あ、さっちゃんから聞いたわけじゃないですよ、〇〇さん;;

咲:えぇぇぇ、二人ともすご!分かっちゃうんだ!

〇:おい、さつき;;

咲:私が我慢できなかったんだよね////ちょうどこの前二人とご飯食べた日。もう好きが爆発しちゃって、〇〇の家で////


五:そ、そうなんや////まあ、〇〇さんからって事はなさそうやったからな

咲:あ、でも1回だけだし、本番前のリハーサルだから////

〇:ちょ、待てって;;;

五:リハーサルって;;めちゃめちゃ本番してるやろ、それ////

奥:あわわわ;;;

ダメだ。何言っても止まんないぞ、これ・・・

咲:それが最後の最後でねー

五:え、なになに?〇〇さん、なんか失敗したん?

身を乗り出してくるまおちゃん。

慌てつつも興味津々の眼で見てくるいろはちゃん。


咲:いや、失敗したのは私。アレ持ってなかったんだよね

五:アレ?あああ////避妊的なアレ?

奥:ああわわわ;;;

咲:そうそう、レディの嗜みとして持ってるべきだったよね。あったら最後までいけそうだったのに、惜しかったぁー

〇:さつき、もう黙って;;

五:そんなん、〇〇さん持ってたやろ絶対!卒業してからやる気満々だったんやから

やるき満々って・・・まおちゃん・・・

咲:それがね、あったら我慢できなそうだったから持ってなかったんだって、逆に。カワイイでしょ〇〇って////

咲:さすがに無いとダメってなって。私がガンダで買ってくるって言ったんだけどねー

・・・全部説明しちゃうのね


五:はー、〇〇さんどんだけ真面目やねん。ちゃんと愛してあげたらいいやん!

奥:ちょっと;;まお!

五:いろはもそう思うやろ?それとも我慢した方がいいと思ってんの?

・・・・・・

・・・・・・

奥:私も・・・我慢はしないでいいと思う。二人は好き同士なんだし

奥:でもそれは〇〇さんとさっちゃんが二人で決める事でしょ。私達が口を出すのは違うと思う

まおちゃんをしっかり見据えて言う。



奥:さっちゃんもだよ

咲:え?

奥:私たちに全部言わないでいいんだよ。二人だけの秘密の方がいい事もあるでしょ


いろはちゃん・・・・

しっかりしてて優しくて、本当に天使みたいだ。


咲:うん・・・ごめん、〇〇

五:私もちょっと調子のってたわ。ごめんなさい

天使の言葉は二人にしっかり届いたらしい。

恥ずかしい気持ちしかないが、我慢してるのもさせてるのも、そもそもオレの勝手だ。

〇:いや、オレは大丈夫だから。とりあえずこの話はこれで終わりってことで;;


咲:うん分かった。ちゃんと卒業まで我慢するからね




〇:ああ・・・だから終わりで;;;

咲:うん分かった!

気持ちのいい返事だ。しかし・・・

咲:リハーサルで裸は見れたし、いつもちょっと触らせてくれるもんね

〇:おい;;;

全然分かってない・・・


五:へ、へえぇえ・・エロイやん 

奥:は、裸っ///

咲:うん、〇〇の裸!


3人の眼が一斉にオレに向く。

なんか眼が怖い。

肉食動物に睨まれた獲物の気分だ。



咲:〇〇ってすごい可愛い系じゃん

五:そうやな、分かる

分かるって;;オレ5つ年上なんだけど・・・

咲:でも脱ぐとすごく男って感じで

咲:腕とか背中とか筋肉すっごいキレイについてるの

五:え、そうなん?見たい見たい!

奥:ちょっと、まお;;;

咲:あとね・・・腹筋がヤバい

五:腹筋///!!

咲:いつもちょっと触らせてもらってる///

五:見たい見たい!

〇:いやいや;;そんなの見せるもんじゃないでしょ

五:いいやん、減るもんやないし

奥:ちょっと、まお!さすがにダメだよ。そういうのは!



いろはちゃん、ありがとう。

ほんと助かります。

天使のおかげでなんとか危機は回避できそうだ。


奥:〇〇さんに触っていいのはさっちゃんだけでしょ!ねえ、さっちゃん

咲:んー、二人にはちょっと体験してもらいたいかも


あれ?なんかこの展開って・・・


咲:ほんっとにヤバイから!

咲:見るだけじゃなくて、触ってみてほしい

〇:さつき;;なに言ってんだよ!


いろはちゃん、助けて!


縋るような気持ちで目線を向けると、


今日一のキラキラ笑顔。





奥:さっちゃんがいいなら、私も触りますねっ!!


そうだった、この子。

こういうタイプの天使だった・・・




【終わり】


読んでいただいてありがとうございます。
久しぶりのさつまいろで書いてみました。
感想もらえたら嬉しいです!よろしくお願いします!

ありがとうございましたー!



さつまいろ登場回
8〜10




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