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「タイタンの妖女」は色んな意味で交響曲【オーディブル・レビュー】

noter仲間のかなでさんから教えてもらった、ニューヨークタイムズが発信している読書企画『サマーリーディング2026』。今回はこちらの
5)Read a classic you've been meaning to read (or revisit)
 → いつか読もうと思っていた古典を読む(再読でもOK)
で、選んだ本である。

アメリカ合衆国での初版が1959年。まもなく70年という古典中の古典SFである。本の中身より何よりも、この本=爆笑問題の太田光氏が好き過ぎて自社の名前をタイタンにした、という逸話で有名な本書。

さっそくネタバレ無しでVámonos!(2200字)



タイタンの妖女(カート・ヴォネガットJr.著)

時空を超えたあらゆる時と場所に波動現象として存在する、ウィンストン・ナイルズ・ラムファードは、神のような力を使って、さまざまな計画を実行し、人類を導いていた。その計画で操られる最大の受難者が、全米一の大富豪マラカイ・コンスタントだった。富も記憶も奪われ、地球から火星、水星へと太陽系を流浪させられるコンスタントの行く末と、人類の究極の運命とは? 巨匠がシニカルかつユーモラスに描いた感動作を訳も新たにした新装版。(解説 爆笑問題・太田 光)

Amazon紹介文より


オーディブル・レビュー

古くて古くて新しい

遠い遠い昔に読んだ時にはさらりと流してしまっていた部分が四半世紀以上経って読んだ今回、妙にこころに多く突き刺さった。またコンスタント側(男性主人公)としてもビー側(女性準主人公)としても、大人になったからこそ見える側面があった。

ということで老若男女どの層にもオススメだが、複雑な世界観、昔の芝居のような言い回しや、アメリカ的ジョークなど分かりにくく一般的でないのは確か。ある程度古典SFを読んだあとで取り掛かるほうがいいかも。

(アプリへの投稿文を多少改稿)


note追記

私のオーディブル・レビューでは「ネタバレ無し」を基本にしているので、もちろん本作に対しても触れない。

ああ、よかった。
だって、あらすじをまとめるにしても複雑だし、不条理なことが多いから言語化するのも私の脳ミソではアップアップなのである。ただ、逆に言えばその複雑さ、わからなさ自体が面白いので、「わかる」より「感じる」にアンテナを調整して臨むのが◎である。

多分この本の読書体験は、ガチな不条理SFファンでない人(=私)は、クラシック音楽の素人(=私)が交響曲をコンサート会場で聴いているような感じになると思う。

  • 第一楽章
    まだワクワクで聴いている状態。キャッチーな旋律もあって、そこそこ楽しい。
    =SFだけど今っぽく俗っぽい生活の描写なんかで、そこそこ食いついて読める。

  • 第二楽章
    テンポが穏やかになり、なんだかちょっと眠くなる。シンバルの音とかでときどき目覚める感じ。
    =「わからん」が現れてきて、ちょっと気持ちが萎えてくる。でも火星軍での話とか、さすがまだ第二次世界大戦が生々しい時代の本だな〜なんて、ちょっとしたことに引っ張られ、なんとか継続。

  • 第三楽章
    まだ相変わらず眠い(おい!💢)けど、ちょっと軽快になって、あ、なんかもうちょっとちゃんと聴いてみよっかな、と座席にしっかり座り直す。
    =あいかわらず「わからん」が、エピソードが畳み掛けてくるので、えーい、これがどうなっていくんだ!と、ちょっと先行きが気になってくる。

  • 第四楽章
    めっちゃ華やか。全楽器が一丸となって、これでもか〜とテーマを奏でるので、圧倒されたところで指揮者のおじぎ。スタンディングオベーション(←拍手のついでにヨダレの跡をこっそり拭いておく)。
    =全キャラクターが感情むきだしで大立ち回り。今までの淡々としていたのはなんだったんだレベル。そのなかでテーマが荘厳に奏でられ、うおおお!と脳内がなったところで美しい旋律に心も震えて、読了(←うん。わかんなかったトコもう一回聴いたらわかるかも、と二巡目)。

読まれた方の、「ホントこうだった!」「いやいや全然違うがな」というコメント、お待ちしています!


おまけ・アメリカバス停事情

本作品では冬のアメリカのバス停が、とあるシーンで現れる。

私は今年7月まで9年間、アメリカとの国境に接したメキシコ某市に住んでいたため、メキシコ・アメリカ双方のバスによくお世話になっていた。
そこで、今年2月に撮ったテキサス州某市のバス停の写真を貼っておく。

メキシコではありえんキレイさ
だが電光掲示板は大ウソ。


車社会のアメリカで車を持っていないと辛い。コロナ前だったら一本で行けた場所が、その路線が廃止され乗り継ぎをしなくては行けなくなった。そのためこのバス停で次のバスを待つ。着いた時には明るかったのに、夕焼けからついにはこの状態。一時間くらいは待ったかな。もっとかな。急いでいるならUBERに乗れよ、だが、時間はあったのでボーーーっと空の変化を眺めながらバスを待つ。他の乗客ゼロ。人通りもほぼ無し。ひたすら公共の場でひとりだけ。

ちょっと本書の主人公コンスタントと同じノスタルジーを味わったけど、コンスタントとは違う結果になりました。

どういうこと!?

はい、その答えは本書でご確認を!

タイタンの幼女
カート・ヴォネガット・ジュニア (著)
,浅倉 久志 (訳)
文庫(ハヤカワ文庫 SF ウ 4-22)2009/2/25
オーディブル版 13時間56分
野口 晃 (ナレーション)

作品情報

お読みくださりありがとうございました
よかったら❤️,コメント,フォローよろしく
Hasta pronto! またお会いできますように

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