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【食の歴史】カツカレー 誕生秘話

「おや、カツカレーをご注文ですね! ありがとうございます。実はこのメニュー、当店(銀座スイス)で生まれた奇跡のコラボレーションなんですよ。……はい、熱々を準備する間に、その誕生エピソードをお話ししましょう!

 時は昭和23年(1948年)、戦後の面影がまだ残る頃のことです。

 当時の当店には、プロ野球チーム・読売ジャイアンツの大人気選手だった千葉茂(ちば しげる)さんが、常連客としてよく通ってくださっていました。名二塁手としてグラウンドを駆け回る千葉さんは、とにかく食欲旺盛でね。

 ある日の試合前、お腹をすかせた千葉さんが店にやってきて、いつものようにカウンターに腰掛けました。そして、注文を取りに行ったシェフに向かって、思い切った提案をしたんです。

『おい、カレーライスに豚カツを乗っけてくれ! 一緒に食べたいんだよ!』

 当時としては、それぞれが主役級のカレーライスとんかつをひとつのお皿に盛り付けるなんて、誰も考えつかない突飛な発想でした。

 でも、シェフは驚きつつも『お客さまの要望なら!』と、揚げたてのサクサクのカツをドーンとカレーの上に盛り付けてお出ししたんです。

 それを食べた千葉さんは大喜び! カレーの辛さとカツの旨味が絶妙に絡み合って、ボリュームも満点。『これなら力が出る!』と大満足で試合へ向かわれました。

 その様子を見ていた周りのお客さんたちも『おい、あのアニキが食べてる美味そうなやつは何だ!?』と興味津々。

 『これはイケる!』と確信した当店は、正式にメニュー化することにしました。千葉さんのダイナミックな発想から生まれたことから、最初は『千葉さんのカツレツカレー』という名前で売り出したんですよ。

 それが口コミで大評判になって、あっという間に全国の食堂や洋食屋さんに広まり、今や日本の国民食と呼ばれるまでに成長したというわけです。

 食いしん坊なプロ野球選手のワガママそれに応えたシェフの遊び心……このふたつが出会わなかったら、カツカレーは生まれていなかったかもしれませんね。

 はい、お待たせしました! 千葉さんも愛した最高の一皿、カツカレーお待ち! どうぞ召し上がれ!」


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