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【小説】Lv19 ログアウト|先生、冒険の続きを。~31年目のサンスーファンタジー~|第2章 異世界突入編

【これまでのお話】

第2章 異世界突入 編


Lv19 ログアウト


僕は、
難しい問題から逃げた。

現実世界だけじゃなく、

サンスーファンタジーの
異世界でも…



次から次へと恐ろしい計算を繰り出し、
僕たち小学生に算数の呪いをかけてくる、
サンスー族の圧倒的な脅威に怯えた。

「よしきち……
ごめんなさい……!」



激戦を続けるよしきちの背中が遠ざかり、
僕の意識はどんどん薄れていく。

すると、以前にも経験した、
あの感覚が襲ってきた。
















ぐにゃり


 















世界が、激しく反転する。

目の前が真っ白な光に包まれ、
やがてホワイトアウトがゆっくりと
晴れていくかのように、
だんだんと意識がはっきりしてきた。











「……どこだ、ここは」


自分の体を見下ろす。

「手と足が、
ちゃんとある。
動かせる。」

見渡すと、そこには
たくさんの木製の机と椅子。

前方にそびえる、
大きな緑色の黒板。

そして、ガヤガヤと騒がしい、
聞き馴染みのある
個性豊かな仲間たちの声。

あれ、
すぐ近くに
ピグ王子…
ではなく、
『ヒグチくん』がいる……!


「いつもの、教室……」



4年4組の教室だった。
僕は、現実に戻ってきたんだ。

恐る恐る、
自分の机の上を見つめてみる。

そこには、
1枚のプリントが載っていた。


『サンスーファンタジーLv10 
      ヨンヨン王の正体』




先生の手書きプリントだ。

急いでその内容を確認した僕は、
背筋が凍りつくような衝撃を覚えた。

そこに描かれていたのは、
ヨンヨン王の顔がぐにゃぐにゃと歪み、
『サンスー族のケイサーン』へと変身する、
まさに僕がさっきあの城の奥で目撃した、
あの恐ろしい光景そのものだった。

「嘘だろ……。」



じゃあ、あの幹部の
ベツベツーニやイッショーニは
どこへ行ったんだ!?

戦場に一人残された、
よしきちは無事なのか!?

パニックになりそうな僕の頭の上から、
突然、まぶしい笑顔と一緒に聞き慣れた
声が降ってきた。


「おっ、ユーチ!
10枚目まで進んだんだ!
すごいじゃん!!」



よしきち!
いや、現実世界の、
僕たちの先生だった。

いつも通り、昼休みに
サッカーボールを追いかけている時と同じ、
優しい笑顔で僕のプリントを覗き込んでいる。

その瞬間、
僕ははっきりと理解した。

やっぱり、
僕はあの異世界から、
この冷たい現実へと引き戻されたんだ。

苦手なことから目を背け、
嫌いな勉強から逃げたから。



サンスー族が仕掛けた
『文章題』という高い壁の前に、
恐怖に負けて、鉛筆を握る手を
止めてしまったから。

楽しいゲームのままで
いさせてくれるうちは、
僕は勇者の仲間でいられた。

けれど、本物の試練が牙を剥いたとき、
10歳の僕は敵前逃亡した。

そう、僕は、
サンスーファンタジーの世界から完全に、

『ログアウト』



してしまったんだ。

サンスー族に立ち向かえ!

第二章 異世界突入編 完 / 第三章へ続く



ユーチのステータス

先生冒険の続きを。31年目のサンスーファンタジー
第2章	異世界突入 編



ユーチ Lv19


小4 : だらしなチャンピオン


【そうび】
 みぎて  :  
 ひだりて :  
 からだ  :  キングのトレーナー
 あたま  :  べんきょうぎらいのがいねん



【とくしゅのうりょく】
 ゲーム(RPG)
 だらしがない
 物をすぐなくす
 勇者の優しさ
 最強のフォーメーション
 夢 中  



【アイテム】
 子性の種
 挑戦状
 レイザーのギプス
 サンスーファンタジーLv1〜Lv10

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