【NYAUWプロジェクト】【半島の会に登壇して|その後】半島で、数人の先生が振り向いてくれた ― だから、動ける1%の先生へ
【まず、正直な告白から】
先日、半島の会で登壇しました。
人前が苦手な私が、それでも勇気を出して壇上に立った、あの会です。前編・後編で、その顛末は書かせていただきました。
正直に言うと、話しながら、心のどこかでこう思っていました。「重ね合わせ」も「Familiar Stranger」も「半島」も、私にとっては十年ぶんの本気の言葉なのだけれど、マクロな視点すぎて、伝わらないんじゃないか、と。
私はずっと、この「マクロな話ばかり」という自分の弱点に、悩んできました。目の前の得を語れず、つい遠くの景色の話をしてしまう。だから届かない。そう思ってきました。
ところが。

【嬉しかったこと】
会のあと、数人の先生から、そっとご連絡をいただいたのです。
「共感しました」と。「自分も、同じことを考えていました」と。
……これが、どれほど嬉しかったか。
うまく言えないのですが、あの感覚こそが、私の言う「Familiar Stranger(顔なじみの他人)」が、"仲間"に変わる瞬間そのものでした。すれ違うだけで言葉を交わさなかった人と、はじめて手の内を見せ合えた。近くにいるのに遠かった距離が、すっと縮まった。
そして、大事なことに気づきました。
マクロな視点を語ることは、欠点ではなかった。 ただ、"全員に"届けようとするから、苦しかっただけなのだ。
高いところに立てた旗は、大多数の人には見えません。でも、同じ高さを見ている、ほんの数人には、はっきり見える。そして見えた人は、「あ、これは自分のことだ」と、強く振り向いてくれる。
薄く広く、ではなかったのです。深く、狭く。それでよかった。
【だから、線を引かせてください】
いつもの私なら、ここで「みなさん、ぜひ」と裾野を広げにいきます。でも今日は、あえて逆をやります。
この続きは、動ける1%の先生に向けて書きます。
もし、これから書くことが「うーん、ピンとこないな」と感じたら――そっと去ってください

でも、もし。
診察の合間に、ふと「これ、なんとかならんかな」とため息が漏れる瞬間があるなら。そのため息を、こっそり自分のために解決しようと、もう手を動かし始めているなら。あるいは、頭の中に消えていったプロトタイプが、いくつもあるなら。
――この続きは、あなたへの手紙です。
【1%の先生へ】潮目は、もう変わっています
かつて、私たちの「作れない」は、本物の壁でした。
コードは書けない。業者さんに頼めば数十万から数百万。仕様を伝えるだけで一苦労。結局、アイデアは頭の中のまま消えていく。私自身、そうやって静かに諦めたものが、いくつもありました。
それが、この一年で溶けました。日本語で「こういうものが欲しい」と話しかけるだけで、動くものが数分で出てくる。「ある」と「する」の間にあった、あの分厚い壁が、消えたのです。
そうなると、次のため息が生まれます。「作れる」ようになると、今度は「埋もれる」。

みんなが作れる時代は、母数が一気に膨らみます。せっかくの良いものが、その他大勢の中に沈んでいく。作れたこと自体は、もう希少ではない。希少なのは、その中から、必要な人に「見つけてもらえる」ことのほうへ移りました。
だから私は、ずっと細々と続けてきた「医師のチラシ」を、次の段階へ動かし始めています。医療にかかわる人が、それぞれのプロダクトやプロジェクトを、一枚のページに"重ね合わせる"場所。順位をつけるのではなく、すでにあるものに、そっと光を当てる。
【最初の一歩は、Google AI Studio Buildで】
半島の会のスライドでも、最後にこうお伝えしました。
まずは、Google AI Studio の「Build」を触ってみてください、と。
日本語で「こういうものが欲しい」と話しかけるだけで、動くものが出てくる。あの"壁が溶ける"体験を、まず一度、自分の指で味わってほしいのです。理屈より先に、驚いてほしい。難しく考えず、頭の中の「あればいいのに」を、そのまま話しかけてみてください。

【そして、必ず壁にぶつかります】
ただ――ここは正直に、先に言っておきます。
やってみると、必ず、どこかで壁にぶつかります。
「思った通りに動かない」「直してと頼んだら、別のところが壊れた」「そもそも、何がおかしいのか分からない」。
これは、あなたの才能の問題では、まったくありません。私も毎回ぶつかります。以前の記事にも書きましたが、「いい感じにして」「駄目じゃんそれでは」の往復では、アプリは完成しないのです。バイブ(雰囲気)だけでは、"出来ているかの判断"と"最後の詰め"が、どうしても出来ない。これは、誰もが通る道です。

だから、ここで諦めないでください。壁にぶつかったら――一段、ベースに下がればいいんです。
【一段下がる、という選択】
私がおすすめしているのは、BubbleとZapierです。一世代前の、少し手間のかかるノーコードツール。
「え、AIの時代に、なぜ古いものを?」と思われるかもしれません。でも、これが効くのです。

Zapier は、「何が起きたら(Trigger)→ どうする(Action)」という、処理の"手順"を教えてくれます。
Bubble は、「データをどこに置くか」「ボタンを押したら何が起きるか」という、アプリの"構造"を、目で見て触って教えてくれます。
医学でいう解剖生理です。これを知らずに手術(コーディング)はできない。逆に、この解剖図さえ頭に入っていれば、あとは執刀をAIという優秀な助手に任せられる。
遠回りに見えて、これがいちばんの近道です。急がば回れ。でも、一からのコーディングのように回り過ぎない。

だから、流れとしては、こうです。
まず Google AI Studio Build で、驚く。 壁にぶつかったら、Bubble / Zapier で一段下がって、"仕組み"を体で覚える。
この行ったり来たりが、あなたの"バイブコーディングの精度"を、静かに上げていきます。ちなみに、Zapierの入り口としては、こんな練習メモも置いてあります。

【あなたの一枚を、そっと置いてください】
さて。壁を越えて、あなたの手元に"何か"が出来たなら。どうか、それを、埋もれさせないでください。
「医師のチラシ」は、医師だけの場所ではありません。薬剤師さんも、視能訓練士さんも、産業保健の方も、ヘルスケアに挑む方も。現場のため息を知っていること――それだけが、たった一つの入場券です。
半島の会で数人の先生が振り向いてくれたときのあの嬉しさを、私は、この「医師のチラシ」の上で、もっと起こしたいのです。
あなたが作ったその一枚を見た誰かが、「これ、自分のあのため息にも応用できる」と気づく。応用して、また新しいものが生まれる。GIVEした人が、めぐりめぐってGIVENされる。重ね合わせが、次の重ね合わせを生む。 これが、私がいちばん見たい景色です。

バズらせる場ではありません。誰かを出し抜く場でもありません。むりなく・安心して・少しずつ。勤務先を辞める必要も、特別な才能も要りません。週に2時間――そしていま、その2時間は、AIのおかげで、以前よりずっと"効く"時間になっています。
もし、あなたにも「あればいいのに」があるなら。あるいは、もう何か作っているなら。どうか、あなたの一枚を、そっとここに持ち寄ってください。
▼ 医師のチラシ|なぜいま、医療者のプロダクトを一枚に重ねるのか
あなたの一枚が、また誰かの「重ね合わせ」の起点になります。
今日はここまで
半島で振り向いてくれた、数人の先生へ。あらためて、ありがとうございました。
そして、まだ顔を知らない1%の先生へ。半島から、一緒に。むりなく・安心して・少しずつ。
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