JAL「どこかにマイル」で行く【札幌ひとりだけど一人じゃない旅】/❹痛風のM山はあまりの激痛に宴会を欠席
確率25%の「札幌」を気合いで引き当てた、【札幌ひとりだけど一人じゃない旅】シリーズの第4話。
いよいよ今夜は、この旅のメインイベントである中学同級生男子の集う「全員集合!」の飲み会である。飲むぞ、語るぞ。
ところが午前中にM山(ひとり大工・第1話に出てくるクラフトビールのお店『月と太陽BREWING』の内装を作ったカレ)から悲痛な叫びにも似たLINEが届いた。
「今夜の飲み会、オレ、欠席するわ〜。せっかくの全員集合なのに、ほんと、ごめん」
昨夜から左足の親指に激しい痛みがあり、夜は眠れないほどだった、という。早々に診療クリニックに出向き、検査をしてもらっているとのこと。
眠れないほどの痛みだなんて、想像しただけで切なくなる。 「大丈夫か」「とにかく体が一番だ」「全員集合はまたいつでもできる」と、グループLINEには心配と励ましの声が次々と届く。
せっかく札幌に来たのに会えないのは残念だが、一番落ち込んでいるのはM山本人だろう。 今夜のお店は一昨年も行ったことがあり、日本酒の品揃えと料理の旨さを知っているだけに、諦めねばならないのはさぞやつらかろう(いや、そこじゃないか(笑))。
そんなわけで、今回の全員集合はY斗、S本、S村、わたしの4人で飲んだくれることになった。

電話で予約する際には、「うちは初めてですか」と確認される。 おととしはいささかビビったが、もう一見さんではないのだ。 堂々と「いえ、行ったことはあります!」と力強く答えた(とはいえ、まだ二度目なのだが)。 旨い日本酒を出す店には詳しいS村さえも知らなかった店である。ふふふ。



残念なことに九平次は品切れだった



福井 黒龍 いっちょうらい 純米吟醸
「旨い酒は、酔っ払う前に一番に味わう!」と豪語するS本は、初っ端から最高値の十四代 本丸を頼んだ。 負けていられないので、わたしは黒龍の「いっちょらい」から始めた。 堅実なY斗とS村は、「飲み会の一杯目はやはりコレですよ」とビールを頼む。 再会を祝して乾杯する。
「M山はかわいそうだったな」
グラスに口をつけながら、Y斗が言う。
「また今度があるよ」
「左足の親指っていうと、痛風だな」
「痛風だろう」
「ビールが飲めなくなるのはつらいな」
「知ってるか? じわじわと痛くなるんじゃなくて、一気にある日ドカン!と激痛に見舞われるのが痛風なんだ」
年齢的にもビール好き的にも、痛風という病について、ずいぶんと詳しい中学同級生男子たちなのだった。

好物はホッキ貝、ツブ貝、ホタテ
そうこうしているうちに、目にも美しい刺身の盛り合わせが出てきた。 本日のメニューにホッキ貝が載っていなかったので、「ホッキ貝は今日はないのですか」と聞いたところ、「メニューに書いていないものはない」と塩対応のお姉さんであったが、大将に伝えてくれたのか、ちゃんとホッキ貝も入っていた。 感動である。ありがとう、お姉さん。

刺身が出て来たら、日本酒が進む。Y斗は而今(じこん)を頼む。どの酒も、みんなでひと口ずつ試飲する。旨いぞ。

自家製チーズが抜群に美味かった
酒盗は2月の高知旅でお土産に買ってきた


このお酒だけ90mlだった

誰が何を頼んでも必ず味見できるので、利酒会のようになり、「これは意外にも甘味が勝つね」「香りがたってるね」などと意見を言い合えるのも楽しかった。持つべきものは酒飲みの友。



山わさび大好きだけど、めっちゃ鼻にツンときた

函館 五稜 純米

個人的には、田酒が別格の味わいだった。 ひとりでグラス一杯を飲んでみたく、これはもう一度注文したほどだ。 旨い。 2026年春の札幌といえば「田酒 四割五分 純米大吟醸 古城錦」といってもいいくらい、忘れられない味となった。
肴は「鰹酒盗と自家製チーズ」を特に取り上げたい。 鰹酒盗については2月の高知旅のお土産に買ってきたのだが、これほど旨い印象はなかった。 この自家製チーズが美味で、これと合わせてちびちび食べると、日本酒とともにエンドレスになりそうだ。
いずれにしても、良い日本酒を揃えており、料理もまだまだ食べてみたいものがたくさんある。 ぜひまた訪れてみたい店だ。
そうそう、M山については後日談がある。 クリニックでの血液検査などの結果により、痛風ではなかったことが判明したのだ。 菌による感染かなにかのようで、翌日には痛みも引いたそうである。
「ビールのせいじゃなくて良かった」
「良かった、またビール飲みに行けるね!」
「ほんと、これからも大好きなビールを一緒に飲もうね」
みんな、気になるのはビールのことばかりのようである。
なにはともあれ、今後もみんなで大いにビールが飲める。 これほど幸せなことがあろうか。
気合いと念で引き当てた話はこちらから。
第1話はこちらから。
第2話はこちらから。
第3話はこちらから。
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