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【英検準1級で差がつく?】「始める」の熟語10選を一気に整理!(前編)

これまでの熟語シリーズは「同じ動詞+前置詞違い」で見てきましたが、
新シリーズは「動詞は違うのに日本語訳が同じになる表現」を集めて
整理していきます。
第一回のテーマは、まさにその「始める」です。

日本語では、何かを始めるとき、たいてい「始める」の一言で
済ませてしまいます。

最初は私も、「始める」なんだから start でいいだろうと思っていました。でも、英検準1級の語彙問題を見返していると、それでは全然足りない
ことに気づきます。
会議を始めるのか、趣味を始めるのか、会社を始めるのか——場面に
よって使う表現がまったく変わります。
私のマル秘メモを見返してみると、「始める」と訳される表現だけで、
なんと10種類もありました。

先に一つだけ触れておきます。今回紹介する10個は、英英辞典で
「始める」に関わる意味として説明されるものや、日本語では「始める」
と訳されることが多い表現を集めています。
中には「始める」そのものというより、「〜し始める」「始まる」
「気に入って続くようになる」と訳される関連表現も含まれます。
それぞれがどう「始める」につながっているのかは、この後の解説で
一つずつ触れていきます。

たとえば、こんな一文があります。

Let's ______ the meeting.

start でしょうか。begin でしょうか。

実は、英語としては start や begin でも通じます。
ただ、英検準1級では「start」ではなく、より具体的な熟語として
kick off が問われることがあります。
この時点で「え?」と思った方は、今回の記事がちょうどよい内容だ
と思います。

今回は前編として、10個のうち「行動を起こす」タイプの6つを
見ていきます。残り4つは後編でお届けします。


まずは問題

空欄に入る最も適切な表現を考えてみてください。
(選択肢はあえて伏せています。まずは意味から推理してみましょう)

  1. Let's ______ the meeting with a quick review of today's agenda.

  2. The company plans to ______ a subsidiary in Osaka.

  3. He ______ to master three languages before turning thirty.

  4. Once the plan was approved, she ______ organizing every detail of the event.

  5. The company ______ an ambitious expansion plan.

  6. After a few minutes of small talk, they finally ______ business.

考えてみましたか? ではひとつずつ見ていきましょう。


解説:「行動開始タイプ」6つの「始める」を見分ける

熟語(行動開始タイプ①)

① イベント・会議を始める → kick off

イベント・会議などの開始でよく使われる、カジュアルな表現です。

  • Let's kick off the meeting.

  • The concert kicked off at 7.

サッカーのキックオフのように、「ここから始まりますよ」という合図的なニュアンスが強い表現です。問題1の答えは kick off になります。

② 会社・設備・制度を作る/設立する → set up

「土台を作る・準備する」という意味の表現です。会社や設備をゼロから立ち上げることは、そこでの活動そのものを始めることにもつながります。

  • set up a company

  • set up a website

  • set up a tent

何かの仕組みや構造物を、ゼロから組み立てていくイメージです。
問題2の答えは set up になります。

③ 何かを始めようと決意して着手する → set out

「目的を持って着手する」という意味の表現です。

  • He set out to write a novel.

  • They set out to solve the problem.

set up と似た形をしていますが、こちらは「目標を持って行動を起こす」
というニュアンスが中心です。
問題3の答えは set out (to master) になります。
set up とはしっかり区別しておきたい表現です。

さらに、これと形が似ている表現がもう一つあります。
次の set about です。

熟語(行動開始タイプ②)

④ 目の前の作業に実際に取りかかる → set about

set out とよく似た見た目ですが、後ろに来る形と、焦点の当たり方
が違います。

  • set out to do(動詞の原形):目的・目標に向かって着手する・出発するというニュアンス

  • set about doing(動名詞):実際の作業そのものに取りかかるというニュアンス

  • He set out to write a novel.(小説を書こうと決意して着手した=大きな目標)

  • He set about writing the first chapter.(第一章を書く作業に取りかかった=目の前の作業)

問題4の答えは set about (organizing) になります。
set up/set out/set about は見た目が近いだけに、英検準1級でも
混同しやすい組み合わせです。
迷ったときは、後ろが to+動詞の原形か、doing(動名詞)かという
「形」で判断するのが一番確実です。

⑤ 大きな目標に向けて本格的に乗り出す → embark on

「新しく、難しい活動に本格的に乗り出す」という意味の表現です。
set out と近い意味を持ちますが、embark on はより規模の大きい、
本格的なプロジェクトや人生の転機に使われる、少しフォーマルな
表現です。

  • She embarked on a new career as a teacher.

  • The company embarked on an ambitious expansion plan.

もともと「船に乗り込む」という意味だったことから、大きな航海に
出るような、本格的な始まりのイメージを持つ表現です。
問題5の答えは embarked on になります。

⑥ 雑談をやめて本題に取りかかる → get down to

「雑談などを終えて、本題や仕事に取りかかる」という意味の表現です。

  • Let's get down to business.

  • After some small talk, they got down to work.

set about が「作業そのもの」への着手を指すのに対し、get down to は
「雑談・脱線から本題へ切り替える」という、場面の切り替わりに
焦点がある表現です。
問題6の答えは got down to になります。


ここまでの6つ(kick off/set up/set out/set about/embark on/get down to)は、いずれも「行動を起こす」タイプでした。
同じ「行動を起こす」でも、対象(会議か、会社か、目標か)や
決意の度合いが少しずつ違うのが見えてきたかと思います。


使う場面を一発で整理(前編分)

表現 どんな場面で使う?

kick off 会議・イベント
set up 会社・設備・制度
set out 目標を持った行動
set about 目の前の作業への着手
embark on 大きなプロジェクト・人生の転機
get down to 雑談から本題への切り替え


試験で超よく出る組み合わせ(前編分)

  • kick off a meeting(会議を始める)

  • set up a business(会社を設立する)

  • set out to write a book(本を書こうと決意して取り組み始める)

  • set about organizing an event(イベントの準備に実際に取りかかる)

  • embark on a new career(新しいキャリアに本格的に乗り出す)

  • get down to business(本題に取りかかる)


覚え方の整理(前編分)

  • kick off → スタートの笛

  • set up → 土台を作る

  • set out → 目標に向かって出発する

  • set about → 目の前の作業に取りかかる

  • embark on → 大きな航海に出る

  • get down to → 雑談から本題へ切り替える

残りの4つ——take up/take to/set in/burst into——は、
「新しく始める」ではなく、「習慣になり始める」
「悪いことが定着し始める」「突然始まる」など、
少し違うタイプの「始める」を表す表現です。
後編でまとめて見ていきます。


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