【英検準1級で差がつく?】「始める」の熟語10選を一気に整理!(後編)
前編では、「始める」と訳される10個の表現のうち、
kick off/set up/set out/set about/embark on/get down to
の6つ——いずれも「行動を起こす」タイプ——を見てきました。
後編では、残りの4つを見ていきます。
この4つは、前編の6つとは違うタイプの「始める」です。
「新しいことへの着手」「好ましくないものの定着」「突発的な発生」
と、それぞれ違う始まり方をします。
まずは問題(後編分)
空欄に入る最も適切な表現を考えてみてください。(選択肢はあえて伏せています。まずは意味から推理してみましょう)
After retiring, she decided to ______ pottery as a new hobby.
He ______ painting during his recovery and hasn't stopped since.
As winter ______, the days grew shorter and colder.
The audience ______ applause the moment the singer appeared on stage.
考えてみましたか? ではひとつずつ見ていきましょう。
解説:残り4つの「始める」を見分ける

① 趣味・勉強・仕事を始める → take up 【新しいことへの着手】
「新しく取り組み始める」という意味を持つ表現です。
I took up golf.
She took up yoga.
これまでやっていなかったことを、新しい習慣として手に取る
イメージです。問題1の答えは take up になります。
たとえば、定年退職したばかりの人が、翌週にはゴルフクラブを
手にしている——そんな場面がまさに take up です。
② 気に入って続けるようになる → take to 【新しいことへの着手】
take to の核となる意味は「気に入るようになる」です。
そこから、「気に入って自然と続けるようになる」という意味が
生まれています。take up が「新しく手に取る」という動作そのもの
を指すのに対し、take to は「始めてみたら気に入って、
そのまま続いている」という、始めた後の定着まで含むイメージです。
He took to jogging every morning.
She took to gardening after moving to the countryside.
たとえば He took to jogging. は「ジョギングを始めた」というより、
「ジョギングが気に入って、続けるようになった」というニュアンスです。問題2の答えは took to になります。
③ 好ましくないものが定着し始める → set in 【定着開始タイプ】
「(何かが)始まって、そのまま続きそうな状態になる」という
意味の表現です。
Winter set in early this year.
Doubt began to set in after the plan failed twice.
burst into のような突発的な始まりとは違い、set in は
「じわじわと始まって居座る」というゆっくりした始まり方を
するのが特徴です。天候・季節・病気・疲労・疑いなど、
しばらく続く状態によく使われ、その中でも特に歓迎されない状態
で使われることが多い表現です。
問題3の答えは set in になります。
④ 突然~し始める → burst into 【突発発生タイプ】
これも正確には「始める」というより、「抑えられずに一気に動作
が始まる」という表現です。涙・笑い・拍手・歌声など、
こらえきれなくなったものがそのまま行動になって出てくるイメージです。
burst into tears
burst into laughter
burst into applause
burst into song
問題4の答えは burst into (applause) になります。
使う場面を一発で整理(全4個)
表現 どんな場面で使う?
take up 趣味・勉強・仕事
take to 習慣として定着した活動
set in 好ましくないものの定着
burst into 笑い・涙などが突然始まる
行動タイプで整理(全10個)
「始める」と訳される表現は、実は次の5タイプに分けられます。
① 行動を起こすタイプ:kick off / set up / set out / set about / embark on / get down to
② 新しいことを始めるタイプ:take up(新しい趣味や勉強などを始める)
③ 気に入って続けるタイプ:take to(始めてみたら気に入り、そのまま習慣になる)
④ 状態が定着し始めるタイプ:set in(天候・季節・病気などがじわじわ定着する)
⑤ 突発的に起こるタイプ:burst into(感情や現象が一気に起こる)
どれも日本語では「始める」と訳されることがありますが、
実際には始まり方が異なります。この5つのタイプを意識すると、
それぞれの熟語の違いがぐっと整理しやすくなります。
試験で超よく出る組み合わせ(後編分)
take up a hobby(趣味を始める)
take to jogging(ジョギングを習慣として始める)
set in early(早くから居座り始める)
burst into tears/laughter(突然泣き出す・笑い出す)
最後に、覚え方の整理(全10個)
kick off → スタートの笛
set up → 土台を作る
set out → 目標に向かって出発する
set about → 目の前の作業に取りかかる
embark on → 大きな航海に出る
get down to → 雑談から本題へ切り替える
take up → 新しいものを手に取る
take to → やってみたら定着する
set in → じわじわ居座り始める
burst into → 感情が爆発する
こうしてイメージで整理すると、「全部『始める』なのに何が違うの?」がかなりスッキリします。
前編・後編で紹介した10個は、日本語ではどれも「始める」と訳されることがあります。しかし実際には、行動を起こす・新しいことを始める・習慣として定着する・状態がじわじわ始まる・感情が突然あふれ出すなど、それぞれ表す「始まり方」が異なります。
この違いを場面ごとに整理して覚えておくと、英文を読むときも書くときも、その場面に合った表現を自然に選びやすくなります。
「始める」という日本語が思い浮かんだら、何を始めるのかだけでなく、どんな始まり方なのかまで意識してみてください。その視点を持つだけで、英検準1級の語彙問題でも選択肢の違いが見えやすくなるはずです。
