私たちは自分を超えた盲目的な力によって制約を課され,場合によっては生死の鍵すら握られていると感じることはないだろうか。カミュはこのような不条理を直視し,明晰に理解しようと努めることをやめなかった。誠実なモラリストであるカミュは,己の言葉と現実とのずれに虚偽を見いだし,そのような人間本性の深淵に潜む自我と権力欲にもスポットライトを当て,これに芸術作品という普遍的な形を与えようとした。本書では,多角的な視点からカミュの生涯と作品に切り込み,現代人としてカミュを読むことの意味とその魅力を探る。 ◇目次 はじめに I 生い立ちの光と影 一 浮草のような生まれ 二 学校時代 三 出会いと決意 四 生と自然の充溢 II 文化活動とジャーナリズム 一 孤独と世界の調和 二 天職を求めて 三 新聞記者カミュ 四 奇妙な戦争の静けさの中へ 五 孤立と連帯 III たたかう市民から栄光の作家へ 一 占領時代 二 パリ解放と戦争の禍根 三 作家カミュの名声と文明批判 四 『ペスト』の成功 IV 《反抗的人間》と論争 一 反抗論の胚胎 二 ムルソ的反抗 三 反抗的人間 V 悩めるカミュ 一 『反抗的人間』の反響 二 伴走と離反 三 アルジェリア戦争 VI 『転落』 一 沈黙と言葉 二 『転落』の意義 三 二重性の意識 四 原罪と審判 五 『尼僧への鎮魂歌』 VII 『追放と王国』 一 中編小説集『追放と王国』 二 「不貞」 三 「背教者」 四 「啞者」と「ヨナ」 五 「客」 六 「生まれ出ずる石」 七 ノーベル賞と『最初の人間』 あとがき 年譜 引用・参照文献/和文参考文献 さくいん
※2026年7月22日 6:32時点
カミュの全作品を扱った、評伝の決定版! ! 近年再評価の機運高まる仏ノーベル賞作家アルベール・カミュ。 代表作『異邦人』を扱った解説書は数多いが、戯曲を含めた全作品を扱ったものはこれまでにない。 本書は、その生涯をたどり、カミュ独特の清冽な名文を味わいながら作品世界へと誘う。 長年のファンにも、はじめて手に取る人にも、カミュの作品と人物の魅力を余すところなく伝える。
※2026年7月21日 18:33時点
カミュが終生強くこだわりつづけた“正義”とは何だったのか? 母国フランスと生まれ育った故郷とのあいだの 葛藤に悩んだアルジェリア戦争。国境を越えて世界中に戦慄の衝撃をあたえた「異邦人」、革命をめぐるサルトルとの論争の真の勝利者はどちらか――不条理文学の旗手である一方、革命とテロが避けられない全体主義を終始批判しつづけたカミュ。その人生と思想を鮮やかに浮き彫りにする。
※2026年8月13日 23:32時点
※2026年8月15日 5:36時点
裏と表,結婚,夏,異邦人,ペスト,転落,追放と王国
※2026年7月20日 23:33時点